森の奥へ

街の喧騒に惹かれて森を出た山猫はいつの間にかずいぶんと歳をとった。いつかもう一度故郷の森の奥へ帰りたいと鳴くようになる。でも、街の暮らしはなかなか捨てられるものじゃない。仕方ないから部屋の壁紙だけ森の色に染めてみた。

数へ日や明日終はるかも知れぬのに ~俳句tweetより~

2月は記事の更新サボってました(^^;
ぼちぼち再始動したいと思います。どうぞよろしくお願いします。

前回の記事 陽だまりに手袋の手を翳す朝 ~俳句tweetより~ - 森の奥へ で触れたコンビニ強盗捕まったそうです。店や周辺の防犯カメラの映像などから逮捕につながった、とのことでした。
防犯カメラやドライブレコーダーの普及によって、わたしたちの生活は監視されているのか見守られているのか、監視されているからこそ抑止力になっているのか、抑止力にするためにはカメラはまだまだ足りないのか、何を守っているのか、何に守られているのか、監視されていても罪を犯してしまう心理ってどういうものなのか、いろいろ思うところはありますが、、、

今回は12月19日から12月23日までのtweet句と、去年・2022年詠み納めの句です。今回は6句です。
2022年分の俳句、最後の回になります、、、
え!? もう2023年3月だけど?
どうぞよろしくお願いします。

 

 

散り際を選べぬ枯れ葉まだ散れぬ

「終わり良ければ総て良し」と言います。皮肉を言うと、「終わりが良くなければ総て良くない」。それどころか、はっきり言うと、「終わりが悪ければ総て悪くなってしまう」ということなのでしょうか。散り際、去り際を選べるうちに、終わりを迎えよう受け入れよう、と言うことなのでしょう。たぶん多くの人が思うより、総て良い終わりは、遥かに早い時期に設定すべきなんだろうなって気がします。わたしはまだ、何も始めてもいないのに、、、😅

 

枯れ葉地に木末は天に向かふ朝

光合成をしてエネルギーを得る植物はすべて太陽に向かって伸びていきます。やがていつか力が続かなくなって伸びるのを止めるのです。命が尽きたものの向かう先は植物もヒトも同じです。枯れ葉も亡骸もいつか地に還るのです。地は命を受け取って、また新たな命を育むのです。ところで、わたしたちヒトはどこに向かって伸びているのでしょう。

 

寒風割き飛びゆく烏一羽かな

この冬はたくさん烏の句を詠みました。わたしの通勤路にいつもたむろしているのがそいつらだからです。冬の烏は寒鴉(かんあ)とか、寒鴉(かんがらす)とか言います。三文字にも五文字にもなるから、俳句初心者にとって使いやすい季語だと思っています。そんな何もかもとっくにお見通しだよ、と考えていそうな鴉の横顔が好きです。

 

荷と雪を運ぶトラック夜が明ける

北国からの夜道を直走ってきた長距離トラックは黙々と荷と雪を運んでいます。夜明けまでに荷を届けないといけないのでしょうか、トラックは疲れた素振りを少しも見せずに走ってゆきます。ところで、わたしの自宅は六甲山の中腹にあるので、市街地より2、3度気温が低い朝がよくあります。夜間に降った雪を車の屋根に乗せたまま麓に下りると、雪にまみれた車なんか他に走っておらず、我が家の車だけ雪国からやってきたように見えるのです。

 

窓灯りが笑つてゐる聖なる夜

寒い寒い聖なる夜に、笑い声が漏れ聞こえてくる窓灯りの家。聖なる夜の一番のプレゼントはその笑い声なのかもしれません。今からプレゼントを届けようとしているサンタさん。そんな窓灯りにたくさん出会うことでしょう。世界中にプレゼントを配り終えて帰るサンタさんの家にも、そんな窓灯りが灯っているでしょうか。

 

数へ日や明日終はるかも知れぬのに

季語は数へ日。年が押し詰まって、あと幾日と数えられるほど残る日数が少なくなること、を言います。俳句tweetでは、去年の詠み納めとして12月28日に 数へ日を数へる今日の空の青 を掲載しましたが、もとはこちらの句を詠みました。どれほど楽しみに思って指折り数えても、不意に終わってしまうものかもしれないのに、という思いの方が強くて詠んだのですが、年の最後の句なので、テンションを上げる句の方が良いかなと思って、今日の空の青、と変えたのです。

 

もし、お心に留まった句がおありでしたら、コメントいただければ幸いです。感想をいただくことで、たくさんの気付きを得ることができます。
また、いただいたコメントをブログ中で紹介させていただくことがあります。どうぞご了承くださいますようお願いします。

 

 

① 散り際を選べぬ枯れ葉まだ散れぬ

 

② 枯れ葉地に木末は天に向かふ朝

 

③ 寒風割き飛びゆく烏一羽かな

 

④ 荷と雪を運ぶトラック夜が明ける

 

⑤ 窓灯りが笑つてゐる聖なる夜

 

⑥ 数へ日や明日終はるかも知れぬのに

 

 

 

 

 

以下、大変手前みそで恐縮ですが、、、前回の記事

www.keystoneforest.net

にいただいたコメントから、良かったよと言っていただいたコメントと句を紹介させていただきます。

 

⑤ 陽だまりに手袋の手を翳す朝

⑤ですかね。暖かさを感じたいからこそ惹かれたのかなとか。光れなんてな思いもあったりなかったりとか笑

⑤の陽だまりに、が好きです。読んでいるだけで身体も心もポカポカと、あたたかくなるような気がします。
おはようございます、山猫さん。わたしは⑤ 陽だまりに手袋の手を翳す朝 がいちばんすきです。手のあたたかさがかんじられて陽だまりのありがたさをかんじました(#^.^#)。
harienikkiharienikki③と⑤が好きです。③は私と姉を彷彿とさせます。⑤は私は子供の頃にこれやってました。
「⑤ 陽だまりに手袋の手を翳す朝」寒い中にも陽の光から、希望がめて、笑顔が見えます!

 

 

S(id:odanoura)さん、このはずく(id:mkonohazuku)さん、すふれ(id:sufuretan)さん、チャーコ(id:harienikki)さん、happy-ok3(id:happy-ok3)さん、そしてこのほかにもコメントをくださったみなさま、ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

よければtwitterものぞいてみてくださいね。山猫 (@keystoneforest) | Twitter
 

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山猫🐾@森の奥へ

似顔絵はバリピル宇宙さん (id:uchu5213)に描いていただきました。