6月1日から神戸では学校が再開します。
しばらくは分散登校ということで、週に何日かだけの登校になります。
と、5月のうちに書き始めましたが、いつものように書いてはやめ、読み返して書き直し、また少し書いてやめ、また読み返して書き直し、、、を繰り返すうちに、とうに6月を迎えてしまっています。
以下、自分の区切り・備忘録として、コロナ禍の最中にあって思ったこと、思っていることを書きます。
4月7日夜
政府は7都府県に緊急事態宣言を出しました。
新型コロナウィルス感染症拡大防止のための措置でした。
翌8日は、多くの学校にとって新しい学年がスタートする始業式が行われる日でしたが、わたしが暮らす神戸市でも、この宣言を受けて、新年度初日から学校を休校することになりました。
あまりに真際での決定でしたので、近隣の都市では休校の連絡が間に合わなくて子供たちが登校してきたため対応に苦慮した、という学校もあったと聞いています。
4月7日現在の感染状況は、全国で「陽性3,817人 死者80人」でした(新型コロナウイルス感染者数の推移:朝日新聞デジタル)。
4月15日
時差通勤の朝、今年初めてツバメを見ました。
最寄り駅で撮った写真です。
ツバメは冬を南の国で過ごし、春になれば海を越えて渡ってきます。
その渡りは数千キロにも及ぶと言います。
こんなに小さな体で数千キロも飛んでくるのです。
ツバメたちはここで卵を産み雛を育て飛び方を教え、やがて秋を迎えるころに、大きく育った子ツバメたちを連れて南へ渡っていくのです。
そしてまた、翌年もほぼ同じ場所に帰ってくるのだそうです。
ツバメが駅に巣を作るのは、ヒト通りが多くて天敵が近づきにくい場所を選ぶからと言います。
写真のツバメは、仲間たち数羽と一緒に、巣作りにふさわしい場所を探すように駅のホームをしばらく飛びまわっていました。
去年この駅で巣を作ったツバメか、その子供たちだったのでしょうか。
追いかけっこを止めて一休みするように、去年巣があった場所にツバメが一羽とまりました。
ところが、そのあと何日過ぎても結局今年彼らはここに巣を作りませんでした。
どうして?
え、ひょっとして? まさか?
ここじゃ、ヒト通りが少なくて天敵から守れないって思ったから?
去年と比べてヒトが少なかったから?
外出自粛のせい?
時間は少し前に戻ります。
2月16日のブックマーク・ツイートにこんなことを書きました。
地震対策で食料や水、電池、ラジオとかは用意してましたがこんな日がくるとは思ってませんでした。
普段すぐに手に入るマスクも除菌アルコールもこんなにあっさり店頭から姿を消すなんて。
次に消えるのは何でしょう?
地震対策で食料や水、電池、ラジオとかは用意してましたがこんな日がくるとは思ってませんでした。普段すぐに手に入るマスクも除菌アルコールもこんなにあっさり店頭から姿を消すなんて。次に消えるのは何でしょう? / “専門家よりもじぶんの直感を信じた方がまだマシだと…” https://t.co/lfl013t0Qn
*ぽこあぽこ*さんが心配されたように、スーパーの店頭からすぐに保存がきく食料品が消えました。
パスタが消え、ホットケーキミックスが消え、そしてマスク用のガーゼ生地が消え、体温計が消えました。
アメリカでは銃器や弾丸が売り切れたと聞きます。
3月9日
マスクの有効性は疑わしいと思いつつ、咳エチケットの一つのように思って通勤時はマスクをつけるようにしています。
でも、わが家でも在庫は少なくなってきました。
今週からは洗ってもう一回使うことにしました(^_^;
と、書きましたが、実際には三、四回使いまわしました。
2月の末には手に入ったマスクが、3月になると店頭から一斉に姿を消しました。
4月に入ってようやくネットで購入したマスクは50枚で3,500円しました。
マスクの有効性は疑わしいと思いつつ、咳エチケットの一つのように思って通勤時はマスクをつけるようにしています。でも、わが家でも在庫は少なくなってきました。今週からは洗ってもう一回使うことにしました(^_^; / “「マスクが手に入らない!」と嘆く前に考えたい・マス…” https://t.co/MqcTr9xDeq
3月11日
東日本大震災から9年目の日です。
あの日は金曜日でした。
生徒たちの下校を見送って職員室に戻ると、普段ついていないテレビが映っていました。
高架橋らしき道路に車が数台停まっていました。
慌てて車を止めたらしくて車列が乱れています。
車外に出ている人もいます。
ヘリコプターからの映像でした。
その少し先で道路は泥水に沈んでいました。
一体何が起きているのか全然分かりませんでした。
あの時職員室だったんですか。
— くりぷとす (@crypticit) 2020年3月11日
山猫さんは阪神で大地震を経験されていますよね。
その時もあの時も(シュールとカタカナで書くと
ちょっとニュアンスがずれてしまうのですが)
『surreal』という言葉が自分の気持ちを
一番よく表しているような気がします。
『非日常』なのかな。
くりぷとすさんは、カタカナのシュールではなく『surreal』という言葉がその時の気持ちを一番よく表しているとtweetされました。
『surreal』の意味を調べると、
strange,not seeming real,like a dreamという言葉が見つかりました。
3月11日、神戸で初めての死者が出たとのことです。
非日常に思えていた日々がいつの間にか日常の一部になってしまっている。
これは居心地良くないです(^_^;
戦争の惨禍を肌で知らないわたしは、阪神淡路大震災に遭遇したとき、これは自分の人生で最大の災厄だと思いました。最大の非日常だと思いました。
ところが、やがて東日本大震災が起こり、今回はコロナ禍です。
surreal?
