森の奥へ

街の喧騒に惹かれて森を出た山猫はいつの間にかずいぶんと歳をとった。いつかもう一度故郷の森の奥へ帰りたいと鳴くようになる。でも、街の暮らしはなかなか捨てられるものじゃない。仕方ないから部屋の壁紙だけ森の色に染めてみた。

野良犬は消えてしまったが、野良イノシシはたくさんいるのだ。

子供の頃、もう少し具体的に言うと昭和四十年代の頃かな。その頃は野良犬をよく見かけた。

人に飼われていたのが逃げ出した場合もあっただろうけど、たぶんほとんどは捨てられた犬が自活してるうちに大きくなったやつだったんだろう。

鎖でつながずに犬を飼っている家もたくさんあったから、そいつが一人で散歩してることもあった。だから、一見して野良犬と分かったのは汚れた風貌からだった、と思う。

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(写真は野良犬じゃなくて、野良ウリ坊)

いつごろからか野良犬は姿を消した。ペットとして飼われ、鎖でつながれたた犬しか見なくなった。話は違うけど、部屋の中で犬を飼っている家も子供の頃は見たことなかったな。

野良犬って、けっこう怖かった。噛まれると狂犬病になる、と言われた。だから野良犬は保健所がつかまえて処分する、って子供たちはうわさしていた。それはたぶん本当だった。連れて行かれて(引き取られて?)、殺処分されて、そして、ついにはいなくなってしまった。今、日本にはペットとして飼われている犬しかほぼ生存していない。これって大変なことじゃないか? 野良犬は絶滅危惧種か? え?

環境省の統計によると、山猫が(僕が)まだ子供だった昭和49年度に殺処分された犬は約116万匹もいたらしい。ちなみに平成27年度は15,811匹が処分されている(この数字が果たして大きいのか小さいのか)。

徳川綱吉が出した生類憐みの令によって、江戸に犬屋敷を作り、広さ30万坪の敷地に10万匹の野良犬を保護したというから、昔からずいぶんたくさんの野良犬が日本にはいたはずだ。それが、今ではもうほとんど姿を消してしまった。

山猫の(僕の)息子たちは野良犬なんか見たことがない。犬といえば、どこかの家で飼われていて、ロープでつながれて飼い主と一緒に散歩しているやつしか見たことがない。

ところが、うちの周辺では野良イノシシが我が物顔に歩き回っているのだ。これはいったいどういうことだ!?

 

そこで、怖くて夜間外出できないので野良イノシシを何とかしてほしい、と区役所に訊いてみた。いや、正しくは、区役所が発行している広報を読んでみた。

まず、捕獲について。

イノシシは「鳥獣保護および狩猟に関する法律」で保護動物に指定されており、基本的に捕獲はできない。

ただし、噛み付かれた、追いかけられて牙で突かれたなど、直接的な被害が出た場合は有害鳥獣として捕獲することが可能、とのこと。

で、その捕獲方法は。

山猫が(僕が;しつこいけど、まぎらわしいので書いておく)住んでいる区は禁銃区になっているから銃は使用できない。

そこで、捕獲する場合は有害鳥獣駆除の許可を得たうえで狩猟免許を持った人に依頼し、檻や罠を仕掛けることになる。

誤って子どもやペットがかかる恐れがあるので、どこにでも檻や罠を仕掛けられるわけではない。また、イノシシが罠を見破ることも多いので、特定の個体を捕獲するのは非常に難しいのが現状です、とのこと。

 

直接的な被害が出ないと動いてくれないし、そもそも捕獲するのは非常に難しい。つまり、お手上げってことかな。

 

自分の身は自分で守るしかない。

 

 

 

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