目が覚めて時刻を確かめると午前6時を過ぎていました。
びっくりです。
昨夜寝たのは23時半くらいでした。夜間一度も目を覚まさずに、こんなにぐっすり眠れたのは久しぶりです。いえ、病院が居心地が良いというわけではなくて、尿の管のせい、というか、お陰です。夜中にトイレに立つ必要がないのでずっと寝続けられたようです。
外が暗いのでナースさんに訊くと、ゲリラ豪雨みたいに降ってましたよ、と教えてくれました。夜勤明けでこれから帰るからびしょ濡れになりそうで。でも、どうせ帰ったらすぐにシャワー浴びるんですけど…。このナースさんには一昨日は日勤で担当してもらったと思います。
そう言われてみると、雨音が病室にも聞こえてきていたような気がします。その音で目を覚ましたのでした。
7時、神戸市に大雨警報が出されました。しばらくして洪水警報も追加されました。天気予報アプリで調べると、厚い雨雲がちょうど神戸の上空を通り過ぎていく真っ最中でした。今大きな災害に襲われたらちょっと困る、、、
外を見ようと思い立ち、ナースステーションを抜けて面会室まで散歩。
点滴スタンドを押して面会室まで出かけ、南向きの大きなガラス窓から外の景色を眺めました。
すぐ前が学校のグランド。大きな水溜りがいくつもできていました。雨は上がったように見えます。その向こうにはマンションや会社名を張り付けた背の高いビルが連なっていました。海も見えました。今日の海は灰色です。倉庫らしい建物に挟まれ、小さく四角く切り取られた海でした。人影は見当たりません。
昨夜点滴が外れたので、今日は何も予定はありません。咳も止まり、熱も下がり、傷痕の痛みも和らぎ、お腹が空いてきました。
昼食後のシャワーを予約しました。
夜はサッカー、スペイン戦です。それまで読書して過ごそうと決めました。読むのは昨日の続きです。
9時、主治医の先生の回診がありました。
明日レントゲンを撮って、接合がうまくいっておれば管を抜きましょう。そうなれば、退院は近いですよ。先生は励ますようにそう言ってくださいました。
入院着を解いて腹部の状態を確認してもらいました。ドレーンが挿さっていた右腹部の傷痕にカサブタができていました。塞がったようです。
その上に貼っていたガーゼも外され、これであと体に付けられているのは、尿の管と左手首に巻かれた患者IDのタグだけになりました。
そうしてわたしは勝手に、今日一日をゆったり過ごそうと考えていました。ところが、病院の方はそういうわけにはいかなかったようです。
昨日入居されたばかりの隣のベッドの患者さんは今朝バタバタと退院していかれました。空になったベッドが慌ただしく交換され、掃除され、すぐに次の新しい患者さんが入ってこられました。
ナースさんとのやり取りが、聞きたくなくても聞こえてきます。どうやら、わたしと同じ手術を受けられるようです。
手術はだいたい9時半くらいに始まって、2時半くらいまで。それから麻酔が覚めるまで小一時間かかるでしょう。その間に家族の方に経過説明があります。そんな話でした。
わたしのときは事前にそんなに詳しく教えてもらわなかったと思いますが、それはまあ、いいです。麻酔から覚めるまで小一時間だったとすれば、薄暗いICUのベッドで目を覚ましたのは、あの日の夕方だったことになります。一度目を覚まし、痛み止めをもらい、意識を失うようにわたしはまた眠りに落ちました。その次に目を覚ましてからが辛かった。
不安です、と隣の患者さんがナースさんに漏らす声が聞こえてきました。
顔も名前も知らないその人の幸運を願わずにはいられませんでした。
そういえば、今日は火曜日でした。火曜日に入院して水曜日に手術。手術後の夜はICUで過ごす。この病院ではそういう流れになっているようです。
シャワーは13時半から。今日は準備万端、20分ほどですべてを済ませて病室に戻ってきました。
昨日は気付きませんでしたが、脱衣所の壁には大きな鏡が掛かっていました。そこに映る自分を見て驚きました。
ダヴィンチが出入りしたらしい一番大きな傷痕は3、4cmどころではありませんでした。昨日は傷痕を上から見たからそれくらいに思えたのでしょうか。鏡に映るその人のお腹は、ど真ん中を10cmほど縦に割かれていました。いや、10cmはちょっと大袈裟かも。退院したら一度測ってみます(^_^;
午後、やっと1冊読み終えました。
夜はサッカー観戦なので、先に今日の記事をアップしておこうと思います。
困りました。傷痕が痒いです。