森の奥へ

街の喧騒に惹かれて森を出た山猫はいつの間にかずいぶんと歳をとった。いつかもう一度故郷の森の奥へ帰りたいと鳴くようになる。でも、街の暮らしはなかなか捨てられるものじゃない。仕方ないから部屋の壁紙だけ森の色に染めてみた。

今できること ~高橋源一郎の飛ぶ教室より

ロシアによるウクライナ侵攻が始まってもうすぐ5カ月になります。新聞報道はめっきり減りましたが、まだ戦火は止んではいません。ウクライナ東部・南部地方での攻防は一進一退か、ロシアの漸進が続いているようです。
一方で目の前にあるのは、新型コロナ第7波の急拡大や物価高、豪雨、猛暑、、、どれもわたしたちの生活に直接大きな影響を与えることばかり。いつ終わるとも知れない遠いウクライナでの戦争はこの際二の次で、という気分になるのも仕方ないと思います。それに一個人として解決できる問題ではありませんし。けれど、忘れてはいけない、目に見えなくても見続けないといけない、そう思っています。

 

毎週欠かさず聴いているラジオ番組があります。といってもリアルタイムではなくて、らじる★らじるというアプリで聴いているのですが。
NHKラジオ第1で
金曜午後9:05~9:55に放送されている「高橋源一郎の飛ぶ教室」という番組です。

作家・高橋源一郎さんをセンセイにあなたの好奇心を呼び覚ます夜の学校。一コマ目は源一郎さんが現代の世相や時局を分析、お薦めの一冊を紹介。二コマ目は、その道のスペシャリストに源一郎さんが知りたいことを聞き出します。(NHKホームページより)

2022年7月8日の放送は「飛ぶ教室」第100回目でしたが、その日午前11時31分に起きたのが安倍元首相銃撃事件でした。その日の放送冒頭での高橋源一郎さんの語りが、大災害やパンデミック、戦争という非日常に襲われ続けているわたしたちの気持ちの持ちようを端的に示してもらったような気がしたので、メモしておきたくて。
番組の冒頭では毎回、その日の放送内容と繋がるようなマクラを高橋源一郎さんが語られるのですが、100回目という切りの良い回なのできっと飛び切りの話を用意されていたと思います。けれど事件を知って、たぶん急遽差し替えて話をされたのが、以下の内容でした。

 この国であらゆる国で同じようなことが起こってきました
慣れてはいけません、けれども怯えてもいけません
怯え、口をつぐんでしまっては彼らの思うつぼになるからです
身体的な暴力は実は社会のあらゆる場所から噴き出そうとしている暴力的なものの象徴なのかもしれません
銃弾だけではなくもっと別の様々な形での暴力が社会にあふれています
それらの暴力は力で反対する者たちを押さえつけようとします
それらの暴力に対して僕たちは力ではなく言葉で対抗しなければなりません
暴力的な言葉に対して暴力的な言葉で応ずることもまた彼らの思うつぼになるからです
言葉が暴力ではないもっと豊かな力になることを信じる必要があります
今できることから始めたいと思います

どんなときでもゆっくり深呼吸をすること、日常を止めないこと
すべてはそこにあります
そこにいれば落ち着いて考えることができる場所を作ること
いつもにまして考えること
情報が飛び交っているとき耳を澄まして聞くこと、聞き分けること
大声でしゃべる人間には気を付けること
押しつけがましい声は聞く必要がありません
そして自分がそうならないように気を付けること
無理やり考えをまとめる必要などないこと
それでもできるなら一つ一つ考えを言葉にしていくこと
ゆっくりでいいから
考えるべきことはたくさんあります
目の前のこと、自分に関すること、大切な誰かあるいは大切な何かに関すること
それから、それらとはまるで異なった遠い世界のことや遥か昔のことも
こういうときこそ、本を読みましょう
そこには書いてあるはずです
かつて何度も同じことがあり、そのたびに人々は考え、日常を守り、自分たちを攻め滅ぼしにやってくるものたちと戦ったことが

(高橋源一郎の飛ぶ教室「源一郎センセイの“人生相談”から」2022年7月8日放送分より)


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わたしが今できること。
ウクライナを思うこと。日常を守ること。本、読んでないです。買っただけで山積みになってる本をこの夏にしっかり読まないと。

わたしの仕事以外の日常はブログとTwitterと庭の世話で過ぎていきます。
朝起きて、仕事から帰ってきて、ブログを書いている合間に、俳句のことを思いながら、雨が降ってなければ日に何度も庭に出ます。
ミニトマトの脇芽を摘んだり、摘んだ脇芽を植えたり、支柱を立てたり、草を抜いたり、追肥をしたり、水遣りをしたり。
ブログを書くより長い時間を庭で過ごしています。土に向かっていると気持ちが良いのです。
今、うちの庭のミニトマトは30株ほどになりました。春に園芸店で買ってきたのは6株、そこから少しずつ増やしました。
去年から今年にかけて一番苦心したのはブルーベリーです。庭にブルーベリーを植えたのは、この家に引っ越してきてすぐの頃でしたから20年ほど経つはずです。植えた苗は2本でした。こちらは庭に落ちたブルーベリーが自然に芽を出して次々に育ってきて、もう何本あるか、毎年増えていくし密集しているので数えたこともありません。
去年の夏、そのブルーベリーに大事件が起こりました。スズメバチの大群に襲われたのです。熟したブルーベリーの果汁が目当てでした。
ですが、ブルーベリーを巡るスズメバチとの攻防について、ここで書き始めると今回の話題からずいぶんずれてしまうので、この件はまた次に書きます。

ということで、今回はブルーベリー初採り写真の紹介までにとどめます。瑞々しくてとっても甘い。上出来でした。ミニトマトの方はオレンジ色のがSUNTORYの純あまオレンジという品種です。こちらもとっても美味でした。

 






 

 

 

 

 

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山猫🐾@森の奥へ

似顔絵はバリピル宇宙さん (id:uchu5213)に描いていただきました。