森の奥へ

街の喧騒に惹かれて森を出た山猫はいつの間にかずいぶんと歳をとった。いつかもう一度故郷の森の奥へ帰りたいと鳴くようになる。でも、街の暮らしはなかなか捨てられるものじゃない。仕方ないから部屋の壁紙だけ森の色に染めてみた。

山猫のつぶやき

Tsundoku ~読まない読書もある~

読まないままに放っている本が、自室の本棚に百冊はある。いや、ひょっとしたら数百冊を優に超えている。机の上にも平積みで何十冊かある。なのに、書店で興味を惹かれるタイトルの本を見つけると、それを手にレジに並んでしまう。メルカリの「購入画面に進…

こころはきっとわたしの身体の外にある

「死」について、猫も考えていますよね。きっと、絶対。いえ、考えてなくても、感じているはずですよね。ずっと傍で暮らしていた猫の匂いやモフモフや足音や鳴き声や寄り添ったときの身体の温かさを。それらを感じられなくなったときの寂しさを。 花は陽の当…

白猫🐾さんのこと、繋がっているということ

アガパンサスの花を見ると思い出す人がいます。と言っても、色っぽいお話じゃないです。 久しぶりに書きます。というか、久しぶりにブログを書きます。毎日何かしら文章は書いていますが、はてなブログを書くのにはパワーがいるので、ブログ用のパソコンをし…

明けない夜もある

明けない夜はない 座右の銘を訊かれると、いつもこの言葉を応えてきました。どんなに辛い状況であっても、延々とそれが続くことはない。いつかきっと穏やかな朝を迎えることができるはず。辛い状況を乗り切れるヒントをそのうち思いつくかもしれないし、自分…

第一の人生の終わり方

同じ朝、同じ昼、同じ夜。仕事を終えて帰宅して、何はともあれ、まずお風呂。夜はのんびり食べて飲む。家族みんなが揃うのは夕飯の時くらい。少し話して、少し聞く。子供らは数回ご飯をお代わりし、それでもすぐに食べ終わり、部屋へ戻って誰かとゲーム。わ…

定年を迎えました(^^;

わたし山猫は令和3年3月末日をもって定年を迎えました。 3月31日は最後に退職辞令(だったかな?)を受け取って職場を出ました。あれこれ挨拶を交わすのが性に合わないので、わたしは目立たないように視線を下げて職場を辞しました。何気なく退勤のタイ…

震災通信(阪神淡路大震災体験記) あとがき

happy-ok3(https://happy-ok3.com/) さんから、 「阪神・淡路大震災から26年が過ぎ、27年目に入りました。でも、風化させてはいけないと思います。」 と『震災通信』最終回の記事にコメントをいただきました。 風化させないこと、、、わたしたちにとって一番…

震災通信(阪神淡路大震災体験記)後記 5/5

* 『震災通信』の連載中につぶやいたこと、思ったこと。Twitterから引用します。 2021年1月18日、この日の朝も冷えました。寒いけど朝焼けはきれいです。寒くなればなるほど美しくなります。駅までの尾根筋を下る通勤の途中、欠かさずこの場所から東…

ノンフィクション、、、現実と日常と実話との方に「ノン」がついてます **ブックマーク・ツイートから** 山猫ノート31

現実と非現実、日常と非日常、ノンフィクションとフィクション。実話と創作───並べてみると、現実と日常と実話との方に「ノン」がついてますね ^_^ 現実と非現実、日常と非日常、ノンフィクションとフィクション。実話と創作。並べてみると、現実と日常と実…

コロナ禍の墓参。 **ブックマーク・ツイートから** 山猫ノート30

わたしの父は56歳で亡くなりました。脳腫瘍でした。亡くなる2年前に病気が分かり手術をしましたが、1年後に再発、その後、回復することなく逝きました。父が亡くなった当時わたしは28歳、孫の顔どころか、わたしの奥さんの顔も見てもらえないままの別…

満月の夜の雪 **ブックマーク・ツイートから** 山猫ノート29

去年の暮れのこと、神戸の街に雪が降りました。しんしん降った雪はうっすら積もりました。満月の夜でした。 満月の夜の雪。梢の葉に積もりました。積もった雪を月明かりは溶かせたでしょうか。 12月の満月をネイティブインディアンの人たちは「コールドム…

幸せの定員 (創作小説)  ***はじめに***

長らくぶりの更新です。 ご無沙汰しています。 前回、記事を投稿したのが7月の初めでした。 猛暑の夏はとうに過ぎ、季節はすっかり秋です、、、 と、二か月ほど前に書き始めましたが、何度か書き直しているうちに、もう冬です。 お変わりなくお過ごしでしょ…

