森の奥へ

街の喧騒に惹かれて森を出た山猫はいつの間にかずいぶんと歳をとった。いつかもう一度故郷の森の奥へ帰りたいと鳴くようになる。でも、街の暮らしはなかなか捨てられるものじゃない。仕方ないから部屋の壁紙だけ森の色に染めてみた。

不可思議/wonderboy の Pellicule ~だから今日は戻らない日々を思い出して笑おう~

以前にも触れたことがありますが、NHKラジオ『高橋源一郎の飛ぶ教室』を毎週欠かさず聴いています。
源一郎さんに今回の放送で教えてもらった歌に心を強く揺すぶられたので記録しておきたくて。



www.youtube.com

 

不可思議/wonderboy の Pellicule という歌です。

不可思議/wonderboy (1987年12月30日 - 2011年6月23日)は、日本の男性シンガーソングライター、ポエトリーラッパー。

2011年3月14日 自主制作シングル「生きる」を50枚限定でLHW?Storeから販売。一晩で完売。
2011年5月4日 1st Album「ラブリー・ラビリンス」を全国発売。
2011年6月23日、不慮の事故
(山猫🐾注;交通事故だそうです)により急逝。
(Wikipediaより)

ラップといっても、ポエトリーラップとかポエトリーリーディングといわれるもので、韻を踏むことでテンポ良く歌うラップとは少し違うみたいです。
詩が心に刺さります。
わたしはすぐに泣くんですけど、カーラジオで聴きながら、やっぱり泣きました。

(前略)
いつものメンツのことなんだけど
今日はちょっと忙しくて来れないみたいなんだ
だからえっと、そうだな、二人だけで話そう
それにしても、みんないつの間にかいなくなるよな
だから別にそれがどうってわけでもないんだけど
最後に挨拶くらいしていってほしいっていうか
まあ別にそんなことどうでもいいんだけどさ
(中略)
そうやって俺たちはいつまでも待ってた
来はしないとわかってながらいつまでも待ってた
俺たちの知る限り時間ってやつは止まったり戻ったりはしない
ただ前に進むだけだ
だから今日は戻らない日々を思い出して笑おう
今日だけ、今日だけは思い出して笑おう
(後略)
(不可思議/wonderboy Pellicule より)

Pellicule は1st Album「ラブリー・ラビリンス」所収、フランス語で、映画用のフィルムという意味。

 

「みんないつの間にかいなくなるよな」。挨拶もせずにふっといなくなるよな。俺に愛想をつかして他の奴のところに行ったのなら、ちょっと嫌だけど、まあ、それはそれでいい。どこかで元気にやってくれていたらそれでいい。元気でいるならまたどこかで会えるよな。会おうとなんかしなくてもどこかの街でばったり偶然会えるよな。俺のこと忘れてしまいたかったんなら、顔見ても知らんぷりしてくれてていいよ、元気だと分かればそれでいいよ。でも本当は笑って、やあって言ってくれたらうれしいけど。そんな日が来るのを待ってる。来はしないとわかってるのに、そんな日が来るのをただ待ってる。「だから今日は戻らない日々を思い出して笑おう」。

「みんないつの間にかいなくなるよな」。
そう、いつも本当にいなくなるときは、挨拶なんてしない。さよならなんか言わない。いつの間にか静かにいなくなる。気がついたらいなくなってる。そして、そういう別れをしたあとは二度と会うことはない。みんないなくなる。生きるとは、生きてゆくとはそんなもの。

「だから今日は戻らない日々を思い出して笑おう」。
日々は決して戻らない。戻らないことをみんな知ってるのに、ひょっとしたら昔みたいに楽しくやれる日々がまた戻ってくるんじゃないかと少し期待してる。でも、日々は戻らない。時間はただ前に進むだけ。だから、どんなに辛い思い出だって、悲しかった出来事だって、そんな日々があったということが素晴らしい。だから思い出して笑おう。忘れずにいよう。

 

無限に続いていく時間を撮影するために用意されていた Pellicule に、どんな物語が撮影されるはずだったか、誰にも分かりません。

 

もう一曲。

不可思議/wonderboy の 生きる という歌。詩人谷川俊太郎の「生きる」を本人からの許諾を得て音源化したものだそうです。


www.youtube.com

 

みんないつの間にかいなくなるよな
だから今日は戻らない日々を思い出して笑おう



 

 

 

 

 

 

 

 

よければtwitterものぞいてみてくださいね。山猫 (@keystoneforest) | Twitter

 

f:id:keystoneforest:20180211232422j:plain

山猫🐾@森の奥へ

似顔絵はバリピル宇宙さん (id:uchu5213)に描いていただきました。