アーサーを紹介してくださったのは、シンクロナスくーかん (id:ArtStone)さんでした。
語りかけるように綴られるArtStoneさんの文章は平易ですが謎を含んでいて、それを読み解きたい誘惑にしばしばかられました。
アーサーは意外なほどすぐ傍にいました。
それでわたしも、アーサーのことを記事に書きました。
アーサーはわたしたちのすぐ傍にいます。
けれど、彼から話しかけてくれることはありません。
ですから、わたしはアーサーのことを忘れているくらいでした。
しばらく音信不通だったのですが、アーサーはまたやってきてくれました。
そしてくりぷとんとん (@crypticit) | TwitterさんのTwitterでアーサーと彼の同行者・タオタオが交わしたやりとりに触れる機会が巡ってきました。
『ストーリーはつづく……けど新しい物語がはじまる』をアップしました。おやすみなさい。ZZzzz.....
— くりぷとんとん (@crypticit) 2019年7月10日
Stellar Dweller the Storyteller:
https://t.co/4SmDQNSpyn
そのやりとりの一部を紹介します(読みやすさのため少し編集しています)。
タオタオ;
アーサー。
またきみに会えてとっても嬉しい。
どんな物語が始まるの?
アーサー;
どんな物語かって?
それはきみがいちばんよく知ってるじゃないか。
それは、、、あ、これは言わない約束だったね。
タオタオ;
ぼくが知ってること?
知ってるのかもしれないし知らないのかもしれない。
なんて言えばいいんだろう。
ぼくもアーサーもあの子も、ほかのみんなも、、、みんな「そこ」からやってきて、そして、また「そこ」に戻っていくって言うこと?
こうしてアーサーとタオタオの冒険が始まります。
二人の冒険は実体を伴った空間ではなく、あるかあらぬかあやふやな星間を飛び交います。
アーサーとタオタオも、実体を持つ存在なのかどうかあやふやです。
アーサー;
「そこ」に戻る話はあとでしよう。
どちらにしろきみがよく知ってることだし。
今ダイレクトにれんらくが入った。
次はドゥドゥとサステナに出発だ。
行くよ。
タオタオ;
出かけるんだね。
でもね、アーサー。
意識はいつも体から自在に出て行けるから、いつでも「そこ」にぼくたちはいるんだよ。
アーサー;
アハハハ!なに言ってるんだい。
ぼくたちのからだはドゥドゥにおいてきただろ?
今からとりに行くぞ。
そしたらいよいよサステナだ。
タオタオ;
からだがドゥドゥにあるとしたら、、、
今ぼくたちがいるのは意識の方だったっけ?
どっちだか分からなくなっちゃった。
あれ?
ひょっとしてぼくたちはもうドゥドゥに着いてるんじゃないの?
ほら、カーテンを開けて、目を開けて。
そうそう意識の目の方だよね。
カーテンを開けて、意識の目を開けて、、、
ほら、空が緑色だ。
それに、緑の空の下には青い大地が広がってる。
なんて鮮やかな星なんだろう、ドゥドゥは。
アーサー;
う~ん(目をこすりこすり)
え? もう着いたのか?
どうやら夢を見てたみたいだよ。
ぼくはきみを起こしてたんだけど、きみがぼくを起こしてたのか。
そうだった。ぼくたちはあっちに行くと反対だったな。
ああ、緑だ。なつかしい。。。
タオタオ;
ねえ、アーサー。
きみが見てた夢ってどんな夢?
アーサー;
100万回生きたって夢さ。
アハハハ。
夢の中できみがぼくを起こして夢から醒めたってわけ。
どうやらそうらしい。
タオタオ;
あのね。
夢から覚めた現実と、その現実からさらに目覚める、ということがあるみたい。
これを覚醒すると言う人もいる。
と言うことは、現実そのものが夢なのかもしれない。
前にぼくはそんなことを思ってた。
今のぼくたちが意識の方だったら時空を移るなんて簡単さ。
アーサー;
じゃあこれからぼくたちはまた目覚めるのか?
その、きみの言う時空って言うのはなんだい?
タオタオ;
時空って?
時空を感じられるのは意識がからだから離れるときだって気がする。
からだは時間と空間が限定された「いま」にしか存在できないから時空の束縛の中にあるんだ。
アーサー;
でもそれも今は考えなくてもいいってことか。
何しろからだがないんだもんな。
ぼくたちに連絡してくる存在だって
じっさいは何にも知らないしな。
いつもそのつどそのつどだけだ。
ま、ぜんぶ知ってたらつまらないか。
タオタオ;
そうさ、ぜんぶなんて知らなくていい。
いちぶを知っていればそれで十分さ。
だって、それがぜんぶに繋がるんだから。
ぜんぶはいちぶのために、いちぶはぜんぶのためにって言わない?
