森の奥へ

街の喧騒に惹かれて森を出た山猫はいつの間にかずいぶんと歳をとった。いつかもう一度故郷の森の奥へ帰りたいと鳴くようになる。でも、街の暮らしはなかなか捨てられるものじゃない。仕方ないから部屋の壁紙だけ森の色に染めてみた。

2022-10-12から1日間の記事一覧

不快な存在 (創作短編小説)2/6

連載2回目です。前回分はこちらです。 www.keystoneforest.net 「秋山さん、お伺いしましょう。ゆっくりと最初からお話しください」 とりあえず話を聞くしかないだろう。片岡は覚悟を決めた。「長い話になりますが」と前置きすると、秋山は感情を抑えた口調…