森の奥へ

街の喧騒に惹かれて森を出た山猫はいつの間にかずいぶんと歳をとった。いつかもう一度故郷の森の奥へ帰りたいと鳴くようになる。でも、街の暮らしはなかなか捨てられるものじゃない。仕方ないから部屋の壁紙だけ森の色に染めてみた。

今日の日もいつか昔に夏岬 ~旅行に行きたい!⑧~旅行二日目その3(碁石海岸・大船渡温泉)

旅行二日目8月23日14時半です。
今回の記事は旅行二日目その3、碁石海岸・大船渡温泉編です。
この日の移動はレンタカーを使っています。16時までに大船渡・盛(G)でレンタカーを返却しないといけないので、駆け足で回っています。気仙沼・津波伝承館(S)を出たのが14時半。途中で碁石海岸(K1)に立ち寄り、大船渡・盛(G)目指してひた走ります。カーナビは間に合うよと教えてくれていますが、計算上は碁石海岸(K1)滞在時間は最長13分です。

(ドライブサポーター NAVITIMEより)

私的な旅行の記録としてまとめていますので、引用や個人写真が多くて読みづらくなっている点は、どうぞ了承くださいますように。
下の赤字の部分が今回の行程になります。

一ノ関①⇒(車)⇒気仙沼⇒(車)⇒津波伝承館⇒(車)⇒碁石海岸⇒(車)⇒大船渡・盛⇒(JR大船渡線)⇒大船渡温泉(泊)

 

火野正平が自転車で旅をする『にっぽん横断こころ旅』(NHK BSプレミアム)という番組があります。

俳優・火野正平さんが相棒・チャリオ(自転車)に乗って日本全国を走ります!
その日の旅の目的地を決めるのは、みなさんから寄せられたお手紙。「人生を変えた忘れられない風景」「大切な人との出会いの場所」「こころに刻まれた音や香りの情景」「ずっと残したいふるさとの景色」など、お手紙に書かれたエピソードをもとに、ひとりひとりの心に大切にしまってある「こころの風景」を訪ねます。
(NHK番組ホームページより)

という内容です。以下でご紹介する碁石海岸はこの番組で知りました。今回の旅行中で一番美しい自然を味わえた場所でした。

 

碁石海岸(ごいしかいがん)

まずは、前回の記事 高台へ屋上へ走れ春怒涛 ~旅行に行きたい!⑦ 〜旅行二日目その2(気仙沼・津波伝承館) - 森の奥へ に掲載した句です。

迫り来る怒涛を想ふ青岬

雄大に広がる太平洋を眺めたときに脳裏に浮かんできたのは、あの日の大津波が海の向こうから迫ってくる様でした。

今回の記事は、その続きから。


 

岩手県陸前高田市TY(番組当時11歳)さんからの手紙です。にっぽん縦断 こころ旅 より

(前略)
私のこころの風景は、4歳の時に私が生まれて初めて、海にさわった、大船渡にある「ごいし浜」です。
私は東北大震災の1か月前に陸前高田市という所で生まれた、小学6年生です。
私のお宮まいりの日が3月11日で、午前中に家族みんなでお祝いをしたその日の午後、東北大震災が起こり、おじいちゃんとおばあちゃんとおじちゃんが津波で亡くなりました。
(中略)
私が年中さん(4歳)の時、、、お父さんが「これから海へ行ってみるか?」といいました、、、海を近くで見たことがなかった私は、「行きたい!」といいました。
(中略)
そこは、つるつるの小さい黒い石がいっぱいしきつめられた大きな浜で、目の前には、水が生き物のように、石の上を行ったり来たりしていました。
私は、、、水にぬれて光っている黒い石がめずらしくて、服をぬらしながら夢中になってその石を集めていました。
すると、お父さんが「石、やっぱりほしいよね。でも、持って帰っちゃだめだよ。みんな持って帰ったら 石がなくなっちゃうでしょ。」と泣きながらいいました。
(中略)
お父さんは「だいじょうぶ。おこってないよ。お父さんも同じくらいの時におじいちゃん おばあちゃんにここに連れてきてもらって、石をポケットにつめたの。そしたら持って帰っちゃだめ!とおこられたんだよ。」といってまた泣きました。
(後略)

省略が多くて、岩手県陸前高田市TY(番組放送当時11歳)さんのお手紙に込められた思いがうまくお伝えできていないと思います。全文をお知りになりたい方はNHKの番組ホームページをお訪ねください。

 

