森の奥へ

街の喧騒に惹かれて森を出た山猫はいつの間にかずいぶんと歳をとった。いつかもう一度故郷の森の奥へ帰りたいと鳴くようになる。でも、街の暮らしはなかなか捨てられるものじゃない。仕方ないから部屋の壁紙だけ森の色に染めてみた。

捨て猫の小さき肉球いわし雲 〜教育実習生担当日誌(1)

今回の前段は俳句のこととは全然関係ありません。

何年ぶりかで教育実習生の担当をすることになりました。期間は2週間です。
実習期間中は、その日の振り返りを口頭で行うだけではなくて、実習日誌を介して、文章でのやりとりも毎日行います。
その日誌に書いたわたし側の文章を備忘録として、そして、40年ほど前に教育実習生だったわたし自身への応援メッセージとして書き残しておこうと思います。

 

1日目
生徒たちとの関わり方について、すぐにコミュニケーションがとれる即効薬のようなものはないと思います。けれど、S先生(実習生さん)の強みは生徒たちと年齢が一番近いということです。わたしたち教師には絶対に敵わない強みです。そうしたことに生徒たちは敏感です。心の垣根を低くして、心を開いてくれる一瞬が必ずあると思います。その一瞬を経験するだけでも、S先生にとって大きな成果になると思います。実習期間は短いですが、何か一つでも多くのことを経験されますように。応援しています。

2日目
(重度の肢体不自由のある)子供たちの方から話しかけてきたり、遊びに誘ってきたりすることはほとんどないと思いますが、S先生の方から子供たちに声をかけたり、遊びに誘ったり(コロナ禍で身体接触が限定されているので、一緒に遊ぶのは難しい面もありますが)する気持ちを持って接していかれたら良いと思います。

3日目
声や表情、態度などにはっきりと出さなくても、何かの形で必ず子供たちは自分の思いを表出しているはずです。それを引き出したり、見落とさずに拾い続けたりすることがわたしたち大人の役割だと思います。偉そうなことは言えません。わたし自身せっかくの子供たちの表出をたくさん見逃してきただろうと思います。ですが、子供たちの声にならない語りかけを聞く耳を持とうとする気持ちが大事なんだと思っています。

 

日誌の記録はあと数回続きます。

以下は、Twitterに投稿した自作の俳句(11月3日〜11月7日)です。

 

 

葉を散らす覚悟整ひ楓揺れ

枯れ葉と紅葉する葉とは重さが違うのでしょうか。職場の近くにある公園の木は紅葉した葉をどっさりと抱えて、いかにも重そうに見えます。気の早いというか諦めの良いというか、そういう葉っぱが木の根元に数枚落ちてはいますが、まだまだほとんどの葉が枝に残っています。でも、そろそろ頃合いかもしれません。風が散りどきを促すのではなくて、ひょっとしたらその木自身が葉を落とそうと体を揺らすのかもしれない。そんなことを思いました。

 

綿の実の猫と微睡む縁側へ

綿の実のことだから、きっと風に吹かれて故郷の町まで飛んでいって、懐かしいあの家の縁側にたどり着くに決まってる。時空を越える旅なら昼寝の猫のお手のもの。猫は居眠りするうちに綿の実になって、きっとあの町まで連れていってくれるに違いありません。みんな元気かニャ。明日も遊ぼ。

 

秋天の青なほも青鳥一羽

どの季節の空も青いですね。でも、暑すぎず寒すぎず、ちょうどほどよい季節なら、ずっと見上げていられます。秋の空はそんな空です。見上げているうちに、うろこ雲、さば雲、いわし雲、ひつじ雲、いろんな雲が流れていきます。雲がすっかり流れ去ったあと、一瞬真っ青な空に。

 

捨て猫の小さき肉球いわし雲

庭に猫がよくやってきます。先日などは、庭の水やりをしていると、木陰から飛び出してきました。木の根元に秘密基地を作っていたのです。人に飼われた経験がないようで、こちらの気配を感じるとすぐに逃げていきます。一度でいいから抱いてみたい。その小さな肉球をそっと撫でてみたい。ねえ、いわし食べさせてあげるから、抱っこさせて。

 

もう一度嚙りたしあの庭の柿

高校卒業まで両親と暮らした家の裏庭には柿の木がありました。甘柿の木でした。大学生になって一人暮らしを始めてからは年に数日しか家に戻りませんでした。柿が甘く実る季節には戻ることはありませんでした。その家はもうありません。人手に渡ったあと、道路の拡張工事があって、その際に立ち退きになったそうです。

 

 

もし、お心に留まった句がおありでしたら、コメントいただければ幸いです。感想をいただくことで、たくさんの気付きを得ることができます。
また、いただいたコメントをブログ中で紹介させていただくことがあります。どうぞご了承くださいますようお願いします。

 

 

① 葉を散らす覚悟整ひ楓揺れ

 

② 綿の実の猫と微睡む縁側へ

 

③ 秋天の青なほも青鳥一羽

 

④ 捨て猫の小さき肉球いわし雲

 

⑤ もう一度嚙りたしあの庭の柿

 

 

 

 

 

以下、大変手前みそで恐縮ですが、、、前回の記事失ひて戻るものありや星月夜 - 森の奥へにいただいたコメントから、良かったよと言っていただいたコメントと句を紹介させていただきます。

 

④ 街路樹に秋整然と並びたり

この句がいちばんすきです(#^.^#)

kuninnkuninn

秋物や冬物に着替えた街路樹がきりっと背筋を伸ばして、我々が通るのをお迎えしてくれるようです(#^.^#)

harienikkiharienikki

②と④が好きです。どちらも情景が浮かびます。

 

スフレ(id:sufuretan)さん、くにん(id:kuninn)さん、チャーコ(id:harienikki)さん、そしてこのほかにもコメントをくださったみなさま、ありがとうございました。

 

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よければtwitterものぞいてみてくださいね。山猫 (@keystoneforest) | Twitter
 

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山猫🐾@森の奥へ

似顔絵はバリピル宇宙さん (id:uchu5213)に描いていただきました。