
とある山の中腹に、私・山猫は住んでいます。
山の中腹と言っても、最寄の電車の駅から自宅までは某市バスが結んでくれていますし、某市バスの本数はそこそこ充実していて、だいたい10分間隔くらいで走っています。
なので、不便ではありません。
ま、私が出勤する朝6時半頃の時間帯に、まだ始発バスが走っていないのが大きな短所ではありますが。
私は今の家に十数年前くらいに引っ越してきましたが、この地域は昭和40年代に開発されたと聞いています。
開発された当時は高度経済成長期、まだ移動の足として自家用車を使っている家庭は少なかったと思います。
ですので、そのころからこの地域に住まれている家庭では、いまだに公共交通機関を使わなければ、買い物にすら出かけられないという方がたくさんいらっしゃいます。
というか、そもそも駐車場スペースを持たない家が多いです。
なにしろ、私の家から徒歩10分圏内にはコンビニすらありません。
私の自宅もこの地域が開発された当初に建てられた家です。
中古住宅としてそれを購入しましたが、買ったときには駐車スペースはありませんでした。
山の斜面に建てられたその家には階段を数段上がったところに玄関がありました。
その階段部分を削って駐車スペースを作ってもらうことで購入を決めました。
ちなみに、うちの子供たちの将来の夢は「コンビニのある生活」です。
しかも、引きこもりがちの次男Kの夢は、コンビニ徒歩30秒圏内だそうです。
めんどくさがりのKのことだから、部屋着のままで買い物に行くんだろうな、、、
某市バスはそうした市民の生活の足として日々頑張って走ってくれている、はずです。
ま、例外もあります。
その例外のことを少し愚痴ります。
今夜のツイートです。
こんばんは。
今日も一日お疲れ様でした。
歩くと暑い夜です。
ちょうどバスが出た後だったので、次を待たずに歩いています。
少し汗ばんだので夜景見ながら一息つきました。
私・山猫が仕事から帰る時間帯、電車は10分間隔で走っています。
山の麓と中腹とを結ぶ某市バスもまた10分間隔で走っています。交通の便としては申し分ありません。
ある一つの問題点を除けば。
その問題点とは、
電車が駅に着くのとバスが駅前のバス停を出発するのと、その時刻が全く同じだということです。
なにそれ?
ダイヤ改正がたまに行われますが、何を根拠にするのか、この組み合わせは変わりません。
その結果、以下の①~⑨のようなことが日々繰り返されています。
①電車が駅に着きます。
②駅前に山の中腹へ向かうバスが停まっています。
③②のバスに乗りたい仕事帰りや学校帰りの方々が大急ぎで階段を駆け下りていかれます。
④③の方々は階段を下りた後、さらに改札目指してダッシュされます。
⑤④の競争で上位になられた方が発車間際のバスに見事飛び乗ることができます。
⑥⑤に間に合わなかった後続の方は足がもつれてつんのめりそうになられます。
⑦バスはダイヤ通りに発車しようとドアを閉めます。すぐ前方の信号が赤であっても、容赦なくバスは発車しようとします。きっとバスには⑥のような方々は見えていないんだと思います。バックミラーには何も映っていないんだと思います。
⑧信号が青に変わりバスは発車、みるみる遠ざかっていきます。
⑨⑥の方々の半分は10分後に来るバスを待つために駅前バス停に並ばれます。残り半分の方々は自力帰宅を目指して再び歩き始められます。
私は③の時点でレースを棄権することが多いです。
駅から自宅まで歩いてかかる時間は15分から20分。
10分バスを待って、数分バスに乗って、バス停から数分歩いたとして、かかる時間は結局のところ15分から20分。
バスを待とうが歩こうが、帰宅できる時刻は数分の違いしかありません。
ですので、私は歩いて、山を登って帰宅する方法を選ぶことが多いです。
駅から自宅までの標高差は約120mです。
歩いて帰ると、途中で夜の街明かりを眺めることもできるし(twitterの写真で見えているのは大阪の街です)、運動にもなるし、たまにイノシシに遭うこともできるし、魅力たっぷりの山道です。
文句ありません。
私たちを置いてけぼりにして発車したバスは山の中腹にある住宅街を一周して、また山の麓に下りてきます。
なので、私は家まであと数分というところで、山を下っていくそのバスとすれ違います。
すれ違う場所は日々だいたい同じところです。
すれ違いざま、私は少し恨みがましい目でバスを睨みます。
その近くに電柱が何本か立っています。
私は一本の電柱を目印に決めました。
その電柱より手前でバスとすれ違ったら私の負け、その電柱を過ぎたところでバスとすれ違ったら私の勝ちです。
勝った夜、私は得意げにバスに目をやります。
今までのところ通算すると勝負はほぼ互角。
ただ、今夜は夜景をぼんやり眺めていたのでその分遅れました。
私の負けです。
という理由で、私・山猫はバスの定期券を持っているのに、バスに乗らずに歩いています。
朝は、まだバスが走っていないために。
夕は、バスが待ってくれないために。