森の奥へ

街の喧騒に惹かれて森を出た山猫はいつの間にかずいぶんと歳をとった。いつかもう一度故郷の森の奥へ帰りたいと鳴くようになる。でも、街の暮らしはなかなか捨てられるものじゃない。仕方ないから部屋の壁紙だけ森の色に染めてみた。

コロナ禍の墓参。 **ブックマーク・ツイートから** 山猫ノート30

 
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わたしの父は56歳で亡くなりました。
脳腫瘍でした。
亡くなる2年前に病気が分かり手術をしましたが、1年後に再発、その後、回復することなく逝きました。
父が亡くなった当時わたしは28歳、孫の顔どころか、わたしの奥さんの顔も見てもらえないままの別れでした。
墓は父の生まれ育った山に建てました。兵庫県の山間の地です。墓からは父の生家があった場所や田んぼが望めます
(農道が整備されたため、父が知っていた景色とは全然違ってしまってはいますが、、、)

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写真は父の墓の前から撮りました。映っているのは父の墓ではありません、、、(^^;

 

墓がある山までは、わたしが住んでいる神戸から車で2時間半ほどかかります。頻繁に訪れるには少し遠い距離です。
年に一、二度くらい会いに行っていましたが、2020年はコロナを言い訳にして一度も墓に参りませんでした。

 

下のリンクは、3年前の墓参のことを書いた記事です。

www.keystoneforest.net

 

父の墓は父の故郷・兵庫県の山間部にあります。
コロナ禍の今、そこに神戸に住んでいるわたしが行くのは不味いだろうと自分で言い訳を作って、この1年ほど墓参りに行っていませんでした。
わたしは一体何を気にしていたんでしょう。
来週父に会いに行ってこようと思います。
 

 

KAKOさんのツイートにコメントを書かせていただいたのが先週のことでした。
不要不急の外出自粛中の今です。でも、どうしても父に報告したいことがあって、行ってきました。
車から降りたのは、墓に参るときと帰りに昼食をとるときだけにしました。親戚の人たちには会わずに帰りました。なんだか、よけいに故郷が遠くなった気がします。

 

墓のまわりを敷き詰めるように降り積もっていた落ち葉を払い、墓石に貼り付いていた土ぼこりを落とすと、墓は少し見栄えが良くなりました。
墓の頭に水を注ぎ、手を合わせて深呼吸。
墓の背後にそびえる山と木々に祈るような思いになります。

お父さん、去年は一度も来れず、ごめんなさい。
家族はみんな元気で過ごしています。
上の子は卒論発表を終えて、今、現場実習に行っています。ずいぶん大人びてきました。
下の子は2週間前、共通テストを受けました。来週からは私学入試が始まります。
奥さんは、家族の体調管理に一生懸命です。お陰で誰も風邪ひとつひいてません。
お母さんも元気です。ここまで来る車中、最近お父さんの夢を見なくなったから、お父さんは成仏できたと思う、という話を10回くらいしてくれました。
僕は、、、
あと2か月で定年を迎えます。体のあちこちにガタがきてますが、もう少し働くつもりです。お父さんの歳を越えて、なんとかここまで働くことができました。ありがとう。

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わたしが教員採用試験に合格したことをとっても喜んでくれた父、でも、勤務先が実家から遠く離れた神戸になってしまったことを残念がった父。
病気で倒れ、定年を迎える前に働きづめで亡くなった父。
その父の年齢を越えてまだ元気で過ごせているわたし。
そして、父が会ったこともないわたしの家族たちのこと。
いろんな思いを伝えました。

 

 

今日の記事は KAKO@isinnkodesu(https://twitter.com/isinnkodesu)・かこ (id:kozikokozirou) さん への返信ツイートをもとにしました。

いつも、ありがとうございます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

よければtwitterものぞいてみてくださいね。山猫 (@keystoneforest) | Twitter

 

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山猫🐾@森の奥へ

似顔絵はバリピル宇宙さん (id:uchu5213)に描いていただきました。