森の奥へ

街の喧騒に惹かれて森を出た山猫はいつの間にかずいぶんと歳をとった。いつかもう一度故郷の森の奥へ帰りたいと鳴くようになる。でも、街の暮らしはなかなか捨てられるものじゃない。仕方ないから部屋の壁紙だけ森の色に染めてみた。

満ちるよりここで止まれや十三夜 ~俳句tweetより~

まったく個人的な事情ですが、ここ何回か、サブブログ『飛ぶコタツ』に投稿していた俳句についてのつぶやき記事は、今後はこちら『森の奥へ』に投稿しようと思います。そのうえで、作品(俳句)だけをサブブログにも掲載するという形にしようと思っています。サブブログの方は創作作品置き場として位置づけるつもりでしたので、整理しなおします。

 

あと二晩で満月を迎える十三夜の月は、13/15という数字からすると存外に若く淡く感じられます。といっても、これはわたしだけの思いかもしれません。
十三夜の月が放つ光が淡く見えるのは、この曲を聴いたせいだと思うのです。
さだまさし作詞作曲の『十三夜』という曲です。
ご本人も歌っておられますが、わたしは鈴木雅之の『十三夜』の方が好きです。

 

十三夜

十三夜

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十三夜

十三夜

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前回の記事のなかで、季語が示す季節と現在の季節とが微妙に違っていることについて少し書きましたが、俳句の季語や季節を考えるとき、旧暦と新暦の違いがあるということも、俳句初心者にとって悩ましいところです。
悩ましいので少し調べました。
旧暦は月の満ち欠けをもとに1か月を定義しています。
月の満ち欠けの周期は約29.5日らしいので、1か月を29日か30日に調整して、それぞれの月が新月から始まるようにしています。
なので、日付を順番に数えていくと、毎月15日の夜が十五夜になるように決められているわけです。
これは考えてみれば当たり前のことですが、毎月の日付と月齢とが一致するようになっていたのです。
ですから、カレンダーに頼らなくても、その日が何日なのか、月を見ればおおよその見当がついたのでしょう。
このことだけからしても、旧暦で生活していた人たちの暮らしがどれだけ月と関係深かったのか、容易に想像できそうです。
今回は5句のうち3句で月を詠みました。その3句とも十三夜です。わたしが一番好きな月です。
十三夜の月は、十五夜の月(中秋の名月)とセットで呼ばれることも多くて、旧暦8月の十五夜の月を「前の月」、9月の十三夜の月を「後の月」と呼ぶそうです。
ですので、
季語でいう十三夜は新暦で考えると、10月の月になります。

 

 

うろこ雲ほどよく力抜けにけり

職場に向かう朝、海の上に広がる空があまりに爽やかに見えて写真を撮りました。
うろこ雲がちょうど良い具合に力を抜いて、楽し気に浮かんでいるように見えて、何ごともほどほどに力まずにいきたいなと素直に思えてきたのです。

 

満ちるよりここで止まれや十三夜

満月はあまり好きじゃありません。美しすぎて明るすぎて真ん丸すぎて、その姿がなんだか偉そぶってるように見えて、あまり好きじゃありません。たぶん僻んでいるんだと思います。
それとも、満月が好きじゃないのは、満ちたあとのことを想像してしまうからかもしれません。
満ちたあとは欠けていくしかないのです。満ちたまま時間を止めることはできないのです。
ですから、満ちるよりここで止まれ、と願っても、それも叶わないことなのです。それでも、ここで止まって欲しい。十三夜のままで。
月にも花にも人にも、そう想うことがあります。

 

今日出会ひ今日別るるや十三夜

十三夜も十五夜も十六夜も同じ月だと知っています。ですが、その月を見上げる人の思いは同じじゃない。その月を隠す雲も同じじゃない。一期一会の出会いを思うことで、生きることは真に輝いてくる気がします。

 

暗き朝湯で顔洗う秋寒や

秋寒という季語を使ってみたくて詠みました。一日一句ツイートするつもりが全然思いつかなくて、出勤前に急いで顔を洗っているときにぎりぎりで詠みました。のんびり朝湯に浸かっていたら湯冷めした、みたいな句にも読めますね、、、

 

十三夜といふ夜ありしや吾の日にも

満月を目指して努力していた日々がわたしにもあっただろうか?
「あっただろうか」は「ありしや」でいいのかな?
古文をもう少し真面目に勉強しておけばよかったと悔いています。

 

 

もし、お心に留まった句がおありでしたら、コメントいただければ幸いです。感想をいただくことで、たくさんの気付きを得ることができます。
また、いただいたコメントをブログ中で紹介させていただくことがあります。どうぞご了承くださいますようお願いします。

 

 

① うろこ雲ほどよく力抜けにけり

 

② 満ちるよりここで止まれや十三夜

 

③ 今日出会ひ今日別るるや十三夜

 

④ 暗き朝湯で顔洗う秋寒や

 

⑤ 十三夜といふ夜ありしや吾の日にも

 

 

 

 

 

以下、大変手前みそで恐縮ですが、、、前回の記事秋探す子らの声公園笑ふ - 飛ぶコタツにいただいたコメントから、良かったよと言っていただいたコメントと句を紹介させていただきます。

 

④ 黄金色に向かひて走る目眩むとも

「黄金色に向かひて走る目眩むとも」私は、この句が好きです!黄金色から、希望が見えます!

UrushiUshiruUrushiUshiru

黄金色に向かひて走る目眩むともが好きですね。まさに秋って感じがします

黄金色に、が好きです。気持ちが満たされている感じ、とてもいいです。どんな事も前向きに捉えられるような、勇気が貰える句です。

④の黄金色がいいです。そんな気持ちになる時もありますよね。

 

 

happy-ok3(id:happy-ok3)さん、漆うしる(id:UrushiUshiru)さん、このはずく(id:mkonohazuku)さん、3回連続10cm(id:sankairenzoku10cm)さん、そしてこのほかにもコメントをくださったみなさま、ありがとうございました。

 

 

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よければtwitterものぞいてみてくださいね。山猫 (@keystoneforest) | Twitter
 

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山猫🐾@森の奥へ

似顔絵はバリピル宇宙さん (id:uchu5213)に描いていただきました。