— 山猫🐾 (@keystoneforest) 2020年3月11日
、、、???
ネットで調べると
not seeming real,like a dreamという言葉が見つかりました。
ここでまたdreamという言葉が現れました。
今日神戸で初めての死者が出たとのことです。
非日常に思えていた日々がいつの間にか日常の一部になってしまっている。
これは居心地良くないです(^_^;
シュールという言葉、面白いですね。
— 山猫🐾 (@keystoneforest) 2020年3月11日
今のコロナウイルス拡大の状況をシュールと表現できるセンスがわたしにはありませんでした(^_^;
先のツイートでおっしゃっていた『非日常』という言葉はとてもしっくりきます。
今の教育現場を表現すると、非現実でも超現実でもなくて、究極の非日常です。
3月からの臨時休校が始まったとき、これは究極の非日常だと感じました。
ところが、その非日常が続くうちに「非」と感じる感覚がマヒしていく、、、
やがて、afterコロナとかwithコロナとか名前を付けられて、すっかりわたしたちの日常になっていくのです。
3月の頃はそんなこと、思いもしませんでしたが。
これがsurrealっていうこと?
なんて訳せばいいのか思いつきません。
4月18日
この緊急事態がいつまで続くか分かりません。
ずーーっと自粛し続けないといけないかもしれません。
この先何が起こるか分かりません。
わが家では、サバイバルのためにこの春たくさんの野菜の種を蒔き、苗を植えました。
そして、
この記事を書いていた5月半ば頃、チシャ、サラダ菜、小松菜、水菜が食べごろになりました。
野菜の種にも有効期限があるのですが、実はうちの水菜は、以前に封を開けてそのままにしていた少し前の種を使いました。
4年前に期限が切れていましたが、ちゃんと芽が出ました^_^
種はずっと、蒔いてもらえる日を待っていたのでしょうね。
大きく育ててから収穫したかったのですが、のんびりしていると虫たちに先を越されてしまいます。
慌てて食べ始めました。
5月下旬、ミニトマトが色づいてきました。
6月はじめ、はつか大根を初めて収穫し、サラダに添えて食べました。
記事を書き終えられたら、今夜はインゲンで一品作ろうと思っています。
この緊急事態がいつまで続くか分かりません。ずーーっと自粛し続けないといけないかもしれません。この先何が起こるか分かりません。わが家では、サバイバルのためにこの春たくさんの野菜の種を蒔き、苗を植えました / “コロナ緊急事態宣言 | 自粛はいつまで?今こそ、野菜…” https://t.co/KQSvwn9gLq
— 山猫🐾 (@keystoneforest) 2020年4月18日
4月18日
こんばんは。
あれこれあって久しぶりにブログ巡りしています。
ウイルスの終わりのしれない増殖、休校、外出自粛、、、と続く「非日常」も、次第に「非」が薄れていく気味悪さ。
長期戦を覚悟しないといけないですね。
こんばんは。あれこれあって久しぶりにブログ巡りしています。ウイルスの終わりのしれない増殖、休校、外出自粛、、、と続く「非日常」も、次第に「非」が薄れていく気味悪さ。長期戦を覚悟しないといけないですね。 / “【閑話】210編のマイルストーン - コトゴトの散文” https://t.co/IT9uUf7G9M
— 山猫🐾 (@keystoneforest) 2020年4月18日
4月30日
soboku-kobeさんの記事「コロナ疲れに笑いを?!」の最後に紹介されているアンネ・フランクの言葉が心にしみました。
太陽の光と雲ひとつない青空があって、それを眺めていられるかぎり、どうして悲しくなれるというの?
