森の奥へ

街の喧騒に惹かれて森を出た山猫はいつの間にかずいぶんと歳をとった。いつかもう一度故郷の森の奥へ帰りたいと鳴くようになる。でも、街の暮らしはなかなか捨てられるものじゃない。仕方ないから部屋の壁紙だけ森の色に染めてみた。

2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧

まだこんなところにいます夏の雲 ~俳句tweetより~

今回は8月8日から8月12日までのtweet句です。まったく季節感が伴わない句ばかりで申し訳ありません。どうぞよろしくお願いします。 少年の日の蝉時雨今朝も聞く 森の奥で暮らしていた少年の日に聞いた蝉時雨はとても優しくて、森の木陰で涼みながら友達…

木影踏み右へ左へ蝉時雨 ~俳句tweetより~

「~俳句tweetより~」の記事、今回は春から夏にかけて、あちらこちらで呟いたtweet句です。tweetしてから時間が経ちすぎていて季節感ありませんが、どうぞよろしくお願いします。 菜の花の花の数だけ温かい 4月3日の句です。菜の花の花はどの花を言うので…

不快な存在 (創作短編小説)6/6

連載6回目、最終回です。前回まではこちらです。 www.keystoneforest.net www.keystoneforest.net www.keystoneforest.net www.keystoneforest.net www.keystoneforest.net 秋山はセカンドバッグを片岡の前に置くと、深々と頭を下げた。その中に秋山の全財…

不快な存在 (創作短編小説)5/6

連載5回目です。前回まではこちら👇です。 www.keystoneforest.net www.keystoneforest.net www.keystoneforest.net www.keystoneforest.net 医療の第一の目的は病気や怪我による身体的苦痛を取り除くことにあるはずだ。秋山の左手は医学的には何の異常もみら…

不快な存在 (創作短編小説)4/6

連載4回目です。前回まではこちらです。 www.keystoneforest.net www.keystoneforest.net www.keystoneforest.net 秋山の診察にいつまでかかるか見当もつかなかった。もうすでに一時間以上秋山の話は続いている。 残りの患者の診察を終え、時刻を確かめよう…

旅行に行きたい!④ ~旅行一日目その3(平泉・中尊寺)

旅行一日目8月22日。時刻は午後2時頃です。前回は毛越寺観光を終えたところまで。今回の記事は旅行一日目その3、平泉・中尊寺編です。私的な旅行の記録としてまとめていますので、引用や個人写真が多くて読みづらくなっている点は、どうぞ了承くださいま…

不快な存在 (創作短編小説)3/6

連載3回目です。1回目、2回目はこちらです。 www.keystoneforest.net www.keystoneforest.net 秋山の話を聞いているうちに、診察室の空気も重くなったように片岡には思えてきた。少し息苦しくなった気もする。どろどろとした話の展開に片岡は口をはさむこ…

不快な存在 (創作短編小説)2/6

連載2回目です。前回分はこちらです。 www.keystoneforest.net 「秋山さん、お伺いしましょう。ゆっくりと最初からお話しください」 とりあえず話を聞くしかないだろう。片岡は覚悟を決めた。「長い話になりますが」と前置きすると、秋山は感情を抑えた口調…

不快な存在 (創作短編小説)1/6

順番待ちの外来患者が、ようやく片手で数えられるほどになっていた。お昼で終了するはずの診察時間はもうすでに二時間は超過している。昼食を昼にとれないのはいつものことだが、その日の片岡にはかなりこたえていた。 要領を得ない老人との面談にも気長に付…

不快な存在 0/6

文章はただ書くだけより、書いたあと、それを推敲する作業が好きです。頭に浮かんできたイメージを一発で文字に置き換えることができるなら、そんな必要は全然ないのですが、ブログの記事にしろ小説にしろ、仕事上必要に迫られて書く文章にしても俳句にして…

旅行に行きたい!③ ~旅行一日目その2(一関から平泉・毛越寺まで)

今回の記事は旅行一日目(8月22日)その2、一関から平泉・毛越寺までの行程です。私的な旅行の記録としてまとめていますので、引用や個人写真が多くて読みづらくなっている点は、どうぞ了承くださいますように。下の赤字の部分が今回の行程になります。 伊…