森の奥へ

街の喧騒に惹かれて森を出た山猫はいつの間にかずいぶんと歳をとった。いつかもう一度故郷の森の奥へ帰りたいと鳴くようになる。でも、街の暮らしはなかなか捨てられるものじゃない。仕方ないから部屋の壁紙だけ森の色に染めてみた。

朝食にお茶漬けをよく食べます。私はお茶漬けで浮世絵を知り、バブルの恐ろしさを知りました。

平日の朝、私の目覚ましは5時半にセットされています。
寝起きはいい方だと思います。寝ぼけて不機嫌になったことはたぶん一度ありません。
家を出るのは6時20分です。

えっと、このことは今回の内容にはほとんど関係ありません。

 

朝、慌しく朝食をとらないといけないのは、どこにでもある光景だと思います。朝食は時間をかけずに食べられるものが良いですよね。

時間がないとき、私はお茶漬けをよく食べます。
永谷園とか大森屋とかが出している紙パックに入ったお茶漬けの素で作るお茶漬けです。
お茶漬けに限らず、私はご飯に何かをのせたり、混ぜたりして食べるのが好きです。一番好きなのはお寿司です。回転寿司などへ行くと、最近はカレーなどもメニューにあり、これも私の大好物です。

えっと、このことも今回の内容とは全く関係ありません。

 

ご飯をお茶碗によそいでお茶漬けの素をご飯にふりかけ、トッピングにわさびを少したらしてお湯を注げばもうできあがりです。

そして、ご飯をかき混ぜザッザッザと口に流し込めば、ほんの1,2分で朝食終了です

 

先日も、お茶漬けを食べました。食べながらお茶漬けの素のパッケージを眺めていました。

 

 

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ふと思いました。
このライバル、あまりにも似ている。
が、
これも今回の内容には関係ありません。

永谷園の方のパッケージにこんなことが書いてあります。

「ついに復活 東海道五拾三次カード」

ご存知でしたか、昔懐かし東海道五十三次カードが復活しています。
これは、歌川広重(以前は安藤広重と言ってた人です)が描いた浮世絵をカードにしたものです。

 

これを集めたのは小学生の頃だったでしょうか。
何が入っているか、お茶漬けのパッケージを開けてみるまで分からない仕組みになっています。

こういう仕掛けを用意されると俄然コレクター心がそそられます。子供の頃、早く次のパッケージを開けたくて、やたらとお茶漬けを食べ続けた記憶があるようなないような。
でも、ただ闇雲にお茶づけを食べ続けて全種類集めるのは至難の技です。
何枚か集めてそれを応募すれば、全種類がもらえたと思います。
今回の復活版では、応募マーク3枚で毎月1,000名にフルセットがプレゼントされるそうです。
フルセットは55枚(53の宿場に出発地と到着地を足したもの)あるのかな。

夏休みの宿題で、この55枚のカードを大きな日本地図に貼り付けてきた友達がいました。
が、これも今回の内容には関係ありません。


五十三次の中でも蒲原に思い入れがあります。

 

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切手です。

小学校の頃よく流行していた趣味のひとつに切手収集がありました。
東海道五拾三次の浮世絵からは他にも切手になっているものがあったと思います。

私は浮世絵をお茶漬けを食べて知りました。

切手集めにも熱中しました。

 

浮世絵・切手とくれば、この2枚が切手収集少年たちの垂涎の的でした。

歌川広重「月に雁」と菱川師宣「見返り美人」です。

 

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今思えば、妙に縦長の使いづらそうな切手ですが、『切手カタログ』を眺めてため息をついていた記憶があります。カタログには売買価格が載っていました。

「見返り美人」は特に高価で、数十年前の記憶ですが、1枚数千円していたと思います。

たった5円の切手が数千円になる。
昭和30~40年代にかけて日本中は切手ブームに沸いたのです。

切手は集めて楽しむものではなく、価値が上がる、もうかるという対象になっていきました。

 

私たち子供もそのブームに巻き込まれていきました。


記念切手が発行される噂を聞くと朝から郵便局に並びました。
自転車で隣町の郵便局まで買いに出かけた記憶もありますから、あれは夏休みのことだったのでしょう。

初めて自転車で遠乗りしてでかける隣町。
友達の顔も笑顔ではじけていました。

 

切手はシートで購入し、数年すれば額面の数倍で売れる、という神話が生まれました。

それを一番信じていたのは大人たちでした。
私も母親から千円札を渡されて、まるでお使いをするように切手シートを買いにいきました。

 ちょっと変だな、こんなにたくさんある切手が本当に全部値上がりするんかな、と子供心に疑いつつも、高価な切手を買ってもらったと自慢する友達をうらやましく思ってもいました。


時代は流れ、私には子供が生まれました。
子供たちは小学生の頃、カードゲームにはまっていました。

遊戯王、デュエルマスターズ、イナズマイレブンなどなど何種類ものカードを集めていました。
兄弟で競い合うようにしてカードを集め(お小遣いの大半を投入し)、カードを汚さないようにビニール袋に入れてそれで遊んでいました。
休日には子供にねだられて中古カードを扱っている店を何軒も回りました。

 

あのね、レアだとかなんだとか言って今はこんなに値段が高いけど、これってただの紙だからね。いつかブームが過ぎれば、ぜんぜん値打ちがなくなるんだから。


1枚数千円もの値札がついたカードをまぶしそうに見つめる子供たちに私はそう言いました。とてもえらそうに解説しました。

 

切手ブームはその後まもなく沈静化し、値段は大暴落しました。

シート買いした切手の買い取り価格は額面よりもさらに安くなる、という事態になってしまいました。

あの頃に集めた切手が今どこに行ったのか、私は知りません。
どこかのショップに安く買い叩かれたのでしょうか。


あの痛い思いは、切手を集めるという楽しみを子供たちから奪ってしまいました。

でも、永谷園のお茶漬けパックを開くとき、蒲原が入ってないかな、と今でも懐かしく私は思うのです。

 

 

 

 

 

 

 

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