森の奥へ

街の喧騒に惹かれて森を出た山猫はいつの間にかずいぶんと歳をとった。いつかもう一度故郷の森の奥へ帰りたいと鳴くようになる。でも、街の暮らしはなかなか捨てられるものじゃない。仕方ないから部屋の壁紙だけ森の色に染めてみた。

一期一会の出会いが人を豊かにしてくれるのかもしれません。 **ブックマーク・ツイートから** 山猫ノート18

 
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冬場のこの時期、喘息の症状に悩まされます。

寒暖差が引き金になるようです。

始終喉に何かが絡んで不快です。

むせるような咳が出て止まらなくなることがあります

吸入の薬が切れたので、昨日の土曜に病院に行ってきました。

風邪が流行っています。

 

待合はとても混雑していました。

でも、みなさん静かに順番を待っておられました(^^;

 

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診察までかなり待ちましたが、ブログ巡りをしていれば少しも長く感じません。

いくつか書いたブックマークのうち、次の2つはツイートしました。

読み返してみると、同じようなことを書いています。

昨日のわたしは「一期一会」に強く惹かれていたようです。

↑こちらは、こまだこま (id:komadakoma)さんのブログです。

↑そしてこちらは、micyam-ucyan (id:micyam-ucyan)さんのブログです。

 

「また会いたい人」としてわたしが一番に思い浮かべたのは、20年ほど前に出会ったある人のことでした。

その人は東京行きの新幹線の座席で隣り合わせになった男性でした。

60歳を少し越えたくらいの年配の方でした。

ゴールデンウィークのことだったと思います。

わたしは千葉に住む友人を訪ねるところで、新神戸から1人で乗り込みました。

わたしの席は窓側で、通路側にはすでに別の男性が座っておられました。

はじめの半時間ほど、わたしは景色も見ずに持参していた本に読みふけっていたと思います。

トイレか何かにその男性は立っていかれ、しばらくして戻ってこられたときには、缶ビールを2缶持っておられました。

そして、

「飲みませんか?」

と、そのうちの1缶をわたしの方に差し出されたのです。

おつまみも持っておられました。

不意打ちでした。

わたしがそれを受け取り、よく冷えたその缶ビールのタブを二人で同時に開けた瞬間から、わたしたち二人は知り合いになりました。

男性は岡山に住んでおられて、今回は東京に住む息子さんの家を訪ねるところであること。

息子さんは航空機のパイロットをされていて、いつもは優待チケットか何かをもらうので東京まで飛行機で行くのだけれど、今回は気分を変えて新幹線を選んだのだということ。

わたしの生まれ故郷の話をすると、そこは戦後まもなくのころ林業で栄えた町ですね、とおっしゃり、若いころにその町を何度も訪ねたことがありますよ、と懐かしく話されたこと。

町には映画館が2館ありましたね、と、わたしの故郷の町のことをよく覚えておられました。

そうそう、よくご存知ですね。50円玉を握り締めて毎週のように映画館に通いました。

と、わたしは小学校のころの思い出話をしました。

阪神淡路大震災で被災したときのことも話しました。

東京に着くまで途切れることなく話は続きました。

わたしはどちらかというと口数が多い方ではありません。

そして、どちらかというと用心深くて、こうしたおしゃべりをするのが苦痛な方です。

実はそのとき、わたしは仕事で嫌な出来事があったばかりで、それを吹っ切りたくて一人旅に出ていたのでした。

その男性との会話は時間が過ぎるのを忘れるほどでした。

 

まもなく東京に到着するというアナウンスを聞くと、男性は慣れた様子で降車の支度を始められ、新幹線がホームに入るなり立ち上がられました。

そして、

じゃあ。

と右手を差し出されました。

わたしはその手を握り返し、軽く会釈をしました。

その手を離した瞬間、わたしたちは、座席に隣り合わせていただけの、ただの通りすがりの人に戻りました。

もとより、互いの名前を名乗ることもしませんでした。

男性は先に降りていかれ、それきりです。

もう少し話をしていたかった、と思いながら男性の背中を見送りました。

 

あれから20年。

今ではその男性の顔も覚えていません。

そもそも、その男性の方がわたしのことを覚えておられるかどうかすら分かりません。

ですが、その男性と隣り合わせの座席に座ってまた話の続きをしたい、と、あれから何度も思いました。

あのときのわたしがどんな思いで新幹線に乗っていたのか、そしてあれから20年の間にどんなことがあったのか、報告をしたい、話を聞いて欲しい、と強く思うのです。

どこの誰なのか、どんな人なのかまったく知らないその男性に、わたしはこの20年の人生を報告したいと強く思うのです。

深い深い海の底に沈んでいると思い込んでいたわたしに上を見るきっかけを与えてくれたあの人にまた会いたい、とわたしは思うのです。

二度と会えない、と分かっているからこそ、会いたいのだと思います。

  

一期一会の出会いが人を豊かにしてくれる。

 

明日もし隣の座席に、元気のない表情をした青年が座ったとしたら、わたしはその青年に明るく話しかけることができるだろうか。

そんな出会いをすることができるだろうか。

わたしはそんな明日が来ることを懐かしく思います。

 

 

このことは、いつだったかのわたしのブログの記事で触れたことがあります。

今書いていることはそのときに書いた内容と違っているかもしれません。

でも、どちらが正しいかよく分かりません。

記憶はあいまいです。

 

 

 

 

 

 

  
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