森の奥へ

街の喧騒に惹かれて森を出た山猫はいつの間にかずいぶんと歳をとった。いつかもう一度故郷の森の奥へ帰りたいと鳴くようになる。でも、街の暮らしはなかなか捨てられるものじゃない。仕方ないから部屋の壁紙だけ森の色に染めてみた。

夏のタイムマシーン (創作短編小説)

夏のタイムマシーン 夏のある日、私は小さなカバンを一つ持って旅にでた。 ふらりと乗り込んだ電車は郊外の住宅地を抜け、いつの間にか海沿いを走っていた。 四人がけのボックス席は私と私のカバンが占領している。 カバンにはいつものコスメポーチと着替え…

枯れ始めたサクランボの木に今年も実ったサクランボ。

庭のサクランボの木にサクランボが熟しました。 つやつやです。 市販のものに比べると甘さでは劣りますが、十分に瑞々しくて美味しいです。 写真のほかに枝から採って直接食べたものがいくつかと、まだ枝から採らずに残しているものもあります。 それらを全…

あのね。 夢から覚めた現実と、その現実からさらに目覚める、ということがあるみたい。

子供の頃、よく見た夢がある。 自分の視界の隅に見えていた誰かの顔が、何かの拍子にスイッチが入ると、むくむくと風船が膨らむように巨大化していく。 そして、ついにはわたしの視界一杯に広がり、わたしはその顔に押しつぶされそうになる、という夢だった…

ねえ、アーサー。話をしてもいい?

ねえ、アーサー。話をしてもいい? わたしは時々アーサーに声をかける。 たとえば、この前はこんなことをアーサーに話した。 人生をやり直せる過去行き一方通行の電車が走っているとして、その電車に乗れる片道切符を、もし手に入れることができたら、どうす…

わたしも咲いています。タンポポの花。

こんなところに咲いていました。 春から初夏にかけての時期、庭を一巡りするだけでたくさんの命の芽生えに出会えます。 あ、庭を一巡り、、、と言ってもほんの数歩で巡れますが(^^; 草木や花たちの育つ勢いがほかの季節と断然違います。 でも、この花には気…

名は体を表す。ヒメオドリコソウとホタルブクロと子供の名前。

昨日の土曜日の朝。 穏やかに風が渡り、初夏を思わせる陽射しが降り注いでいました。 午後から日曜にかけてお天気が崩れるとの予報でしたので、わたしは目が早く覚めたこともあり、朝のうちから庭に出ました。 ブルベリーの花が満開です。 花の匂いがハチた…

大根の花が咲きました。草や木たちの生命力に圧倒される春です。

春ですね。 世界が一日一日明るさを増していきますね。 明るくなるのは陽射しが世界に満ち溢れてくるからですね。 ですが、それだけではありません。 沸き立つように花が咲き、新しい芽が次々に膨らんでくるからですね。 色とりどりの花が人の目を惹くのはも…

満開の桜と、長男Mの初めてのパーマと初めてしゃべった言葉と。

孤独は山になく、街にある。 **ブックマーク・ツイートから** 山猫ノート22

孤獨は山になく、街にある。 三木清の言葉です。 その言葉の後は、こう続きます。 一人の人間にあるのでなく、大勢の人間の「間」にあるのである。孤獨は「間」にあるものとして空間の如きものである。 (三木清『人生論ノート』より) ブログ巡りの面白さが…

空知らぬ風 (創作短編小説)

※以前5回に分けて投稿した作品ですが、投稿後、作品を読んでくださったミチコオノ(id:fukaumimixschool)さんに咲を描いていただきました。その絵の掲載をミチコさんに快く承諾していただいたので、作品の読みやすさのためと、自分用の記録として、咲の絵を…