お手紙にあった「ごいし浜」はこんなところのようです、、、

波によって磨かれた玉砂利が、一面に敷きつめられた海岸です。碁石海岸の名前の由来が、この黒い玉砂利の浜「碁石浜」となっています。

(写真と説明は、大船渡市観光物産協会より 碁石浜 | 大船渡の観光と物産

 

ところが、残り時間を横目に見ながら、カーナビと道路案内を頼りにたどり着いたのは、こんなところでした。

浜は急斜面を下った崖の下にあるようですが、、、

とてもじゃないですが、水にぬれて光っている黒い石を拾い集めることができるような場所ではないようです、、、

正面の巨大な岩は雷岩というようです。雷岩の右手にある狭い海峡は乱曝谷です。眼下の遥か下に海があって、展望台からは太平洋とその先にある水平線が見渡せました。

どう考えても行き先を間違えてしまったようです。でも、間違いなく今回の旅行中の一番の絶景でした。残り時間の少なさをすっかり忘れて、岬から望む海の雄大さを全身で味わいました。

 

今日の日もいつか昔に夏岬

この岬で見た景色は、これからの人生の中できっと何度も何度も思い出されるものになるはず、とその時はっきりと思いました。

動画も撮りました。

youtu.be

レンタカーを停めたのは碁石海岸レストハウスです。航空写真で見ると、碁石浜は少し離れたところにありました。碁石海岸と碁石浜が同じ場所だと思ったのが、間違いの原因だったようです。残り時間を気にしながら、碁石海岸レストハウスから少し南に下った場所にある碁石浜の前までレンタカーを走らせましたが、すでにタイムリミット、そこに立ち寄る余裕はありませんでした、、、



大船渡・盛

ギリギリ間に合いました。
レンタカー返却カウンターに着いたのは16時数分前でした。そこから数分歩いてJR盛駅に着きました。

JR盛駅から、この日の宿泊先・大船渡温泉最寄りのJR大船渡丸森までは大船渡線BRTを利用しましたが、BRTについては次回の記事でご紹介しますね。

 

大船渡温泉

旅行二日目の宿泊先は、大船渡湾を見下ろす高台に建つ旅館でした。やっとここまで来ました。

泊った部屋は、最上階北東の角部屋です。なんと、写真右手のカーテンが束ねてある奥に浴室がありました。これぞ、オーシャンビュー😊

正面に見える大船渡湾の入り口にも堤防が作られています。
その堤防の存在にもかかわらず、ここからの朝焼けは、温泉総選挙2022で絶景部門第1位になりました!

旅館は、航空写真の左上・大船渡丸森駅のすぐ右手です。
湾内で養殖されているのは、かき、ほたて、わかめ、あわびなどのようです。

大船渡における湾内の地形と養殖漁業の関係(木戸脇啓さん)https://www.pref.iwate.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/043/227/02kidaowaki.pdf のレポートから資料を引用させていただきました。

この日の夕食・漁師めしは、こんなご馳走でした。

 

夏霞海から空へ空から海へ

水平線に漂う霞は空と海との境をあいまいにして見せてくれます。

 

稜線に切り取られたる秋の空

雲間から漏れる陽が岬の稜線をくっきりと浮かび上がらせてくれました。

 

旅行三日目の朝。旅館東側の海を望んでいます。これが絶景第1位の見晴らしです。

こちらは旅館の西向き、正面玄関側です。

おおふなトン。大船渡市PRキャラクターだそうです。素顔はどんな表情をしているのでしょう。おおふなトンの左後ろのポスターには、絶景部門第2位とありますが、これは2020年の順位です。

大船渡にはWBCで注目の的になっている選手の一人、佐々木朗希選手の出身校・大船渡高校があります。周知のことと思いますが、佐々木選手がこの大船渡に引っ越してきたのは東日本大震災で被災したことによります。彼と同じく岩手県出身の大谷翔平選手と彼とを応援するメッセージが、今回の旅行先のあちらこちらにありました。

 

 

今回は4句詠みました。

迫り来る怒涛を想ふ青岬

今日の日もいつか昔に夏岬

碁石海岸にて

夏霞海から空へ空から海へ

稜線に切り取られたる秋の空

大船渡温泉にて

 

 

この続きも、きっと書きます。どうぞよろしくお願いします😅

 

www.keystoneforest.net

www.keystoneforest.net

www.keystoneforest.net

www.keystoneforest.net

www.keystoneforest.net

www.keystoneforest.net

www.keystoneforest.net

 




 

 

 

 

 

 

よければtwitterものぞいてみてくださいね。山猫 (@keystoneforest) | Twitter

 

f:id:keystoneforest:20180211232422j:plain

山猫🐾@森の奥へ

似顔絵はバリピル宇宙さん (id:uchu5213)に描いていただきました。