森の奥へ

街の喧騒に惹かれて森を出た山猫はいつの間にかずいぶんと歳をとった。いつかもう一度故郷の森の奥へ帰りたいと鳴くようになる。でも、街の暮らしはなかなか捨てられるものじゃない。仕方ないから部屋の壁紙だけ森の色に染めてみた。

かみさまのいじわる

あの日から22年が経つ。この先いくつ歳を重ねても、あの日を忘れることは絶対にない。

人生のなかで一番強烈な記憶。

 

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かみさまのいじわる

 

なんでえいじのいえつぶしたんや
えいじのいえつくれ
つくられへんねんやったら
おかねくれ
おかねもくれへんねんやったら
こんなこわいじしんするなー
おい かみさま
えいじのいえさがせ
さがしてくれへんかったら
かみさまのいえもつぶしてやるからな
おぼえとけ
おぼえとけー

 

(阪神淡路大震災当時長田区内の小学校2年生 だったえいじくん、文集『かみさまのいじわる』より)

 

 

原稿用紙のマス目からはみ出さんばかりの筆致で書かれた詩。すべてひらがな。

最後の「おぼえとけー」は3行分にまたがる特別大きな字で書かれている。心の叫びだ。

どうしてこんな理不尽な目に遭わされんとあかんのや? 一体僕が何をしたんや? こんな酷い仕打ちを受けんとあかんほどの悪さを僕がしたんか? なあ、かみさま、何でや? 教えてや。なあ!

何度読み返しても、えいじくんの心の叫びを想い、山猫は感情を抑えられなくなる。

えいじくんは、こんなに辛い目に遭っても、それでもかみさまを信じている。かみさまなんかいない、とえいじくんは決して思ってはいない。

だからかみさまに呼びかけるんや。

 

震災15年目のNHK番組で紹介された、あの日から15年後のえいじさんは「今でもかみさまのことをいじわると思っていますか」という問いにこう答えている。

 

はい、地震の事は、絶対に忘れる事が出来ないと思います。

 

えいじさんはあの日のあと 、家を失い母と引き離されたという。

 

山猫も絶対に忘れない。

家を壊され、身近に人の死を見た。

あの日のことを何度も何度も何度も何度も思い返す。そして、これから前に進む勇気にする。

 

 

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