令和改元を祝う10連休。
連休を利用して、わが家も旅行に出かけました。
今回の記事はその旅行記(後編)です。
行き先は四国。
2泊3日で、高知市近辺(仁淀川)と室戸岬を回ってきました。
初日の行程は以下の記事に書きました。
よろしければご覧ください。
さて、2日目です。
2日目5月3日(金)
ホテルチェックアウト発8時30分~高知城(高知市城西公園)~桂浜(高知市浦戸)~室戸岬(高知県室戸市室戸岬町)~ホテル白い燈台(徳島県海部郡美波町日和佐浦)18時着
2日目も好天。
高知市内観光と室戸岬めぐりが2日目の目的です。
最初に向かったのはホテルから車で数分の距離にある高知城でした。
①1泊目の宿「セブンデイズホテル」さん、②は1日目の夕食を食べた「さかなや道場帯町店」さん、③高知城
高知城・城西公園でまず目を惹いたのは「リョーマの休日」。
高知県観光特使をつとめた大橋巨泉さんが「女性の憧れは昔はローマの休日、今はリョーマの休日」と言ったことから高知県観光キャンペーンのキャッチコピーになったのだとか。
26歳で土佐藩を脱藩した龍馬が近江屋で落命したのは31歳のとき。
熾烈な幕末の日々を生き急ぐように駆け抜けた龍馬に休日があったのだとすれば、これほど心休まることはありません。
ちなみに、亡くなる前年にお龍さんと薩摩・高千穂を訪れたのが、日本最初の新婚旅行とされていますが、一説によるとその旅は88日間だったと言います。
追手門から場内に入ると右手前にそびえるのが三ノ丸石垣です。
自然石をそのまま積み上げる野面積みという方法で造られています。
石垣の上に建てられていた三ノ丸は明治の廃城令によって取り壊されてしまいました。
高知城天守閣、四重六階の天守です。
屋根瓦のグレーと白漆喰壁の白が鷹の色合いに似ていることから、別名・鷹城と呼ばれています。
江戸時代の初めに初代藩主山内一豊が築いた城郭のほとんどは享保年間の大火で消失し、現在の天守は寛延2年(1749)に再建されたものだそうです。
江戸時代以前からの天守閣が現存しているのは全国で12城あり、高知城はそのうちのひとつです。
天守閣から右手前方向に続いている城壁の建物は本丸御殿です。
本丸御殿が現存しているのは全国でこの高知城だけだそうです。
青銅製の鯱。
口を開けているのが雄、閉じているのが雌とのことですが、これはどっちかな…
天守閣から下り、二ノ丸跡で売っていた2段重ねのアイスクリンを食べました。
わたしはバニラとユズ、次男Kはバニラとラムネを選びましたが、涼しげな組み合わせを選んだKは、「センスいいね」と奥さんにほめられ、うれしそうでした(^_^;
アイスクリンは、高知名物かな?
10時半、高知城を後にして、次は桂浜に向かいます。
桂浜には、浦戸湾に架かる浦戸大橋を渡っていったのですが、桂浜駐車場に向かう分岐の入口が規制されていて桂浜には入れず、そのまま行き過ぎることになってしまいました。
その先には駐車場らしきものはなくて、一度は桂浜をあきらめました。
ところが、やむなくUターンして戻ってくると、今度はすんなりと駐車場側の分岐に入れました。
そんなことで移動に手間取り、桂浜に着いたのは12時近くになっていました。
桂浜の土産物屋さんでイカの姿焼き発見。
次男Kはイカには目がありません。
口の周りに焼きダレをつけて美味しそうに食べる様子があまりに可愛くて笑えるのですが、彼の名誉のために、その写真をここに掲載するのはやめておきます。
ちなみに、食べ終わったKは手を洗おうとして、
これの使い方を知りませんでした。。。
思ったよりひとけが少なかった桂浜。
水平線のかなたは、あいにくの薄曇りでした。
太平洋を棒きれで叩いて闘っていた、、、どこかの兄弟。
打ち寄せる波にあえなく退却中です。
真剣に闘う姿が可愛くて、よその子なのに撮ってしまいました。
桂浜を見下ろす丘に立つ坂本龍馬像です。
実は期間限定で、龍馬像のすぐ隣に高さ13mの特設展望台が組んであり、そこに上がれば龍馬の横顔が近くから見える、龍馬と同じ目線で太平洋を見渡すことができる、と言うことでしたが、龍馬像を撮るにはただただ邪魔でしたので、写真には残していません。
桂浜から次は、2日目の一番の目的地である室戸岬に向かいます。
さすが土佐。
鯉のぼりならぬ「鰹のぼり」が海からの風にスルスルと翻っていました。
12時半を過ぎ、お腹が空いてきました。
