森の奥へ

街の喧騒に惹かれて森を出た山猫はいつの間にかずいぶんと歳をとった。いつかもう一度故郷の森の奥へ帰りたいと鳴くようになる。でも、街の暮らしはなかなか捨てられるものじゃない。仕方ないから部屋の壁紙だけ森の色に染めてみた。

山猫のつぶやき

数へ日や明日終はるかも知れぬのに ~俳句tweetより~

2月は記事の更新サボってました(^^;ぼちぼち再始動したいと思います。どうぞよろしくお願いします。 前回の記事 陽だまりに手袋の手を翳す朝 ~俳句tweetより~ - 森の奥へ で触れたコンビニ強盗捕まったそうです。店や周辺の防犯カメラの映像などから逮捕…

位置について。用意、ドン。

私は走っている。生まれたときから走っている。おそらく、生まれてくる前も走っていたはずだ。死んだあともまだ走っている気がする。私は走っている。眠くてたまらないときも走っている。眠らずに走っている。眠りながら走っている。走りながら眠っているの…

陽だまりに手袋の手を翳す朝 ~俳句tweetより~

朝月夜コンビニレジで大あくび 前回の記事に載せた俳句です。わたしの毎朝の通勤路にあるコンビニでのエピソードを詠みました。実は数日前、このコンビニに強盗が入りました。 60代ぐらいの男がレジにいたアルバイト店員の女性(67)に包丁のようなもの…

落つる葉をただ眺めゐる烏かな ~俳句tweetより~

今年は1月9日が成人の日です。新成人は341万人になるそうですが、 2022年年4月1日、成年年齢を18歳に引き下げることを内容とする、民法の一部を改正する法律(平成30年法律第59号。以下「改正法」)が施行され、経過措置により、施行日時点で18歳以上20歳未…

年新たすべて新たに世界中 ~俳句tweetより~

2023年あけましておめでとうございます。みなさまにとって、世界中の人たちにとって、より良き年になりますように。 年新たすべて新たに世界中 写真はわが家の近くで撮った初日の出です。神戸の日の出は7時6分のはずでしたが雲に隠れて見えず。7時10分…

数へ日を数へる今日の空の青 ~俳句tweetより~

数へ日を数へる今日の空の青 2022年詠み納めです。 記事の更新がカレンダーに追いついていませんが、今年も残りあと数日になっています、、、という、その年の残りの日数を数えるところから「数え日」という季語があります。前回の記事で 数へ日や明日終はる…

風止んで星の流るる音聞こゆ ~俳句tweetより~

クリスマスを意識した最初の記憶は、プレゼントをもらうには靴下が必要らしい、とイブの日に幼稚園の友達から聞いたことでした。数十年前のことです。早速その夜は、靴下を枕元に置いて寝ることにしました。どこに置けばいいのかまで友達は教えてくれなかっ…

見上ぐれば星流れゆく吾の先へ ~俳句tweetより~

今回の記事の冒頭に、不可思議/wonderboy のことを少し書こうと思って書き始めたら、ちょっと長くなってしまったので別記事にしました。もし興味がおありでしたら、そちらもお読みください。 www.keystoneforest.net 今回は11月7日から11月11日までの…

星月夜ピアスの君に触れられず ~俳句tweetより~

映画を2本観ました。映画館で、です。『すずめの戸締り』と『THE FIRST SLAM DUNK』の2本です。どちらもとっても面白かったですが、より楽しめたのは後者でした。山王工業戦の最終盤で交代を告げられた桜木が安西監督に叫んだセリフ。 「オヤジの栄光時代…

見ないんじゃなくて忘れてるだけ

――夢をあまり見ない方です。 人にそう言うと、見ないんじゃなくて見た夢を忘れてるんですよ、と正されます。夢を見るのはレム睡眠のときなんだそうで、レム睡眠は約90分周期で訪れます。ですので、誰でも一晩で3回から5回は夢を見ていることになるんですよ…

秋晴れや流るる雲の軽さかな ~俳句tweetより~

今回は10月24日から10月28日までのtweet句です。どうぞよろしくお願いします。 秋暁の照らす頬だけ温かい すっかり秋めいた風が初めて吹いた朝。天気予報見てなくて、夏のシャツを着て家を出てきてしまいました。涼しくて良い感じ。いえ、でも、ちょ…

わたしは何を見ればいい?

目を信じてはいけない、見ているものが宇宙のすべてだと思ってはいけない、真実だと思ってはいけない。見ているのに見えていないものがある。たぶん、そんなことはみんな知っているはず。でも、すぐにそれを忘れてしまう、勘違いしてしまう、目を信じてしま…

「元気出せ」どんぐり一つ転がり来 ~俳句tweetより~

今回は10月17日から10月21日までのtweet句です。どうぞよろしくお願いします。 仔猫鳴く空いつぱいの鰯雲 この記事を書いている今気づきました! 「鰯雲」を季語にして詠んだつもりでしたが、、、「仔猫」も季語でした。しかも春の季語です。猫の子…

それでも生きている。

今回の記事に深い意味はありません。 何かのメッセージでもありません。 山猫のつぶやきです。ただそれだけです。 考えるから生きづらくなる。 生きるということは、多分生きると考えないこと。 朝起きて水を飲んで、食べられる物があればそれを口にする。そ…

吾に似たる人影伸びて秋の夕 ~俳句tweetより~

今回は10月10日から10月14日までのtweet句です。どうぞよろしくお願いします。 布団着て丸める背中今日休む 布団はバリアです。レーザー光線を跳ね返すバリアもあれば、寒さを防ぐバリアもあります。目覚まし時計の音や、起床を促す家人の声を跳ね返…

