森の奥へ

街の喧騒に惹かれて森を出た山猫はいつの間にかずいぶんと歳をとった。いつかもう一度故郷の森の奥へ帰りたいと鳴くようになる。でも、街の暮らしはなかなか捨てられるものじゃない。仕方ないから部屋の壁紙だけ森の色に染めてみた。

2020-12-06から1日間の記事一覧

幸せの定員 (創作小説)  ***-0.5*** 貧乏な人とは、少ししか持っていない人ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人のことだ

幸せの定員(創作小説) ***-0.5*** 検査入院をする母に付き添ったときのことです。検査入院ですから、どこか体調が悪いわけではなくて、検査後を安静に保つための入院です。その夜一晩を病室で過ごせば翌朝には退院できます。病室は4人部屋、母の…