ところで、ぼくたちのからだのことなんだけど……。
今のぼくたちにとって、からだって本当に必要なものだと思う?
アーサー;
おもしろいことを言うやつだなあ、きみは。
きみの言う時空を脱ぐって?
まさかテーテの実でも食べた?
だからぜんぶに繋がるなんて言ってるんだな。
それはキリーたちが言ってる ’As Above, So Below(上なる如く、下もまた然り)’ のことか?
サステナに行くにはからだがなくちゃ。
ぼくは行くよ。
タオタオ;
待ってよ、アーサー。
からだを探すヒントがあるんだ。
ぼくたちがドゥドゥに来たとき、ぼくはぼくたちのからだが収納されているカプセルのことをイメージしていた。
ぼくはきみで、きみはぼくで、ぼくときみはあの子の中にいて……
そして気づくとドゥドゥに来ていたんだ
さっききみは言ったよね。
きみがぼくを起こしていたら、実際にはぼくがきみを起こしていたって。
ぼくたちが朦朧としながら見ていたもの、、、
それを夢と言っていいかどうかは分からないけど、それはひょっとして同じ夢なんじゃないかな?
夢の中でぼくたちは行き来することができたんじゃないかな?
からだとは別のところにいる今のぼくたち、意識の方にいるぼくたちなら、夢を通路にしてイメージしたところにたどり着くことができるんじゃないのかな?
アーサー;
やっぱり。
ぼくの頭の中の声の正体はきみだったんだな。
きみとぼくの声はそっくりなもんだから、夢のほうのね、
うたがいもなくてっきりぼくの声だと思ってたけど
ときどき少しちがう声が混じってたんだよ。
そうかあ。でもエチケットはまもってくれよ。(笑)
あ!まって!
シ~ッ。
ここは……ドゥドゥのフリをしたマガツィンだ!!
音がちがう!
ドゥドゥじゃない!
ドゥドゥとマガツィンは形と色はそっくりでも音がちがうんだ。
ほら! 耳をすませて。
すぐに脱出だ!
用意はいい?
ドゥドゥのイメージ。
きみが言ったように夢を抜けていっきに出るから。
タオタオ、さっきの同じ夢を。
今だ!
*****
コレワ フシギナ フシギナ モノガタリ
ユメノ ウラノ モノガタリ
ユメノ ウラデ アナタワ ナニヲ カンガエル
ユメノ ウラカラ アナタワ ナニヲ モッテカエル
サア コノユメヲ ヌイデ
ウラワ オモテニ オモテワ ウラニ*****
着いたぞ。
タオタオ;
時空を脱ぐってどういうこと?
ユメを脱ぐってどういうこと?
それができないと翔べないの?
オモテとウラ、ぜんぶといちぶ、As above, So below?
それはみんな同じだって言うこと?
アーサー?
これは夢なの?
ねえ、アーサー、教えてよ。
ー ・ ー ・ ー ・ ー ・ ー ・ ー
この続きに興味がある方は、最初に紹介したTwitterをたどってみてください。
このあと、アーサーとタオタオはからだを手に入れ、実体を取り戻します。
久しぶりのからだの着心地は少し重かったようです。
二人の冒険はサステナに向かうところで終わっています。
いつか、その続きはまた違う形で語られるかもしれません。
*****
コレワ フシギナ フシギナ モノガタリ
ユメノ ウラノ モノガタリ
ユメノ ウラデ アナタワ ナニヲ カンガエル
ユメノ ウラカラ アナタワ ナニヲ モッテカエル
サア コノユメヲ ヌイデ
ウラワ オモテニ オモテワ ウラニ
*****
夢から覚めた現実と、その現実からさらに目覚める、ということがある。
と言うことは、現実そのものが夢なのかもしれない。
からだは時間と空間とが限定された「いま」にしか存在できないから、時空の束縛の中にある。
現実もその束縛の中にある。
時空を感じることができるのは、意識がからだから離れ、束縛から逃れることができたとき。
からだを脱ぐことができて、はじめてぼくは意識だったと気がつける。
それに気づけると、ぼくはいつでもからだから自在に出て行ける。
ぼくは意識。
ぼくはそらを駆け巡り、時空を感じる。
そしていつでもぼくは「そこ」に行くことができる。
ぼくたちがやってきて、そしてまた、ぼくたちが戻っていく「そこ」に。
やってきたところと戻っていくところ、アーサーとタオタオ、夢と現実、意識とからだ、オモテとウラ、ぜんぶといちぶ、As above, So below、上なる如く、下もまた然り
それはみんな同じ。
P.S.The next morning, Arthur gave a reply.
Are everyone in the same dream?
Are everyone dreaming the same?
Or is everyone the same from the beginning?