森の奥へ

街の喧騒に惹かれて森を出た山猫はいつの間にかずいぶんと歳をとった。いつかもう一度故郷の森の奥へ帰りたいと鳴くようになる。でも、街の暮らしはなかなか捨てられるものじゃない。仕方ないから部屋の壁紙だけ森の色に染めてみた。

震災通信(阪神淡路大震災体験記) ***2日目(1月18日)***

 
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1月18日(水)
 早朝、高校で同級だった千葉に住むI淵から電話をもらう。
 午前中、海星病院
(※灘区)から歩いて帰ってくる母を途中まで車で迎えに行く(※自動車は家から少し離れた駐車場を借りていて、そちらも傷一つなく無事でした)。母はしばらく話をしただけで、すぐに病院に戻るという。送って行こうとしたが、渋滞で車が進まない。トアロードのNHK(※中央区)前で別れる。
 しばらくして弟より電話あり。偶然母とすれちがったとのこと。弟は、夕方近くになってようやくわが家に到着する。午前10時から6時間ほどかけて阪急西宮北口から歩いてきたとのこと。しばらく休んだ後、西区の自宅に向かって出発する。さらに板宿
(※須磨区)まで歩くという。板宿から先は地下鉄が通じているらしい。

 

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①海星病院 ②NHK神戸 ③阪急西宮北口駅 ④神戸市営地下鉄板宿駅 ⑤弟の自宅 ⑥わたしの自宅

 

※震災の翌日、大阪方面から鉄道を使って神戸に一番近づけたのが阪急西宮北口までだった、ということが下の路線図からも分かります。弟の自宅最寄り駅はJR明石駅です。大阪方面からそこまで帰るには、神戸を歩いて横断するしか方法はありません。弟は板宿から神戸市営地下鉄に乗って西神中央駅に向かい、そこに奥さんが車で迎えに来てくれたようです。
 わたしの弟が歩いた③(阪急西宮北口駅)~④神戸市営地下鉄板宿駅の間はだいたい24キロくらいあります。6時間かけて、彼は震災直後の神戸の街を歩き、途中で母親と出会えたって、なんという偶然。。。

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震災翌日の阪神間の鉄道不通区間(神戸新聞社作成)

データで見る阪神・淡路大震災|神戸新聞NEXT 

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JR六甲道駅(神戸市灘区)

 JR六甲道駅は線路とともに駅舎が倒壊し、JR神戸線が寸断されてしまいました。当初、再建には2年を要するとみられていましたが、壊れなかった床と梁をジャッキで持ち上げる工法で、わずか74日後の4月1日にJR神戸線の運行を再開させることができました。




 

 

 

 

 

 

 

 
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イラスト/バリピル宇宙さん (id:uchu5213)