国道沿いに飲食店が見つからず、空港に立ち寄ってやっと見つけました、、、てぬきうどん。
高知龍馬空港の飲食店が並ぶ一角に置いてありました。
ちなみに食べたのはうどんではなくて、土佐料理老舗の「司」空港店の鰹のタタキ定食でした。
前夜の本店の方は満席で入れませんでしたが、空港店はすぐに座れました。
やっぱり塩タタキは絶品(^_^)
昼食を済ませて1時半過ぎ。
そこからは、太平洋を右手に観ながら東へひた走ります。
室戸岬・灌頂ヶ浜(かんじょうがはま)に着いたのはもう16時近くでした。
2枚目の写真手前の海岸に見られるシマシマの地層、タービダイト層と言うそうです。
タービダイト(乱泥流堆積物)は砂と泥が交互に海底に降り積もってできた地層のことです。
白っぽいところは砂、黒いところは泥が集まってできた層で、積もったときは水平だったものが、長い年月をかけて海洋プレートの動きとともに向きを変え、縦向きの縞模様になったのです。
太平洋の深海からこのような地層が押し寄せてきて、それが地面を隆起させ、室戸岬を作ったそうです。
隆起する速さは千年あたり2mと言います。
地球規模で考えると、あまりにも速いペースです。
今も休まず隆起は続いています。
その室戸岬沖140km先の海底4,000mほどのところに横たわっているのが南海トラフです。
日本列島がどれほど危なっかしい位置にあるのか、このことがはっきりと教えてくれます。
と、翌3日目に訪れた室戸世界ジオパークセンターで勉強してきました。
誰かが積み上げたサンゴの塔があちらこちらにありました。
白くて軽いサンゴが微妙なバランスで積み上げられています。
少し揺れればひとたまりもありません、、、
室戸岬の海岸は国道55号線から歩いて下りてすぐのところにあります。
国道沿いには数台分車を停められる駐車場が2,3ヵ所あるだけでしたが、運良く空きを見つけることができて車を停められました。
1日目に訪れた仁淀ブルー近くの駐車場もそうでしたが、ここの駐車場も無料でした。
自動販売機を探してペットボトルのお茶を買ったのは言うまでもありません、、、
この日宿泊する予定の宿まではまだしばらく走らないといけないので、ジオパークセンターや燈台に立ち寄るのは次の日に回して、宿に向かうことにしました。
2日目の宿、「ホテル白い燈台」に着きました。
右の写真は部屋からから望める景色です。
全室オーシャンビューを謳っています。
その通り、美波町日和佐浦の高台に建つ白い燈台は、日和佐湾を眼前に、太平洋を望みます。
夕食です。
ボリューム満点でした(^_^)
3日目5月4日(土)
ホテルチェックアウト8時半~~室戸世界ジオパークセンター・室戸岬灯台・最御崎寺(高知県室戸市室戸岬町)~自宅(神戸市)着19時
3日目は日の出を見てからもう一度室戸岬に引き返し、あとは帰るだけです。
5月4日の日和佐の日の出は5時11分。
ホテルの屋上で日の出を待つつもりでした。
目覚ましは5時にセットしましたが、目が覚めたのは4時半。
最近、朝の早起きがどんどん加速しています(^_^;
もう一度寝てしまうと次に起きるのがきっと辛くなると思ってそのまま起きることにしました。
10連休が残りわずかになり、ようやく宿題に取りかかる気になったと言うか、取りかからないとまずいと気づいた次男Kは、旅行カバンに宿題を持ってきていました。
早起きして宿題するからと言っていたKを5時に起こし、、、ましたが、あとで訊くと、わたしが部屋を出たあとすぐにもう一度布団にもぐりこんでしまったようです。
屋上には先客がいました。
わたしより少し年下の男性でした。
同じように朝陽を撮りに来られたようです。
冷えますね。
正面の海から昇るのかと思っていましたが、そうじゃないようですね。
と、二言三言、言葉を交わしました。
四国のどちらかの訛りを感じます。
もう少しこの訛りを聞きたい。
そうも思いましたが、今朝は海と話しに来たのです。
お互い同じことを思ったようです。
会話はそれで終わりました。
5時18分。
飛んでいるのは鳶だったかもしれません。
自在に舞う鳥は、風を切ってぐんぐんと沖へ向かっていきます。
そこから何が見える?
5時41分。
こちらは海鳥でしょうか。
ほんのわずか海面に頭を突き出した岩先にしがみつくようにして立っていました。
両の翼を大きく広げてバランスを保とうとしています。
獲物が来るのを待っている?
