今回は子供たちのことを書きます。
おもに次男Kのことです。
昨23日土曜日、次男Kの学校で体育会がおこなわれました。
Kは中学3年生です。
先週の3連休に体育会を予定していた近隣の学校では台風の直撃と重なり、予定変更に苦心したらしいです。
ですが、それから1週間後のこの週末はとても穏やかな天気に恵まれました。
好天のもと、Kの学校では無事予定通りの日程で体育会を実施することができました。
運動会・体育会に、親として参加するのは今年で16年目になりました。
長男Mが幼稚園の「たまごさん」というプレ保育に入ったのは3歳を迎える年のことでした。
その年の秋に、初めて親として運動会に参加しました。
「たまごさん」たちが駆けっこをする姿、一生懸命に走る姿、ただそれだけで感動しました。
どうして涙がこみ上げてくるのか、全然分かりません。
でも、涙が止まりませんでした。
そして、3学年下の次男Kが幼稚園に入園してからは応援する相手が2人になりました。
運動会ではお父さんも選手の一人としてかりだされます。
今から思えばふわふわの風船みたいに軽かった、いやちょっとそれは大げさですが、子供たちを抱き上げたり、肩車したりして一緒に演技に参加しました。
お父さんお母さんと手をつないで演技する子供たちの本当に本当にくすぐったそうな笑顔。。。
子供たちが通った幼稚園は大阪湾が一望できる山の中腹にありました。
運動場はテニスコートくらいの広さだったでしょうか。
そのスペースに100人ほどの園児たちがぎゅうぎゅうに集まってきて、「小さく前にならえ」の掛け声で整列します。
ですが、子供たちはなかなか話を聞きません。
後ろにいる子がすぐ前の子の頭を突っついてちょっかいをかけます。
一番後ろの方ではしゃがみこんで砂遊びを始める子もいます。
口元に人差し指を立ててシーッ、と注意する子もいます。
先生たちは目が離せません。
狭い運動場に作ったトラックは急カーブの連続です。
駆けっこで全力疾走すると、足を滑らせて転倒する子が続出。
でも、すぐに立ち上がってまた懸命な表情で走り始めます。
フィナーレは組体操でした。
年長組さんだけの演技でしたが、幼稚園児がここまでできるのか、という技の連続でした。
3人組での扇の技。
Kが真ん中に立ち、広げた両手を左右の子がそれぞれつかんで斜めに身体を傾け、扇形を作ります。
Kは両サイドの子を支えようと渾身の力を振り絞って引っ張っています。
初めて見たKの厳しい表情でした。
最後の技は4段ピラミッド。
Kは土台です。
四つ這いになり一番下で上の子を支えていました。
全部で3つピラミッドができました。
笛の合図で全員が顔を上げ正面を向きます。
何人か違う方向に顔を向けている子もいましたが、それはご愛嬌、どの顔も真剣です。
と思ってアルバム写真をよくよく見ると、Kもそっぽを向いていました。
みんなで作ったピラミッド。
大成功でした。
今、アルバムの写真を見ながら思い出しています。
まぶたの裏が熱くなります。
あれから10年近く経ったのに。
運動会は午前中で終わるので、家族4人で歩いて帰宅。
お昼はどこかにご馳走を食べに出かけたかな。
KとMが一緒に小学校に通った3年間、一番楽しかったのはお弁当の時間でした。
早朝から奥さんはお弁当作りに精を出し、私は応援席とお弁当を食べるための場所取りに学校の正門前に並びました。
お弁当作りほどじゃないですが、小学校は山の高台にあるので、そこまで往復するのは少し大変でした。
応援は大忙しでした。
子供たち2人が出場する競技と演技、走る順番や、演技する場所を事前に子供たちから聞いておいて、プログラムと見比べながら入念に確認します。
私の仕事はビデオ係。
子供たちの動きを一つ残らず映像に残さなければならない使命がありました。
当時使っていたのはSONYのHi8 (ハイエイト)、ずっと顔の高さに構えて撮影し続けるのはちょっと大変でした。
