わたし・山猫🐾はときどき小説を書きます。
小説、というか文書を書くのが好きです。
絵を描いたり歌を歌ったり楽器を奏でたりボールを投げたり蹴ったりするのが好きな人がいらっしゃるのと同じように、山猫🐾は文章を書くのが好きです。
でも、小説はときどきしか書かないので、高校生の頃に初めて書いた作品から数えても全部で50~60作くらいしかないかな。
しかも、ほとんどが原稿用紙数枚の作品。
ですから、本当は小説を書くのは好きじゃないのかも知れません。
なにしろ締め切りがないと書けません。
以前、友人達と小説同人誌を発行していました。
年に一回とか二回とか定期的に発行していたので、誌面を作るスケジュールに合わせて小説を書かないといけなくて、その締め切りに追われるようにして書いていました。
ひとっつもアイデアが浮かばなくても締め切りさえあればなんとかなりました。
出来不出来は別として…
その同人誌も長く休刊が続いて、いまや誰も締め切りを設定してくれません。
自分で自分を追い込めない山猫🐾はちょっと困っています、、、
わたし・山猫🐾は食べ物を作るのも好きです。
それは料理と呼べるほどのものじゃないです。
休日の朝、食べたいものが不意に頭の中に湧き起こってくることがあります。
ただ食べたいだけじゃなくて自分で作りたくなることがあります。
庭に自生しているニラを見つけて、朝食を作りたくなるときもあります。
思い立ったらいつでも作れるように、小分けした豚肉を冷凍して用意してもらっています。
休日の朝、豚丼を食べる率はけっこう高いです。
あ、昼食でも。
今日の昼も豚丼でした。
食べたいものはあっても作り方はひらめかないので、もっぱらクックパッドに頼ります。
作るたびにクックパッドで調べます。
「つくれぽ」が3桁以上のレシピを探してきて、その通りに作ります。
レシピ通りに作りますからほどほどに美味しいですが、応用は利きません。
(普段料理なんてしない)お父さんが作ったにしては美味しい、というレベルです。
食べ物を作るときに、まず時間をかけるのはレシピ探しかも知れません。
それだけに小一時間費やすこともあります。
レシピが決まれば買い物に出かけます。
食材を買うついでに缶酎ハイも買ってきます。
家に戻ってきたらさっそく缶を開け、呑みながら準備に取りかかります。
なので、夕食を作るのに半日かかったりすることもあります。
食べ物作りが好きになったのは、オートキャンプで何泊かしたとき、バーベキューばかり続くと飽きてしまうと思って用意したダッチオーブンで作ったビーフシチューが飛びきり美味しかったからでした。
でも、夏の星空を見ながら食べる料理はたぶん焼きすぎたお肉だって美味しいのです、、、
というあれこれがあって、ある人から
わたし・山猫🐾は「山猫さんは、物語を書くひとでね、お料理も上手なのよ」と、身に過ぎたお言葉で紹介されることになったのです。
というのは実は、この秋の終わりのこと。
山歩きの途中で立ち寄った旧友の家で不思議な昔語りをしてくださる瑞樹さんにお会いしたのです。
瑞樹さんにお目にかかったのはその時が初めてでしたが、お人柄についてはtoikimi(id:toikimi)さんのブログ『かきがら掌編帖』でいろいろ伺っていましたから、なんだか以前からお付き合いさせていただいていたような少し懐かしいような気がしました。
瑞樹さんは早速、昔語りをひとつしてくださいました。
瑞樹さんと一緒に暮らしておられるハヤさんは、江戸から明治の時代に寸一という名の行者として生きた「前世」の記憶を持っておられます。
その思い出を折に触れて語ってくださるのだそうです。
寸一は村人たちが何かにつけ頼ってくるほど、不思議な力を持っている人でした。
ハヤさんが語ってくださる寸一の昔語りはどれも心に染みる温かいお話ばかりです。
瑞樹さんがそのとき聞かせてくださったのは「雪娘の櫛」のお話でした。
雪娘は東北地方に伝わる昔話だそうです。
互いに寄せ合っていたほのかな想いがすれ違ってしまう切ないお話でした。
切なくて、胸を打つお話でした。
でも、つい注文をつけてしまいました。
「哀しいお話は苦手なんです」と。
なんとも不躾なことを口にしてしまったのです、、、
少し言い訳させてください。
わたしは自分が書く小説は別として、読むときはハッピーエンドのお話が好きなのです。
哀しいお話はダメです。
一番苦手なのは『フランダースの犬』です。
「パトラッシュ、疲れたろう。僕も疲れたんだ。なんだかとても眠いんだ、、、パトラッシュ」とパトラッシュの背中を優しくなでながら静かに目を閉じていくネロ………
正直に一生懸命生きてきたのに報われない理不尽にわたしは怒りさえ覚えました。
ついでに書くと、『竜馬がゆく』もダメです。
どれほど竜馬が格好良く描かれていても、読み進めるほどに、近江屋で斬られる竜馬の無残なラストの場面が浮かんできて、もうダメです。
あえなく三日天下で倒される光秀のことを思うと、来年の大河『麒麟がくる』も多分絶対ダメです。
えっと、、、話を元に戻します。
なので、瑞樹さんにあんな不躾なことを言ってしまったのです。
ところが、あろうことか、瑞樹さんはわたしのわがままをハヤさんに伝えてくださって、「雪娘の櫛、後日譚」を届けてくださったのです。
子供たちの守り神になった雪娘と叔父さんを思って目の奥が熱くなりました。
一人旅を再開したわたしは、そのお話を、車窓から海を望める列車に揺られながら、聞いたのでした。
ハヤさんありがとうございます。
雪娘さんと叔父さんが寄り添って歩いていく後ろ姿が偲ばれます。
叔父さんが雪娘さんに何か話しかけ、雪娘さんは俯き加減で聞いています。
何の話でしょう。
雪娘さんは笑っていますね…
ハヤさんありがとうございます。雪娘さんと叔父さんが寄り添って歩いていく後ろ姿が偲ばれます。叔父さんが雪娘さんに何か話しかけ、雪娘さんは俯き加減で聞いています。何の話でしょう。雪娘さんは笑っていますね… / “雪娘の櫛、後日譚~ハヤさんの昔語り〔第二幕〕⑩~…” https://t.co/c0Z9Pb1FOi
— 山猫🐾 (@keystoneforest) 2019年11月18日
toikimi (id:toikimi)さん 山猫🐾のわがままを聞いてくださって、ありがとうございました。