森の奥へ

街の喧騒に惹かれて森を出た山猫はいつの間にかずいぶんと歳をとった。いつかもう一度故郷の森の奥へ帰りたいと鳴くようになる。でも、街の暮らしはなかなか捨てられるものじゃない。仕方ないから部屋の壁紙だけ森の色に染めてみた。

2017-05-01から1ヶ月間の記事一覧

子供の頃、わらほうきでホタル狩りをした。

今朝の午前7時過ぎのことです。 職場近くの公園をのんびり歩いていると、おじいちゃんに声をかけられました。 天気が良くて気分も良くて、そのまま出勤するのがもったいなくて、公園の中に設けられたビオトープに沿った遊歩道を歩いていたときのことでした…

山猫家、家族あわせて空手4段となる。

「武道館ひびき」で、今日、山猫家の次男Kが習っている空手の昇級審査会がありました。 山猫家における少林拳空手道の位置づけについては、以前、このブログで触れたことがあります。 十数年前、山猫の奥さんが当時幼稚園児だった長男Mを連れて、近所の空…

空から降ってきた・・・ (創作短編小説)

寒くて目が覚めた。僕は手足をぎゅっと縮めて身体を丸くした。 鼻先に何か当たる。むずがゆい。背中もチクチクする。誰かが突っついているみたいだ。 まったく。ひとがせっかくいい気分で寝てるって言うのに・・・。悪戯するのだれ?でも、目を開けないぞ。…

我が家のクスリ箱 (創作短編小説)

えっとクスリ、クスリ・・・ 「ねえ和子。クスリ箱どこにあるのー」 久しぶりの病気だった。 頭が割れそうに痛い。そして胃が重い。心臓の鼓動がこめかみを切り刻んでいる。体を動かすたびに、頭の芯に釘を打ち込まれるような激痛が走る。生唾が口の中に広が…

誕生日の今夜は縁側でバーベキュー。子供たちも火起こしを手伝ってくれるまでに成長しました。

家族で楽しむイベントといえば、お正月、クリスマス、そして誕生日でしょうか。 今日は私の何十何回目かの誕生日でした。 毎年欠かさず誕生日を祝ってくれるのは、まずは大手家電店さんです。誕生月の期間中は、なんと5%引き。しかも他の割引券もあわせて…

一番最初の記憶。ぶかぶかの革靴を履いた日。

記憶は欠けらでしか存在できない。 私たちは立ち会った出来事のほんの一部しか覚えていられなくて、その出来事の前と後とを思い出そうとしても、それらは白い混沌とした靄の中をどんどん加速しながら遠ざかっていくばかりだ。 ようやく見つけた記憶の欠けら…

私は子供の頃、家のお風呂を薪で焚いていた。

お風呂の中でブログのネタを考えていた。 考えるにはもう少し温まらないといけない、と思い、「追い焚き」ボタンをタッチした。すると、モーター音のようなものが聞こえて、噴き出し口から暖かいお湯が流れ出てきた。 便利なものだ。 と思った瞬間、そう思っ…

朝食にお茶漬けをよく食べます。私はお茶漬けで浮世絵を知り、バブルの恐ろしさを知りました。

平日の朝、私の目覚ましは5時半にセットされています。寝起きはいい方だと思います。寝ぼけて不機嫌になったことはたぶん一度ありません。家を出るのは6時20分です。 えっと、このことは今回の内容にはほとんど関係ありません。 朝、慌しく朝食をとらな…

バレーバスケ部、母校最後の高校総体を戦う。~5月、バスケットボール部県予選~

今日(5月13日土曜日)、バスケットボール高校総体県予選がありました。長男のMはバレーバスケ部に所属しています。 バレーバスケ部誕生の経緯については、別の記事『次の春、学校がなくなる。男子バレーボール部、部員2人から高3最後の大会、春高を目…

シャワーを浴びる方法。 (創作短編小説)

不動産屋の車で案内されたマンションまでは、駅から徒歩15分と聞かされてはいたが、実際に歩けばもう少しあるように思えた。 1階にはコンビニが入っていたらしいが、締め切られたシャッターはどこかで見たスプレー画の落書きで賑やかに彩られ、真ん中に貼…

iPhoneの位置情報で標高差を確認しつつ帰宅する。

ある休日の朝。私は朝帰りをしました。 とても気持ちのいい朝でしたので、最寄の駅から自宅まで歩いて帰ることにしました。 自宅は大阪湾を望む、ある山中にあります。ですので、最寄駅から自宅までの移動手段を、普通の人はこれを歩くとは表現せず、登ると…

5月の家庭菜園、野菜の種まき。いんげんと大根の植え付けをしました。

好天に恵まれたゴールデンウィーク最終日の今日、ずっと後回しにしてきていた庭仕事にやっと取り掛かりました。 雑草だらけ庭の草抜きと野菜の種まきです。 5連休あれば、あれもできるこれもできる、といろいろ皮算用していましたが、結局ほとんど何も達成…

眩暈 めまい。 (創作短編小説)

電車が駅に着く。ガタリと体が揺れて私は目を覚ました。少し寝ぼけている私はゆっくりとあたりを見回した。酔客で一杯だった車内はいつの間にかひっそりとしている。この車両には私しか乗っていないようだ。 電車の扉が静かに開く。冷えた夜の風とアルコール…