(アンネ・フランク)
どんなに過酷な状況にあっても笑いを忘れない。
決して挫けない強さがその笑いを裏付けるのかもしれないですね。
最後に紹介されているアンネ・フランクの言葉が心にしみます。どんなに過酷な状況にあっても笑いを忘れない。決して挫けない強さがその笑いを裏付けるのかもしれないですね。 / “【コロナ疲れに笑いを?!】びっくり感染予防対策&ステイホームの「あるある」画像17選 - …” https://t.co/Hli6Pd1enB
— 山猫🐾 (@keystoneforest) 2020年4月30日
そういえば、今年のゴールデンウィークは好天に恵まれましたね。
太陽の光と清々しい空が広がっていました。
悔しいくらいに青い空でした…
5月2日
日曜美術館「疫病をこえて 人は何を描いてきたか」(4月19日放送)。
小野正嗣の言葉がたいへん印象的でした。
人間は疫病に接した時に負の側面が放出されます。
あらゆる醜いものが出尽くした時、すべてを見た上で人間とは何か、人間の美しい側面とは何か、それを伸ばすにはどうしたらいいか、ということに心は向かっていく…
sorafullさんの記事でこの言葉を知りました。
コロナ禍はわたしたちの生活を大きく変えると言われています。
経済がまわることで生み出されてきたモノ、いえ、経済をまわすために生み出してきた衣食住のあれこれは、果たして本当に必要なものばかりだったのか、いまそれを立ち止まって考えないといけない、そう強く思わされる言葉でした。
>人間は疫病に接した時に負の側面が放出されます。あらゆる醜いものが出尽くした時、すべてを見た上で人間とは何か、人間の美しい側面とは何か、それを伸ばすにはどうしたらいいか、ということに心は向かっていく… / “日曜美術館より - SOMoSOMo” https://t.co/BhFNFdo44P
— 山猫🐾 (@keystoneforest) 2020年5月1日
5月13日
テレビはどのチャンネルをみても、失政を非難したり先行きを不安視させるようなコロナ報道ばかり。
happyさんの記事に触れると、たくさんの場面で前向きな取り組みが増えていることが分かって心が落ち着きます^_^
テレビはどのチャンネルをみても、失政を非難したり先行きを不安視させるようなコロナ報道ばかり。 happyさんの記事に触れると、たくさんの場面で前向きな取り組みが増えていることが分かって心が落ち着きます^_^ / “コロナ関連の支援~モデルになった誉くん | happy-ok3の…” https://t.co/Nj5lkjesda
— 山猫🐾 (@keystoneforest) 2020年5月12日
5月14日
大阪兵庫もそろそろ6月からは学校再開しそうです。
休校中にははっきりと見えてこなかった様々な問題が現れてくるのでしょうね。
休校開始より再開の方を十分すぎるほど慎重に、と思います。
大阪兵庫もそろそろ6月からは学校再開しそうです。休校中にははっきりと見えてこなかった様々な問題が現れてくるのでしょうね。休校開始より再開の方を十分すぎるほど慎重に、と思います。 / “小ネタ集、自粛期間バージョン - こたつ猫の森” https://t.co/gcb0yNMPvR
— 山猫🐾 (@keystoneforest) 2020年5月14日
5月14日
コロナは考え直すきっかけを与えてくれましたね。
8割削減ということで、机上整理や古い書類の処分ができました。
着なくなった服を捨てました。
積読のままだった本を読み始めました。
やがて遠くない先に終わってしまう人生の残り時間の使い途を考え直すことも少しできました。
コロナは考え直すきっかけを与えてくれましたね。8割削減ということで、机上整理や古い書類の処分ができました。着なくなった服を捨てました。すぐに終わるかもしれない時間の使い途を考え直すこともできました。 / “脱・ファストファッションを目指す - *ぽこあぽこ*日記” https://t.co/J5RGN4sK8f
— 山猫🐾 (@keystoneforest) 2020年5月14日
5月16日
医療従事者の方々や家族への差別、マスクの高額転売、越境パチンコ、自粛警察、、、
報道をみて理屈が通じないもどかしさに悶々とします。
ですが、それを伝えるマスコミは人や社会の一面しか見ていないとも思います。
世の大多数は賢者だと信じたいです。
医療従事者の方々や家族への差別、越境パチンコ。報道をみて理屈が通じないもどかしさに悶々とします。ですがそれを伝えるマスコミは人や社会の一面しか見ていないとも思います。世の大多数は賢者だと信じたいです。 / “これからは、賢者のみを相手にすると決める - かあさ…” https://t.co/l0fE2iHQNH