ブロガーバトン繋ぎます

6月20日、たよらこ (id:tayorako)さんからブロガーバトンを受け取りました。 たよらこさんは、花咲き誇るお庭のことやお料理のこと、子育てや教育のことなどを話題にした複数のブログを運営されていらっしゃいます。 ときどき書かれるブログ作成やメンテ…

コロナ禍の最中で誠実であり続けるということ **ブックマーク・ツイートから** 山猫ノート28

6月1日から神戸では学校が再開します。 しばらくは分散登校ということで、週に何日かだけの登校になります。 と、5月のうちに書き始めましたが、いつものように書いてはやめ、読み返して書き直し、また少し書いてやめ、また読み返して書き直し、、、を繰…

新月の夜に夢を声に出して明らかにするとその夢は叶うらしい。

少し前のことです。 夢を見ました。 普段あまり夢を見る方じゃないです。 夢の中の出来事は詳細が分からないことが多いのです。 ですので、事情は忘れてしまいましたが、一通の封筒が机の上に置いてあって、それをひっくり返すと中から500円玉が一つと10円玉…

学校が大好きなあなたたちへ

1月は行く、2月は逃げる、3月は去る。 あっという間に過ぎてしまう3学期のことを、学校の先生はよくこんなふうに表現します。 いつもは逃げ足が速い2月ですが、今年は閏年、29日までありました。 ですから、例年より1日長い3学期になるはずでした。…

後回しと遠回りと。

いつか向き合わないといけないのに後回しにしている。 忘れたわけじゃないからずっと心の隅に引っかかっている。 夢に見たりすることもある。 もう時間がなくなってて、間に合いそうになくて、焦りだして、でも焦っても急いでも足が前に出なくて、足下を見る…

悩んでも何も変わらない。だから、あとで悩む。

落し物のことです。 いえ、本当は落とし物じゃなくて、大事なものをなくしたときのことです。 なくしたら出てこないけど、落としただけと思ったらひょっとして出てくるかもしれない。 失敗だと落胆したらそこでおしまいだけど、ちょっと遠回りしよ、と思えば…

気がついたら、いつの間にかわたしはわたしになっていた。

価値観について。 価値観が自分という個性を作り上げる。価値観がわたしをわたしにする。 id:knoriさんの「これはリンゴではない」という記事を読ませていただいて、最初にそう思いました。 その記事では、リンゴの写真がまず目を惹きました。 美味しそうに…

雪娘の櫛と山猫🐾と ~山猫『ハヤさんの昔語り』に立ち寄る。

わたし・山猫はときどき小説を書きます。 小説、というか文書を書くのが好きです。 絵を描いたり歌を歌ったり楽器を奏でたりボールを投げたり蹴ったりするのが好きな人がいらっしゃるのと同じように、山猫は文章を書くのが好きです。 でも、小説はときどきし…

正論で人は変わらない、雰囲気が人を変える

少し前のこと、神戸の小学校でショッキングな事件が起こり注目を集めました。 けれど、世間の注目を集めるニュースはその前もその後も途切れることがなくて、日々報道されるさまざまな出来事の山にあの事件も埋もれてしまいつつあります。 事件が起きた背景…

正論を口にするのが怖い

前回の記事「雰囲気と言うものの怖ろしさ」で神戸の小学校で起きた事件について書きました。 たくさんのコメントをいただき、この事件への関心の高さを思いました。 コメントを寄せてくださったみなさま、ありがとうございました。 今回は「雰囲気」を変える…

雰囲気と言うものの怖ろしさ

神戸の小学校で起きた事件が先日来、連日マスコミ報道されています。 事件の詳細が明らかになればなるほど、当事者や関係者たちの言動が伝えられば伝えられるほど、事件の不快さがなおさら増してきます。 被害者の方はもとより子供たちや地域へ与える影響を…

8月32日のお昼に。

8月26日18時、仕事帰り。 電車が駅に着く。 エアコンの効いた車内からホームに降ります。 外の空気をさほど暑く感じなくなりました。 山側改札を出るとすぐ前がバス停です。 次のバスが来るまで数分あります。 西の空を見上げたら、前日までと雲が違っ…

子供の頃、魔法を信じていました **ブックマーク・ツイートから** 山猫ノート27

子供の頃、魔法を信じていました。 選挙制度とか銀行の仕組みとか、高級ブランドの名前とか、愛とか恋とか、全然知らなかった子供の頃。 でも、魔法の存在は知っていました。 知っているだけじゃなくて普通に信じていました。 呪文の言葉を一生懸命考えまし…

くつはいて明日は退院 ヤッホホー

時間ってなんだろうとあれこれ考えています。 Stellar Dweller さんの『時間の無い場所』が引き金でした。 stellar-dweller.blogspot.com 時間は流れるもの?すべてのものは変化し動いていくように見えたり、感じられたりするけれど、それは時間があるせい?…