森の奥へ

街の喧騒に惹かれて森を出た山猫はいつの間にかずいぶんと歳をとった。いつかもう一度故郷の森の奥へ帰りたいと鳴くようになる。でも、街の暮らしはなかなか捨てられるものじゃない。仕方ないから部屋の壁紙だけ森の色に染めてみた。

入院初日

10時半に受付を済ませ11時入室。今回は4人部屋廊下側のベッド。

新型コロナ対策のため家族の付き添いはナースステーションまで。入退院と手術の日以外は面会もできない。次の日曜日に見舞いに行くよ。子供たちはそう言ってくれたが、しばらく会えそうにない。

わたし自身も昨日PCR検査を受けた。結果、陰性だったので無事今日の入院に至っている。

病室が7階と聞いたときは窓から望める遠景を期待したが、廊下側なので窓はない。カーテンと壁で仕切られたスペースは見事なほど無機質。

昼食は病院食、メインはピラフ。薄味だが美味しかった。病室で食べるわりには。

夕食時からは点滴のみ、次にちゃんとした食事が摂れるのは何日か先になる。

昼食後、少し早いがシャワーを使った。病棟のお風呂は広くて機能的。疲れを癒す目的には合わなさそう。次の入浴はこれまた何日か先になる。

午後からは点滴が始まった。下剤を飲んだので、何度かトイレに行く。明日の手術までにお腹の中を空っぽにしておかないといけないらしい。夕食抜きでも、点滴のおかげでそれほどの空腹は感じなかった。

夕方からはベッドの上でオリンピック観戦。家から持ってきたタブレットに病棟のWi-Fiを繋いで観ることができた。今日も金メダルラッシュが続く。

男子サッカー、フランス戦を観ている途中で点滴が終わりチューブを外してもらう。点滴用の針はしばらく刺さったままだ。

22時の消灯後も試合が終わるまでサッカーを観た。気持ち良いゴールが何本も決まるが声を立てられない。右の拳を力一杯握って空を突く。

サッカーが終わって、やっとこれを書いている。退院までにオリンピックのことも記事に書けるだろうか。

体調が悪いわけではない。どこも痛くもない。早いうちに治療することになっただけだ。けれど、今回の入院は少し長くなる。その間に読もうとTsundokuのストックから9冊持ってきた。

『文学の名表現を味わう』(NHKカルチャーラジオ文学の世界)中村明
『詩と出会う詩と生きる』(NHKカルチャーラジオ文学の世界)若松英輔
『ローマの哲人セネカの言葉』中野孝次
『生の短さについて』セネカ
『サン=テグジュペリ/星の王子さま』(NHK100分de名著)水本弘文
『三国志』(NHK100分de名著)渡邉義浩
『無意識との対話』(NHKこころをよむ)町田宗鳳
『〈かなしみ〉と日本人』(NHKこころをよむ)竹内整一
『シニアのための哲学』(NHKこころをよむ)鷲田清一

無事に手術が終われば、オリンピック観戦の誘惑に負けず、全冊読んでしまいたい。

本を読めると思うと、手術のこと術後のあれこれのことを忘れられる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

よければtwitterものぞいてみてくださいね。山猫 (@keystoneforest) | Twitter
 

f:id:keystoneforest:20180211232422j:plain

山猫🐾@森の奥へ

似顔絵はバリピル宇宙さん (id:uchu5213)に描いていただきました。