5時46分。
静かな波間を滑るように漁船がやってきました。
船は時々動きを止め、船上に人影が現われます。
養殖網の手入れをされているようです。
声は聞こえてきません。
海の上でひとりきりです。
波が穏やかな朝で良かった。
日和佐浦6時6分。
ようやく稜線に太陽が顔をのぞかせました。
陽光は温かい空気も連れてきたようです。
森の木々が声を上げたような気がしました。
今日も良いお天気になりそうです。
冬の時期にはこの宿からも、水平線から昇る朝陽を観ることができるそうです。
海からの日の出は圧巻でしょう。
ところで、思い出したことがあります。
ちょうど1年前のゴールデンウィークの朝も、日の出を待っていたのでした。
去年は岡山に1泊旅行をしたのです。
静かな瀬戸内海を望む瀬戸内市邑久町の宿に泊まったその朝も早起きして朝陽を待っていました。
その日(平成30年5月6日)、瀬戸内市邑久町虫明(おくちょうむしあげ)の日の出は5時7分でした。
2枚目の写真は宿南側の瀬戸内海を撮ったものですが、養殖筏が浮かぶ向こうに細長く見える島は長島と言います。
ちょうど正面辺りに国立療養所長島愛生園があります。
その日は、長島にある歴史館を訪ねました。
ハンセン病の歴史や入所者の営みが、長島愛生園の出来事を中心に分かりやすく展示されていました。
四国旅行3日目に戻ります。
気がつくと、朝陽が昇りすっかり明るくなったホテルの屋上にはわたししかいませんでした…
朝食を済ませ、さて、もう一度室戸岬に車を走らせます。
10時過ぎ、室戸世界ジオパークセンターに到着しました。
ここでは、室戸の変動する大地の成り立ちや、風土に合わせた独特な文化や歴史・産業などが写真や映像によって紹介されています。
展示内容の詳細については、ジオパークセンターのHPをご覧ください。
リンクはこちらです↓
こんなにも充実した展示ですが、無料で入館できます。
くどいですが、、、駐車場も無料です。
この日訪れた、室戸岬灯台・最御崎寺も無料、駐車場ももちろん無料でした。
お返しにわたしにできることと言えば、ジオパークセンターのジオカフェ限定!という「ジオソフト」を食べることと、今回訪れた場所の素晴らしさをお伝えすることくらいでしょうか。
見た目が衝撃的でも、ジオソフトとっても美味しかったです(^_^)
室戸岬灯台付近から東を望んでいます。
室戸岬は南海トラフを震源とする度重なる地震で隆起してできた土地で、山上部には平坦な台地が広がっています。
隆起する速度は、前述のように千年あたり2mにも及びます。
この平坦な土地はかつての海面の高さで、波によって侵食されてできた海食台のなごりです。
こうした地形を海成段丘と言うそうです。
この日訪れた室戸岬灯台や最御崎寺のほか、室戸市役所や高校、中央病院など多くの施設がこの台地上に立地しています。
台地の上から海岸までは急傾斜の海食崖。
前日訪れた灌頂ヶ浜は真下に見えます。
室戸岬灯台です。
海抜154.7mの場所にあります。
実効光度と光達距離で日本一を誇り、「日本の灯台50選」の一つで、歴史的価値から保存灯台ともされているそうです。
四国では道々、歩いて回られている多くのお遍路さんたちに出会います。
ほとんどのトンネルに歩道が備えられているので初めは不思議に思っていましたが、お遍路さんたちが歩いてトンネルをくぐられるからでした。
室戸岬の先端近くに建つ最御崎寺は四国八十八箇所霊場の第二十四番札所です。
鐘を撞かせてもらいました。
のんびり寛ぐお地蔵さま。
リョーマの休日を思い浮かべました(^_^)
JR牟岐線、徳島県海部郡美波町北河内14時40分。
今回撮った最後の写真です。
このあとはひたすら神戸を目指して車を走らせました。
神戸帰着は19時頃でした。
ところで、最後にもう一回だけお金の話です。
今回の旅行で唯一入場料(入館料)を支払ったのは高知城でした。
高知城以外は、仁淀ブルーも桂浜も室戸岬も、ジオパークセンターも料金はいりませんでした。
お金のことを気にせずに利用できること自体はとてもありがたいです。
でも、それらを維持していくためにはお金が必要なはずです。
必要な場所にうまくお金が循環する仕組みを考えていかないと、貴重な自然やサービスはやがて失われていく気がして…
おーい…
そこから何が見える?