— 山猫🐾 (@keystoneforest) 2020年5月16日
コロナの拡大がもたらす多くの死はあまりに衝撃的で、確かに世界を脅かす大きな事件ですが、その恐ろしさという一点だけを取り上げて、一面的に過ぎる報道や政府の対応を巡るやりとりが多かったし、いまでもそれは変わっていないと感じています。
様々な視点から、それこそわたしたちが気づいてもいなかった切り口から、問題点や地道な取り組みを拾っていくものでなければ、コロナの先を考えるスタートに立てない、そう思います。
アルベール・カミュの『ペスト』__
いまこの小説が多くの人に読まれているそうです。
近くの書店にも平積みで置いてありました。
ペスト発生以来、外部との行き来を遮断されたアルジェリアのオランという街で、懸命に患者たちの治療に当たっている医師リウーがこう言います。
「───今度のことは、ヒロイズムなどという問題じゃないんです。これは誠実さの問題なんです。こんな考え方はあるいは笑われるかもしれませんが、しかしペストと戦う唯一の方法は、誠実さということです」
(中略)
「・・・つまり自分の職務を果たすことだと心得ています」
(アルベール・カミュ『ペスト』)
ペストとの戦いは、特別に強い精神力を持った勇敢無敵のヒーローによる美しいヒロイズムの物語なんかじゃない、リウーはそう言おうとしています。
この戦いにヒーローはいらない。
戦う方法はただ誠実であるということ。
凡庸なまでに、ただただ自分にできることをする、それが戦う唯一の方法だと言うのです。
どこかの国のトップの人がこの言葉を聞いて何を思うか、そんな考えが頭をよぎりましたが、きっと理解も共感も、何も思わないのでしょう。
ふと浮かんだのは、宮沢賢治の『雨ニモマケズ』でした。
・・・
東ニ病気ノコドモアレバ
行ッテ看病シテヤリ
西ニツカレタ母アレバ
行ッテソノ稲ノ朿ヲ負ヒ
南ニ死ニサウナ人アレバ
行ッテコハガラナクテモイヽトイヒ
北ニケンクヮヤソショウガアレバ
ツマラナイカラヤメロトイヒ
ヒドリノトキハナミダヲナガシ
サムサノナツハオロオロアルキ
ミンナニデクノボートヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ
サウイフモノニ
ワタシハナリタイ(宮沢賢治『雨ニモマケズ』)
この思いこそが誠実さそのものじゃないかと思うのです。
5月25日夜
政府は緊急事態宣言を全面解除しました。
25日現在の感染状況は、全国で「陽性16,404人 死者830人」になりました(新型コロナウイルス感染者数の推移:朝日新聞デジタル)。
6月1日
分散登校という形で三密を避ける努力を払いながら、ようやく学校が再開しました。
ちょうど3か月続いた自宅学習でした。
子供たちも先生たちもマスク着用です。
マスクの上にのぞくどの目元にも笑顔が浮かんでいます。
子供たちの声が響き渡って、学校もうれしそうです。
ですが、
当面のあいだ、大きな声を出して歌うことや友達と一緒に走ること、おしゃべりしながら食事をすること、調理実習をしたりハイタッチをすることもNGです。
授業の遅れや3か月間の運動不足やあれやこれや、、、
どうすればいい? どうやったら元通りに戻る?
考え始めると、もうどうしようもありません。
唯一の方法は、誠実に自分の職務を果たすこと。
デクノボートヨバレ、ホメラレモセズ、クニモサレズ、けれど、困っている人に寄り添っていく。
非日常でsurrealな現実をぶれずに生きていく唯一の武器は誠実さ。
何度もこのことを思い返すようにしよう、そう思います。
わたしは最寄り駅の北側改札をいつも利用しています(ちなみに、神戸では北側のことを山側と言います)。
先日、南側(海側)の改札を出ようとして見つけました。
ここにいました。
見えますか?
今年新たに作った巣のようです。
きっとこちらの方がヒトの往来が多かったのでしょう。
ツバメたちは以前と変わらない「日常」をここに見つけていたのです。
今日の記事は *ぽこあぽこ*(id:poko-a-poko)さん soboku (id:soboku-kobe)さん くりぷとす(くりぷとす (@crypticit) | Twitter)さん たよらこ (id:tayorako)さん くにん (id:kuninn) さん sorafull(id:sorafull)さん happy-ok3(https://happy-ok3.com/)さん マミー (id:mamichansan)さん かこ (id:kozikokozirou)さん の記事に書かせていただいたブックマークコメント・ツイートをもとにしました。
いつも、ありがとうございます。