森の奥へ

街の喧騒に惹かれて森を出た山猫はいつの間にかずいぶんと歳をとった。いつかもう一度故郷の森の奥へ帰りたいと鳴くようになる。でも、街の暮らしはなかなか捨てられるものじゃない。仕方ないから部屋の壁紙だけ森の色に染めてみた。

入梅前の大阪湾朝景、昼景、夜景。

 

 

次男Kは、毎週日曜日の午前中、空手教室に通っています。

教室が開かれている公民館まで、距離はそれほどありませんが、標高170mにあるわが家からさらに少し山を登らないといけません。
以前、私の家族は4人全員で空手教室に通っていた時期があり、その当時は車で通っていましたので、その流れで今もKを車で送っていっています。 

 

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6月4日、日曜日。
Kを送っていったその帰り道、車を運転している私の目に晴れ渡った大阪湾の光景が飛び込んできました。

見慣れた景色ではありますが、これだけ海がはっきりと見える日はそれほどありません。

私は車を停めて、もっと海がよく眺められる場所を探しました。

 

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向こうに見えるのは関西国際空港あたりでしょうか。

対岸はほんの50~60km先だと思いますが、大阪湾全体がこんなに晴れ晴れと見渡せる日は月のうち何日もないと思います。

5月は黄砂のせいか、街並みが霞んで見える日がしばらく続きましたが、6月初旬の数日は、気持ちが良いほど晴れた日が続いていました。

風の強い日やその翌日は、よどんだ空気を吹き飛ばしてくれるようで、ことさらに山や海が美しく見えます。 

  

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これは、同じ日曜の午後の自宅2階からの景色です。

まだ築浅い三角屋根の家が並んでいて、その向こうにかすかに大阪湾が望めます。

とてもとても眺望の良いところに住んでいるように見えるかもしれません。

ですが、実はほんの数ヶ月前まで、三角屋根の家並みの向こうには5階建ての住宅が建っていて、ほとんど海は見えなかったのです。

 

その建物が解体されていまはこんな広大な更地になりました。

 

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おかげで、わが家の2階の眺望は格段に良くなった、というわけです。

 

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こちらは、5日朝、出勤時に大阪方面を撮ったものです。
5月以来朝靄の底に沈んでいた大阪の街がくっきりと浮かび上がって見えました。

街の背後にそびえるのは、奈良との県境をなす生駒山地でしょう。
それがずっと南へ下っていくと金剛山地に続きます。

 

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そして、5日の帰宅時に撮った写真です。

 

今日、6月7日、近畿地方は入梅(つゆいり)した、とのことです。
朝から一日雨でした

 

わが家の周辺では蛙を見ません。
そもそも、田んぼのない山には棲んではいないものなのか、開発して蛙たちを追い出してしまったからいないのか、私は知りません。

ただ、この梅雨の時期、田舎の町では───、

空がにわかに暗くなると、それを合図に一斉に蛙たちが鳴き出すのでした。
その雨を呼ぶ大合唱が、なんだか無性に懐かしく思えるのです。

 

もう何十年も、蛙たちの声を聴いてはいません。

 

 

 

 

 

 

 

  
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