が、頑張りました。
午前中の演技が終わって場所取りしておいたレジャーシートのところに子供たちが集まってきます。
KもMも2人とも汗まみれ砂まみれです。
運動靴を脱いでレジャーシートに座ったら、靴下も砂まみれ。
「あ、あ。砂がお弁当に付くから、足引っ込めて」
「大丈夫、大丈夫」
「ちょっと、そこ、ダメダメ、ひっくり返る」
大騒ぎしながら食べるお弁当はすぐ空っぽになり、食べ終わると子供たちは友達のところに遊びに行ってしまいます。
どんなご馳走より、運動会のおにぎりが美味しかったな。。。
小学校の種目のフィナーレも組体操、6年生男女による演技でした。
組体操は1人技、2人技、3人技、と代わっていくたびに演技する場所も移動します。
前の晩、私は長男Mからいろいろ訊いて、彼の動きをほぼ頭に叩き込みました。
小学校の運動場はそこそこの広さがありました。
私は朝礼台近くの絶好の撮影ポイントを確保しました。
そして、太鼓の音が響き渡り演技開始。
Mは運動場の右から中央へ、そして後方へ、また右側へと次々に移動しつつ演技をしています。
私はビデオカメラでその動きをしっかりと追い続けました。
撮影に気をとられて、一体どんな演技をしていたのか全く頭に残っていません。
でも、今夜の夕食のときに、家族みんなでその日私が撮ったビデオを観ながら内容を確認できるはずです。
私はその夕食の場面を思い浮かべながらワクワクしつつ撮影していました。
組体操終了を合図する太鼓の音が大きく鳴りました。
私はほぼ完璧にMの動きをビデオに収めました。
撮り終わって、私はすぐに画像をチェックしました。
あれ?
あれ?
どうして?
再生されたのは、その前のプログラムのリレーの動画でした。確かにそこにもMは映っていますが、それじゃない、その後が組体操のはず、、、
どうやら撮影ボタンを押していなかった、みたいです。
私は一生懸命ビデオカメラを右へ左へとただ動かしていただけでした。
なんてこと。。。
その晩のことはよく覚えていません。
さて、昨日の体育会です。
運動場はさらに広くなり、生徒数も多くなり、どこにKがいるのか、訊いてはいましたが、私の肉眼ではよく見えませんでした。
そして、中学校になると、昼食は子供たちだけで教室で食べます。
午前のプログラムを見終えた私と奥さんとは学校を出て、少し歩いて駅前のコンビニのイートインで昼食をとりました。
昼休みは30分しかありませんでした。
そして、午後最初のプログラムの部対抗リレーを観て、学校の校舎裏の階段に座って時間調整をしてから、最後の演技、男子全員による組体操を観に運動場に戻りました。
組体操での怪我、落下事故などが取りざたされて、最近では取りやめる学校が増えていると聞きます。
Kも去年、組体操の練習中に怪我をしました。
ですが、KやMたちが通う中学校では、安全に配慮しながら規模を縮小しつつ継続しています。
毎年の組体操のフィナーレは、タワーです。
3年前の長男Mのとき、4段タワーに挑戦しました。
土台となる3段までが、なかなか組みあがらず安定しないので、頂上に立つ生徒が上にのぼっていけません。
3度、4度うまくいかず、これが最後の挑戦、という場面でもやはり立てませんでした。
学習時間の確保ということで、練習時間を削ったことも一因でしょう。
今年のタワーはすべて3段でした。
土台がしゃがみこんだままの姿勢で支える低いタワーもありました。
Kは自分が土台になり、ペアの子が自分の肩の上に立つ「肩乗せ」という2人技が成功できたことを夕食のときに報告してくれましたから、それなりに達成感を味わえたのでしょう。
まずは安全第一。
物足りなさを感じますが、これも仕方ないことでしょうか。
そう言えば、長男Mの高校でも体育会はあったんでしょうけど、どんな演技をしたとか、成績がどうだったかとか、写真とか、全然見たことなかったな。
子供が成長するって、ちっともうれしくない(^^;