森の奥へ

街の喧騒に惹かれて森を出た山猫はいつの間にかずいぶんと歳をとった。いつかもう一度故郷の森の奥へ帰りたいと鳴くようになる。でも、街の暮らしはなかなか捨てられるものじゃない。仕方ないから部屋の壁紙だけ森の色に染めてみた。

2017-08-17から1日間の記事一覧

魔法の鏡。 (創作短編小説)

魔法の鏡。 古道具屋で俺は一枚の鏡を買った。 店の隅に隠すように置いてある、タータンチェック柄の布が掛けられた妙なものに俺は気がついた。布をめくってみると古ぼけた鏡が現れた。 「気をつけなよ」と背後から声がした。鏡には、不釣合いなほど高い値札…