森の奥へ

街の喧騒に惹かれて森を出た山猫はいつの間にかずいぶんと歳をとった。いつかもう一度故郷の森の奥へ帰りたいと鳴くようになる。でも、街の暮らしはなかなか捨てられるものじゃない。仕方ないから部屋の壁紙だけ森の色に染めてみた。

2019-01-01から1年間の記事一覧

悩んでも何も変わらない。だから、あとで悩む。

落し物のことです。 いえ、本当は落とし物じゃなくて、大事なものをなくしたときのことです。 なくしたら出てこないけど、落としただけと思ったらひょっとして出てくるかもしれない。 失敗だと落胆したらそこでおしまいだけど、ちょっと遠回りしよ、と思えば…

気がついたら、いつの間にかわたしはわたしになっていた。

価値観について。 価値観が自分という個性を作り上げる。価値観がわたしをわたしにする。 id:knoriさんの「これはリンゴではない」という記事を読ませていただいて、最初にそう思いました。 その記事では、リンゴの写真がまず目を惹きました。 美味しそうに…

雪娘の櫛と山猫🐾と ~山猫『ハヤさんの昔語り』に立ち寄る。

わたし・山猫はときどき小説を書きます。 小説、というか文書を書くのが好きです。 絵を描いたり歌を歌ったり楽器を奏でたりボールを投げたり蹴ったりするのが好きな人がいらっしゃるのと同じように、山猫は文章を書くのが好きです。 でも、小説はときどきし…

正論で人は変わらない、雰囲気が人を変える

少し前のこと、神戸の小学校でショッキングな事件が起こり注目を集めました。 けれど、世間の注目を集めるニュースはその前もその後も途切れることがなくて、日々報道されるさまざまな出来事の山にあの事件も埋もれてしまいつつあります。 事件が起きた背景…

正論を口にするのが怖い

前回の記事「雰囲気と言うものの怖ろしさ」で神戸の小学校で起きた事件について書きました。 たくさんのコメントをいただき、この事件への関心の高さを思いました。 コメントを寄せてくださったみなさま、ありがとうございました。 今回は「雰囲気」を変える…

雰囲気と言うものの怖ろしさ

神戸の小学校で起きた事件が先日来、連日マスコミ報道されています。 事件の詳細が明らかになればなるほど、当事者や関係者たちの言動が伝えられば伝えられるほど、事件の不快さがなおさら増してきます。 被害者の方はもとより子供たちや地域へ与える影響を…

山猫🐾一家 北海道へ行く(予告編)

2カ月前のこと。 わたしたち山猫一家は、夏休みを利用して北海道へ旅行しました。 いつかそのときのことを記事に書かねば、と思っているうちに、はや2カ月。 時間が経つのが速いのか、山猫がのんびりし過ぎているのか。 とにかく、早くまとめておかないと…

『無題』 (創作短編小説)

当ブログ『森の奥へ』へお越しいただきありがとうございます。 いつもは、山猫のつぶやきあれこれを掲載していますが、 今回は小説創作です。 少し長くなりますが、よろしければお付き合いください。 * * * * * * タイトル;『無題』 作;山猫 センセ…

旅のラゴス ~ 一人旅に持って出かけるならこの一冊

『旅のラゴス』は筒井康隆の長編小説です。 わが家の本棚にあったのは1989年発行の徳間文庫版。 買ってすぐに読んだと思いますから、それから30年が経っているのです。 その間、二度引っ越しましたが、本は捨てずに持ってきました。 ワクワクしながら読ん…

8月32日のお昼に。

8月26日18時、仕事帰り。 電車が駅に着く。 エアコンの効いた車内からホームに降ります。 外の空気をさほど暑く感じなくなりました。 山側改札を出るとすぐ前がバス停です。 次のバスが来るまで数分あります。 西の空を見上げたら、前日までと雲が違っ…

子供の頃、魔法を信じていました **ブックマーク・ツイートから** 山猫ノート27

子供の頃、魔法を信じていました。 選挙制度とか銀行の仕組みとか、高級ブランドの名前とか、愛とか恋とか、全然知らなかった子供の頃。 でも、魔法の存在は知っていました。 知っているだけじゃなくて普通に信じていました。 呪文の言葉を一生懸命考えまし…

白内障手術体験記。二度目の手術なので少し余裕でした、です。

白内障手術体験記です。 入院の必要がない日帰り手術でした。 しかも二度目の手術と言うこともあって、手術の順番をスマホでブログ巡りやTwitterをしながら待てました。 余裕です(^_^) そのときのツイートから手術の様子を振り返りつつ自分用の記録としてま…

100万回生きたねこと、愛するということ。

死はいつも悲しいものです。 とりわけ幼い子の死となると、自分と直接の繋がりがなくても胸が痛みます。 このところ、親から酷いやり方で虐待される子供、あげくに命まで奪われた子供の報道にたびたび接します。 もはや胸が痛むどころではありません。 強い…

小説をどう書くか、ということ。

小説をどう書くか、ということ。 「第二回おっさんず飲み会」報告の続きです。 あれ? 会の名称は、「おっさんず飲み会」じゃなくて「おっさんずオフ会」だったかもしれません。 間違ってました。ごめんなさい。 ま、どちらにしても大きな違いはなさそうです…

