森の奥へ

街の喧騒に惹かれて森を出た山猫はいつの間にかずいぶんと歳をとった。いつかもう一度故郷の森の奥へ帰りたいと鳴くようになる。でも、街の暮らしはなかなか捨てられるものじゃない。仕方ないから部屋の壁紙だけ森の色に染めてみた。

山猫ノート 8

「野音」22〜25ページ

最初にレナード・ウイバーリーの言葉から、

・ペンは剣より強いけれども、剣はいついかなる時でも烈しく力強く口をきく。

レナード・ウイバーリーの名前をノートに見つけて思い出した。

「小鼠シリーズ」だ。

そのシリーズのどれかで読んだ言葉だと思うが、このシリーズ、実に面白かった、記憶がある。

長期記憶に弱点がある山猫は、このシリーズが面白かったことは覚えているが、内容はほとんど覚えていない。

ちなみに、今まで読んだ中で一番面白かったのは、ハインラインの『夏への扉』だった。が、しばらくすると内容を忘れてしまうので、読み返す。やっぱり面白い、ということを確認して、またしばらくすると内容を忘れてしまう。で、また読みなおす。

これまでで三回読んだ。読むたびに楽しめるので、長期記憶に弱点があるのはそれなりに意味がある、のかもしれない。

で、「小鼠シリーズ」だが、書かれたのはけっこう以前だった。

第1作「小鼠、ニューヨークを侵略」(1955)
第2作「小鼠、月世界を征服」(1962)
第3作「小鼠、ウォール街を撹乱」(1969)
第4作「小鼠、油田を掘りあてる」(1981)
北アルプス山中のグランド・フェンウィック大公国が大国を相手に様々な騒動を巻き起こす寓話だ。

ぜひオススメです。山猫も次に読む本ランキングの1番に置きました。

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・テレビは20世紀に生まれた最悪の物。もちろん、原爆と、人口過剰の次にだが。

フィリップ・ホセ・ファーマー

 

・人間は動物と超人の間の深淵に渡された一本のロープである。

ニーチェ

 

・昨日までそっぽを向き合っていた爪先がどうして今日からしとやかに顔を見合わせようとするのだろうかと不審がっている少女の両足。悲しみを重いと思い、喜びを軽いと思う両足。

・老人には死 若者には恋 死は一度 恋はいくたびか

川端康成

 

・時間こそは偉大な作家だ。いつもりっぱな結末を書く。

・私たちはみんな素人です。それ以上になるほど長生きできない。

・美しさの中には悲しさがあります。

 ・もし赤ん坊がこの世に生まれる前に生を予感したら、きっと身ぶるいするでしょうね。

・犯罪は組織的にやらねばつりあいません。

・一人殺せば犯罪者、百万殺せば英雄。昔からそれがすべてです。

・かえる前に言っておきたいことは? あります。さようなら。

C.チャップリン

 

・現代では旅行者はいない。あるのは観光客だけだ。

筒井康隆

 

・山こそ恐るべき永遠の存在ーーー地球の半分に傷をつけた人間という白蟻にも変えられることのない永遠の存在である。

ファーレイ・モウワット

 

・他人とはめったに感心してくれぬ存在

星新一

 

・なにか悲しい夢でもみたの? ママはここよヨハン、何を泣くの。おまえは人生を始めたばかり。どんな悲しいことがあるっていうの・・・?

萩尾望都

 

・恋をはじめると、とても音楽が身にしみてきますね。あれがコイのヤマイの一ばんたしかな兆候だと思います。

太宰治

 

・自己嫌悪は社会に出るためのトンネルである

作者不明

 

最後の言葉、どこで拾ったか定かじゃないけど、この頃の自分を納得させようとしていたんだろう、とつくづく思う。

 

 

 

 

 

 

 

  
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