歩いても歩いても虫鳴く夜や ~俳句tweetより~

8月22日から9月30日までの6週は、この間に行った東北旅行(岩手方面)から題材をとった句を詠みました。10月からは元の形、その日その日に感じたこと出会ったことを題材にして詠む形に戻りました。戻りましたが、、、いつもと変わらない日常のなか…

青を待つ数十秒の蝉時雨 ~俳句tweetより~

11月になりました。今年もあと2か月足らずです。ですが、今回は8月15日から8月19日までのtweet句です。まだ蝉時雨を詠んでいます。相変わらず季節感がなくてごめんなさい。どうぞよろしくお願いします。 青を待つ数十秒の蝉時雨 信号待ちです。ハイ…

まだこんなところにいます夏の雲 ~俳句tweetより~

今回は8月8日から8月12日までのtweet句です。まったく季節感が伴わない句ばかりで申し訳ありません。どうぞよろしくお願いします。 少年の日の蝉時雨今朝も聞く 森の奥で暮らしていた少年の日に聞いた蝉時雨はとても優しくて、森の木陰で涼みながら友達…

木影踏み右へ左へ蝉時雨 ~俳句tweetより~

「~俳句tweetより~」の記事、今回は春から夏にかけて、あちらこちらで呟いたtweet句です。tweetしてから時間が経ちすぎていて季節感ありませんが、どうぞよろしくお願いします。 菜の花の花の数だけ温かい 4月3日の句です。菜の花の花はどの花を言うので…

不快な存在 0/6

文章はただ書くだけより、書いたあと、それを推敲する作業が好きです。頭に浮かんできたイメージを一発で文字に置き換えることができるなら、そんな必要は全然ないのですが、ブログの記事にしろ小説にしろ、仕事上必要に迫られて書く文章にしても俳句にして…

夏休み兄弟げんかは疲れ果て ~俳句tweetより~

2022年8月は後半を迎えました。ちょうど1年前わたしは十日余りの入院生活を送りました。俳句を詠もうと思ったのは、その退院後からです。 www.keystoneforest.net www.keystoneforest.net まだ春の句が何句か残っています。急ぎます 今回は春の句4月4日…

春一番地球を未来へ運んでく ~俳句tweetより~

俳句tweet振り返り記事です。今回は2月14日~18日と2月21日~25日までのtweet句10句です。2月24日プーチンはウクライナ東部で「特別軍事作戦」を開始すると発表し、首都キーウ近辺を含むウクライナ各地への砲撃や空襲を始めました。わたしは今…

今できること ~高橋源一郎の飛ぶ教室より

ロシアによるウクライナ侵攻が始まってもうすぐ5カ月になります。新聞報道はめっきり減りましたが、まだ戦火は止んではいません。ウクライナ東部・南部地方での攻防は一進一退か、ロシアの漸進が続いているようです。一方で目の前にあるのは、新型コロナ第…

虫喰ひの穴開く若葉とにらめつこ ~ロシアのウクライナ侵攻;5月23日~6月5日の朝刊見出しまとめ~

ロシアのウクライナ侵攻について、自分用のmemoとして、この間の新聞朝刊一面の見出し(ウクライナと国際情勢に関係するもの)をまとめています。なお、日付と見出しは山猫家で購読している産経新聞に拠っています。 5月23日~6月5日のまとめですが、一面での…

春の月枝ひとつづつ照らしをり ~俳句tweetより~

俳句の投稿を何回かしました。結果は全然です。けれど、もう少しだけ続けてみます、、、 今回は2月7日から2月11日までのtweet句です。どうぞよろしくお願いします。 空つ風引き裂き膝小僧走る 空っ風が吹き抜ける公園を膝小僧が走っていきます。膝小僧…

鬼を追ひそれでお前は気が済むか ~俳句tweetより~

今回は1月28日から2月4日までのtweet句です。この週から平日(月~金)だけ俳句をtweetすることにしました。今回の俳句記事は、帳尻があうように、この期間の6句をまとめています。次回以降は1週ごとのtweet句5句をまとめていくつもりです。いつまで…

初空に白一直線雲走る ~俳句tweetより~

3月を迎えました。2月末から始まったロシアによるウクライナ侵略はいまだ先行きが見通せない状況です。考えもしないような怖ろしいシナリオが用意されているようで気味が悪くてなりません。わたしたちは戦争と戦争との間にはさまれた束の間の休憩時間に暮…

寒波襲来厚き衣着るエビフライ ~俳句tweetより~

大急ぎで俳句の在庫一掃をはかっています。今回は去年の12月24日から28日までのtweet句です。これでやっと、このブログも年を越せます(^^; 人気ゲーム機入手難迫る聖夜 今は昔、ウィイというゲーム機あり。ある年の聖夜、息子の願いの品を探す父あり。…

迷っているときは、ただ勇気が足りないだけかもしれない ***山猫クイズ001***

答えが見つからないのと迷っているのとは違う。 答えが見つからないというのは、そもそも答えの手掛かりすら持っていないということ。それでは、前にも後ろにも進めない。答えにたどりつける熟した自分になるまで待つか、まったく別の切り口を探すか、それと…

冬閑か震災といふ非日常 ~阪神淡路大震災から27年~

少し前のことですが、年末年始の6日間、俳句のtweetを休みました。大みそかからお正月にかけて呑んだくれる予定だったからです。そしてもちろん、呑んだくれて過ごしました。けれど、6日間まったく俳句のことを忘れてたかというと、実は一月四日からのtwee…