わたしのオススメ小説 *** 『夏への扉』と『用心棒日月抄』シリーズ、そして『マイナス・ゼロ』

6月のある夜、はてなブログの書き手さん方何人かと大阪・梅田で飲みました。 おっさんず飲み会、第二回でした。 今回は、前回のメンバー(KONMA08 (id:konma08)さん、もじのすけ (id:mojinosuke)さん、くにん (id:kuninn)さん、そしてわたし山猫) に加えて…

仁淀ブルーと室戸岬への旅(後編)

令和改元を祝う10連休。 連休を利用して、わが家も旅行に出かけました。 今回の記事はその旅行記(後編)です。 行き先は四国。 2泊3日で、高知市近辺(仁淀川)と室戸岬を回ってきました。 初日の行程は以下の記事に書きました。 よろしければご覧くだ…

仁淀ブルーと室戸岬への旅(前編)

令和改元を祝う10連休。 わたしの職場もカレンダー通りの10連休でした。 仕事のことをまったく忘れて10日間過ごせたのは初めてだったかもしれません。 あれから1カ月が過ぎました。 まだ1カ月です。 たった1カ月しか経っていないのに、あの10連休…

年代もんは値打ちもん♫♫ ~熟女ユニット・ロイヤル嫁姑@くずはモール

5月12日「くずはモールSANZEN広場」において、第5回アコパラ関西地区大会が行われました。 ん? くずはモール? SANZEN広場? アコパラ? ん? いきなり「???」で始まってごめんなさい。 大会会場となったSANZEN広場は京阪電車樟葉(くずは)駅前の「…

ヴァージニア・ウルフのメノウのボタン… ~ The Blue Hearts “手紙” ~

“手紙”は 1993年7月に発表された The Blue Hearts 7枚目のアルバム“DUG OUT”の冒頭に収められている曲です。 ♪ヴァージニア・ウルフのメノウのボタン… と歌い出す甲本ヒロトの歌声が、切なくて不思議な世界へ聴く人を誘います。 初めて聴いたのはこの春でし…

意識と無意識~時間について(2)

長男Mが自動車の免許を取りました。 Mはこの春、大学2年生になっています。 自動車教習所を卒業してから少し時間が経っているので「運転の練習に付き合って欲しい」とのこと。 以前から頼まれていたのですが、昨日の土曜日にようやくわたしとMとの都合が合…

人生の残り時間が短くなればなるほど、時間が流れるスピードは加速していく。~時間について(1)

もうすぐ平成が終わります。 30年もあった平成が終わります。 わたしの頭の中には20代までを過ごした昭和が変わらずに鮮やかな記憶を保っています。 両親と過ごし、幼馴染みと遊んだ故郷の森の記憶です。 父が亡くなったのは昭和の末でした。 昭和という…

くつはいて明日は退院 ヤッホホー

時間ってなんだろうとあれこれ考えています。 Stellar Dweller さんの『時間の無い場所』が引き金でした。 stellar-dweller.blogspot.com 時間は流れるもの?すべてのものは変化し動いていくように見えたり、感じられたりするけれど、それは時間があるせい?…

おっさんず飲み会。外見と声と文章と(筆跡と)。その人の素顔を最もよく表すのはなんだろう。

ちょっと困ったことになったな、と思いつつ書き始めます。 先週の土曜(2月23日)の夜、大阪・阪急梅田駅近くで、関西在住のはてなブログの書き手さんたち3人と一緒に飲みました。 お店はマクドナルド横の細い路地を入ってしばらく歩いて右に折れ、階段…

左手の薬指、マレットフィンガーになる

職場で突き指をした。 左手の指先が台に当たり鈍痛を感じたが、朝の出勤直後でほかのことに気をとられていたので、突き指のことはすぐに頭から消えた。 忘れてしまうくらいだから、痛みはほとんど感じなかった。 しばらくして、何気なく左手で髪の毛をかき上…

かぎろいに憧れて

大好きな言葉があります。 「かぎろい(かぎろひ)」という言葉です。 小さく声に出して呟くだけで、澄み切った気高さのようなものを感じて、心に力が湧いてくる。 そんな言葉です。 漢字で書けば「陽炎」となります。 「かげろう」とも読めます。 そう読め…

防災グッズを点検する 〜阪神淡路大震災から24年

成人の日に続く三連休の3日目、わが家に備えている防災グッズの点検をした。 あの日のことを思う。 今年で24年目。 あの日は三連休明けの火曜日だった。 当時成人の日は1月15日、平成7年はその日が日曜にあたっていたので翌月曜は振替休日、それで三…

未知の言語と消えていく言語 ~ 言語はいかに我々の考えを形作るのか

今回の年末年始は自宅で過ごす時間が多かった。 家族4人が揃って出かけられるタイミングがなかったからだ。 子供たちが成長するにつれ、それぞれの都合で動くようになる。 子供と言っても長男は大学生、数えで二十歳になった。 もう親の後ろをくっついて歩…