森の奥へ

街の喧騒に惹かれて森を出た山猫はいつの間にかずいぶんと歳をとった。いつかもう一度故郷の森の奥へ帰りたいと鳴くようになる。でも、街の暮らしはなかなか捨てられるものじゃない。仕方ないから部屋の壁紙だけ森の色に染めてみた。

初空に白一直線雲走る ~俳句tweetより~

3月を迎えました。2月末から始まったロシアによるウクライナ侵略はいまだ先行きが見通せない状況です。考えもしないような怖ろしいシナリオが用意されているようで気味が悪くてなりません。わたしたちは戦争と戦争との間にはさまれた束の間の休憩時間に暮らしていただけなのかもしれない、そう思い始めてもいます。新型コロナによるパンデミックが治まらないなか、こんな事態が訪れるとは思ってもいませんでした。

 

 

わたしの俳句記事は遅ればせながら、ようやく今年初詠みの句を記事にするところまでたどりつきました。
1月5日から23日までにtweetした句は、阪神淡路大震災を詠んだもので、先に 冬閑か震災といふ非日常 ~阪神淡路大震災から27年~ - 森の奥へ でまとめてご紹介しました。
今回は、1月4日の句と1月24日から1月27日までのtweet句です。
どうぞよろしくお願いします。

 

 

初空に白一直線雲走る

この句は「初空」が季語です。新年の季語です。俳句の季節では、立冬から立春の前日までを冬とするようですが、そのうち1月1日から15日ごろまでの期間を特に新年というのだそうです。
俳句を始めるまで知らなかった季語はたくさんありますが、なんと、「元日」から「二日」「三日」「四日」「五日」「六日」「七日」まで、これら全部が新年の季語です。「初空」は元日の大空のことを言います。縁起の良い年になるよう願って、写真の白一直線は右肩上がりに加工しました(^^;

 

明日来ると限らぬ今年を生きてゆく

「今年」が季語。これも新年の季語です。「去年(こぞ)」も「旧年」も同じく新年の季語です。
重ねてきた歳月よりも人生の残り時間の方が短くなってきたわが身を想定して、一期一会の気持ちで日々生きていかないといけない、そう思って詠んだ句です。
ですが、縁起でもない句を詠んでしまったのかもしれません。核兵器の発射ボタンに手をかけている人の存在が、少しずつ真実味を帯びてきている気がしてなりません、、、

 

まつすぐな線など引けぬ春近し

冬から春へ至る道ほど曲がりくねったものはなさそうです。下り坂で歩きやすい道が続いたと思えばふいに曲がり角。その角を曲がったら、今度は歩みを進めるのが嫌になるほどの急な坂になっていて。しかも道は大きく曲がって曲がって、やってきた方に戻っていくようではないですか。下っては上り、進んでは戻り。上っては下り、戻っては進み。それを何度も何度も繰り返して、ようやく春が見えてきます。心配はいりません。時間さえ待てば必ず春はやってくるのです。

 

ひとりよりふたりで歩く小さき春

考え事しながら、自分のペースで、行きたいところに向かって歩く。真っすぐ向かうのが嫌になって、道草したいと思えば、いつでも小休止。ひとり歩きは気楽なもの。
おはようって声かけられて、その人は隣に並んだ。昨日出会った笑える話を、その人は聞きもしないのに教えてくれる。お返しにわたしは昨日の晩に読んだ本のあらすじを少しだけ披露する。時々その人の方に顔を向けて、どんな表情で聞いてるか確認できる速さで並んで歩く。その人が面白がって食いついてきたあたりで、あらすじ紹介はおしまい。あそこの枝の先の蕾、膨らんできたね。話題を変えて、蕾の方に少しだけ回り道。さっきまで頭にあった考え事のもやもや、なんだったっけ。

 

特別な朝などなくてされど春

朝を上機嫌で迎えることができたなら、その日一日をきっと上機嫌で過ごすことができるはず。上機嫌の朝は、記念日だったり、寝起きの良さだったり、奇跡が起きると占いで出たり、そんな特別な朝じゃなくてかまわない。布団の中で目を覚まして、自分が確かに生きていることを感じられる、ただの普通の朝でいい。ひとつだけ贅沢をいえば、その朝が春だったら最高だ。

 

 

もし、お心に留まった句がおありでしたら、コメントいただければ幸いです。感想をいただくことで、たくさんの気付きを得ることができます。
また、いただいたコメントをブログ中で紹介させていただくことがあります。どうぞご了承くださいますようお願いします。

 

 

① 初空に白一直線雲走る

 

② 明日来ると限らぬ今年を生きてゆく

 

③ まつすぐな線など引けぬ春近し

 

④ ひとりよりふたりで歩く小さき春

 

⑤ 特別な朝などなくてされど春

 

 

 

 

 

以下、大変手前みそで恐縮ですが、、、前回の記事 寒波襲来厚き衣着るエビフライ - 森の奥へ にいただいたコメントから、良かったよと言っていただいたコメントと句を紹介させていただきます。

 

② にほんごのおてがみよめたサンタさん

サンタさんが好きです。子供の中に子供の数だけサンタさんがいますしね(サンタ人口は多いw)

AIaokoAIaoko

こんばんは♪ クリスマスの②が好きです。お話を含めて、世界中の子どもたちと、大人たちが、それぞれの国のことばで、夢を語り、夢を見る日がクリスマスかなあと。子ども達も大きくなりましたが思い出します。

harienikkiharienikki

②と⑤が好きです。②はクスッと笑えて「ほんとだね」と思わず言ってしまいました。(^。^)

②が好きです。そして思いは言葉にしないと伝わらない、そんなことがあったのですね。自分が子供だった頃の事や息子が小さかった頃のことを思い出しました。

mashley_sltmashley_slt

にほんごのおてがみよめたサンタさん これ可愛いですね(^^)昔、フィンランドのロバニエミに行ってサンタに会いましたが、昔日本に滞在していたそうで日本語をバリバリ話していました。だからきっとわかります!

 

 

 

3回連続10cm(id:sankairenzoku10cm)さん、あいかーちゃん(id:AIaoko)さん、チャーコ(id:harienikki)さん、このはずく(id:mkonohazuku)さん、mashley(id:mashley_slt)さん、そしてこのほかにもコメントをくださったみなさま、ありがとうございました。

 

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よければtwitterものぞいてみてくださいね。山猫 (@keystoneforest) | Twitter
 

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山猫🐾@森の奥へ

似顔絵はバリピル宇宙さん (id:uchu5213)に描いていただきました。