森の奥へ

街の喧騒に惹かれて森を出た山猫はいつの間にかずいぶんと歳をとった。いつかもう一度故郷の森の奥へ帰りたいと鳴くようになる。でも、街の暮らしはなかなか捨てられるものじゃない。仕方ないから部屋の壁紙だけ森の色に染めてみた。

引き際なんて、いらない。

 

 

今回のリオデジャネイロオリンピック日本選手団の最年長者は46歳、桝井俊樹選手だった。法華津寛選手と同じく馬術競技への出場である。

同じく馬術では、40歳の杉谷泰造選手が日本人過去最多となる6大会連続の出場を果たしているが、これは、1996年のアトランタオリンピックからの連続出場だった。

なお、彼らの他に、40歳以上の選手が7人出場した。

ゴルフ;片山晋呉選手(43歳)、射撃;秋山輝吉選手(44歳)、松田知幸選手(40歳)、石原奈央子選手(41歳)、馬術;大岩義明選手(40歳)、北井裕子選手(43歳)、原田喜市選手(43歳)である。

ところが、9月7日から始まったリオデジャネイロパラリンピックには、法華津の記録に迫る選手がいる。卓球女子の別所キミヱ選手がその人だ。

「自分を超えたい」と語るリオデャネイロパラリンピックの日本選手団最年長者は68歳で、9日の1次リーグを突破しており、日本時間の11日早朝に準々決勝に挑む。(※結果は残念ながら敗退)

9日の試合では、審判に年齢を告げると「信じられない」と驚かれたという。

ちなみに、パラリンピックでは障害の程度によるクラス分けは行われているが、年齢は関係ない。つまり、年齢はハンディにはならないということだ。

別所は、2004年アテネパラリンピックから4大会連続で出場し、前回ロンドンでは5位に入賞している。42歳の時、仙骨にがんを発症し、合計で約60時間にも及ぶ大手術を経て命を取り留めた。車いす生活になったが、45歳から始めたスポーツが卓球だった。今でも週6日、最低3時間は練習するという。

試合には、茶色く染めた髪を編み込み、毛先にはチョウの髪飾り、「戦闘服」代わりという、派手なメークで臨む。海外勢からは「バタフライ・マダム」と呼ばれているそうだ。

「持てるものを出して勝てなかったら相手が上だったということ」

全力を出しきればそれでいい。

 

 

 

 

 

 

 

 

  
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