森の奥へ

街の喧騒に惹かれて森を出た山猫はいつの間にかずいぶんと歳をとった。いつかもう一度故郷の森の奥へ帰りたいと鳴くようになる。でも、街の暮らしはなかなか捨てられるものじゃない。仕方ないから部屋の壁紙だけ森の色に染めてみた。

枯れ始めたサクランボの木に今年も実ったサクランボ。

 
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庭のサクランボの木にサクランボが熟しました。

つやつやです。

市販のものに比べると甘さでは劣りますが、十分に瑞々しくて美味しいです。

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写真のほかに枝から採って直接食べたものがいくつかと、まだ枝から採らずに残しているものもあります。

それらを全部合わせて、、、

 

、、、今年実ったのは30粒くらいでしょうか。

1本の木にたったの30粒です。

去年もあまりなりませんでしたが、それ以前は、多い年は中くらいのボウルに1,2杯は採れたものでした。

放っておくと野鳥に食べられてしまうので、実が色づき始める前にサクランボの木全体をネットで覆って守っていました。

ところが、今年は最初から収穫するのをあきらめていました。

サクランボの木が枯れ始めたからです。

 

 

次の写真が今朝のサクランボの木です。

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何本かの枝には葉っぱがついていますが、大半の枝は葉っぱをつけず寒そうです。

数年前から葉っぱがつかない枝が目立つようになり、それでも去年まではまだほとんどの枝に葉っぱがついていたのですが、今年は葉っぱがついた枝の方が少なくなってしまいました。

毎年ただ自然にまかせ、サクランボの花が咲き、花が散り、葉っぱが芽吹き、青くなり、そして実がなる様子を当たり前のように見ていただけでした。

ほとんど世話らしいことはしてきませんでした。

おまけに実が熟す時期はネットで木全体をぐるぐる巻きにして、ずいぶん窮屈な思いをさせてきました。

だから枯れてきたのだと思いました。

  

ひょっとして来年はサクランボの花はひとつも咲かないかもしれない。

そんな気がして今年はネットをかけるのをやめ、サクランボの木にお日様の光を存分に浴びてもらうことにしました。

実が野鳥に狙われても仕方ない。

むしろ食べてもらってかまわないと思っていました。

それなのに、実は野鳥に食べられることなくちゃんと熟してくれました。

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ほら、左の端っこ。

葉っぱの下にこっそりと赤い実を隠しています。

でも本当のところは、今年のサクランボの木は野鳥たちから見てもあまりに元気がなくて、実をつけているとは到底思えなかったんじゃないかという気がしています。

それとも、野鳥たちもこのサクランボの木の行く末を案じて食べないでおいてくれたのでしょうか。

 

今年の春、花はこんな感じに咲いていました。 

www.keystoneforest.net

 

なんとか回復させる方法はないのか、遅まきながらネットで調べてみました。

 

すると意外なことが分かりました。

うちと同じようにサクランボの木が枯れて困っている方が何人もいらっしゃったのです。

なんと、サクランボは家庭果樹の中でもっとも栽培が難しいとされている木なんだそうです。

しかも栽培には殺菌剤の農薬が必須なので無農薬栽培は不可能です、とありました。

もちろん、うちでは一切農薬は使っていません。

これって、今まで何もしないのにサクランボが実っていたことが、逆に奇跡的だったっていうことなのでしょうか?

ことの真偽は分かりませんが、その奇跡にただただ深く感謝しつつサクランボをいただいているところです。

美味しくいただいたあと、口に残った種をプイッとサクランボの木の傍に吹き飛ばします。

 

願わくば、この種から新しい芽が出てくれますように。

ああ、なんて他力本願(^^;

 

 

 

 

 

 

 

 

  
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山猫@森の奥へ
似顔絵はバリピル宇宙さん (id:uchu5213)に描いていただきました。