森の奥へ

街の喧騒に惹かれて森を出た山猫はいつの間にかずいぶんと歳をとった。いつかもう一度故郷の森の奥へ帰りたいと鳴くようになる。でも、街の暮らしはなかなか捨てられるものじゃない。仕方ないから部屋の壁紙だけ森の色に染めてみた。

鬼を追ひそれでお前は気が済むか ~俳句tweetより~

今回は1月28日から2月4日までのtweet句です。
この週から平日(月~金)だけ俳句をtweetすることにしました。今回の俳句記事は、帳尻があうように、この期間の6句をまとめています。次回以降は1週ごとのtweet句5句をまとめていくつもりです。
いつまでたっても拙い俳句ですが、、、どうぞよろしくお願いします。

 

 

日めくりをめくり忘れて冬深し

部屋に貼ってあるのは、月めくり?カレンダーです。日にちを確認するカレンダーというよりスケジュール表のように使っています。書き込まれているのは、通院の予定とか浄水器のカートリッジの交換日とか、飲み会に行くので夕食がいらない日とか。最後のはコロナ禍の折、書き込む機会はなくなってしまいましたが、、、話がそれました。
日めくりには、そんな個人情報ではなく、六曜、旧暦、干支、二十四節気などの情報が詰まっています。ありがたい格言やらことわざが書かれている場合もありますね。日めくりカレンダーは、自宅ではなく職場(学校の教室)で使っています。おみくじを引くように、毎朝新しいページをめくるのが楽しいのです。

 

公園に春ボールひとつ転がり来

五七五で改行して書くと「春」と「ボール」が区切れるのですが、続けて書くと「春ボール」と読めてしまいます。「春の公園ボールひとつ転がり来」とすれば良かったのかなぁとも思います。でも、気持ちとしては、公園に転がってくるボールが春を連れてくる、みたいな思いがあったのです。だったら「公園にボールと春と転がり来」にすればよかったのかなぁ。
こうやっていつもあれこれ悶々としながら詠んでいるのです。ですが、プレバトの夏井先生からすれば「直したところで、しょせん平凡な句!」と一刀両断、、、なのかと思うと ごにょごにょごにょごにょごにょ

 

鬼老いて追はれて泣いて雲流る

「鬼追いて」と書こうとして「おにおいて」と入力すると「鬼老いて」と変換しました。途端に、年老いて金棒を杖代わりによぼよぼと立つ鬼が目の前に現れました。老いた鬼は往年の迫力をまったく失ってしまっています。子供たちに豆で追われるともう逃げるしかない。睨みつけるだけで子供たちを震え上がらせた、かつての怖ろしい形相はどこかに消えてしまいました。自らの衰えを感じて、鬼は惨めさにさめざめと泣き暮れるのです。
今回節分の句を3句詠みましたが、哀れな鬼の姿ばかりが浮かんできました。

 

鬼を追ひそれでお前は気が済むか

勉強や仕事がうまく捗らない原因を、思い通りにならない鬱憤のはけ口を、自分に降りかかってくるすべての災厄を鬼のせいにして、豆を撒いて罵って、鬼を追い払えば、それで解決するというのか? 気が済むというのか? 鬼をいじめる必殺兵器である豆を使えば勝つのはたやすいこと。鬼はいとも簡単に追い払ってしまえるだろう。だけど、果たしてそんなやり方でいいのか? 鬼は妖怪でも悪魔でもない。鬼が悪さをするんじゃない。本当は何を追い払えばいいのか、とっくの昔にお前はそれに気付いているはず。
鬼は世間。鬼は他人の目。そんな世間や他人の目ばかり気にするから、うまく捗らないと焦ったり、思い通りにならないと憤ったりするんじゃないのか? と思ったり思わなかったり。思ってもすぐにそれを忘れたり。

だからたぶん、本当に怖ろしいものは外からではなく内側からやってくる。

 

金棒に豆で勝つ妙鬼やらひ

鬼やらいは、疫病を追い払う「追儺(ついな)」と呼ばれる儀式のことで、節分に豆撒きをする起源となりました。平たく言うと、豆撒きのことです。金棒をぶんぶん振り回す鬼を豆で退治するって、ちょっと無理がないですか?
実は豆(ま・め)は語呂合わせで「魔(鬼)の目」をつぶすためとか「魔(鬼)を滅する」とかからきたらしいです。なんと、、、「鬼滅(きめつ)」ですね。もちろん諸説あり。

 

断捨離でからつぽの棚春立てり

2月4日。この日は立春でした。「春立つ」が季語です。長い冬の間に溜め込んだあれこれをきれいさっぱり片付けて、気持ち良く春を迎えましょう。モノもキモチもどんどん捨てて、棚も心もからっぽにしてみると、なんて清々しい。
さあ、部屋の片づけをしなくちゃ、と思ううち、とうに3月を迎えてしまっていました。こんな調子なので、気持ちの断捨離なんて、いつ取り掛かれることでしょう、、、(^^;

 

 

もし、お心に留まった句がおありでしたら、コメントいただければ幸いです。感想をいただくことで、たくさんの気付きを得ることができます。
また、いただいたコメントをブログ中で紹介させていただくことがあります。どうぞご了承くださいますようお願いします。

 

 

① 日めくりをめくり忘れて冬深し

 

② 公園に春ボールひとつ転がり来

 

③ 鬼老いて追はれて泣いて雲流る

 

④ 鬼を追ひそれでお前は気が済むか

 

⑤ 金棒に豆で勝つ妙鬼やらひ

 

⑥ 断捨離でからつぽの棚春立てり

 

 

 

 

 

以下、大変手前みそで恐縮ですが、、、前回の記事 初空に白一直線雲走る ~俳句tweetより~ - 森の奥へ にいただいたコメントから、良かったよと言っていただいたコメントと句を紹介させていただきます。

 

② 明日来ると限らぬ今年を生きてゆく

URURUNDOURURUNDO

「明日来ると限らぬ今年を生きてゆく」災害、病気、事故・・・何があるか分からない日々を「一寸先は闇」と言った先人の言葉が浮かびます。騒がしい日々が続く昨今、特にそれを感じます。

harienikkiharienikki

①と②が好きです。①はお写真を拝見しなくても青空に走る一筋が目に浮かび,清々しいです。②は同じことを最近姉と話したばかりです。今年も無事に生き抜きたいものです。(^O^)
 

LunakkoLunakko

①初空は、さわやかな空の句ですね。美しい言葉です。②の限らぬ今年も素敵です。

私は②がいいです。年齢に関係なく、命はいつ召されるか分かりません。今日を大切に。災害で被災した者たちは、さらに命について考える事があります。だから、他の命を自分にできることで、さらに支えたいと思います。

物騒なことになっていますが、自分ももう残りの時間の方が少ないということで②

 

 

 

 

ururundo(id:URURUNDO)さん、チャーコ(id:harienikki)さん、ルーナっこ(id:Lunakko)さん、happy-ok3(id:happy-ok3)さん、3回連続10cm(id:sankairenzoku10cm)さん、そしてこのほかにもコメントをくださったみなさま、ありがとうございました。

 

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よければtwitterものぞいてみてくださいね。山猫 (@keystoneforest) | Twitter
 

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山猫🐾@森の奥へ

似顔絵はバリピル宇宙さん (id:uchu5213)に描いていただきました。