森の奥へ

街の喧騒に惹かれて森を出た山猫はいつの間にかずいぶんと歳をとった。いつかもう一度故郷の森の奥へ帰りたいと鳴くようになる。でも、街の暮らしはなかなか捨てられるものじゃない。仕方ないから部屋の壁紙だけ森の色に染めてみた。

Hey Jude ~Mの高校最後のバレーの試合と、受験直前のKの高熱~

 
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今日は午前中出勤しました。

家を出た時刻がいつもより遅めなので朝の太陽はずいぶん高いところまで上っています。

大阪の街は朝靄に包まれていました。

お天気はこの後下り坂。

お昼ころには雨が落ちてきました。

 

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今日、長男Mはバレー部OBを集めて、学校で試合と昼食会。

Mの高校は彼らが卒業した後、閉校します。

閉校式を兼ねた高校最後の卒業式はこの月末に迫っています。

その卒業式に在校生はいないのです。

Mは彼の高校の男子バレーボール部最後のキャプテンでした。

顧問の先生から閉校、閉部を前に、OB戦の企画を持ちかけられ、友達と手分けしてOBたちに連絡を取ったようです。

今日は20人以上が集まり、上は50代の人まで来てくれるそうです。

朝の出勤前、Kに、

これがバレーの試合をする最後かも?

と話しかけると、

また時々やると思う

と返してくれました。

それはそれで心強い返事なのですが、Mはこの4月から大学に進学します。

自宅からの通学になるので大学まで時間もかかるし、アルバイトもするし、部活動などにあてる時間の余裕はなさそうに思えます。

中学校以来6年間続けてきたバレーボールにこれで一区切りつくはずです。

実は、卒業後にOBとして高校を訪れ、後輩部員たちに混ざってボールを触る、というおまけのような楽しみ方があるのが普通なのですが、Mの場合、それはありません。

なにしろ、部も高校もなくなるのですから。

一体どこでメンバーを集めるつもりなんだか。

 

この先どうなるにせよ、今日の試合が高校最後の試合になったことは間違いありません。

できればそのプレーを見届けたかったけど、さすがにそれは親バカが過ぎる、と思って口にしませんでした。

 

 

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わたしは仕事を済ませてから散髪屋さんに寄って、3時ころに帰宅しました。

Mはすでに家に帰っており、久しぶりに身体を動かして、疲れた、筋肉痛で身体が痛い、とぼやいていました。

そして、わたしの方もお昼過ぎくらいからどうにも身体が痛みます。

熱はありませんでした。

でも、この時季のこの痛みはもしかして、、、

今年のインフルエンザは熱が出ないまま発症するパターンが多い

とのことで、早速マスクを着けるように奥さんから言われました。

次男Kは中学3年生で、来週末に私立高校の受験を控えています。

彼に伝染ったら大変です。

できるだけKとわたしが顔を合わせないように、寝る場所を少しでも離れた部屋にしないといけない、どこがいいかな、布団はどうしよう、と奥さんがあれこれ考え始めました。

わたしはまずは、昼寝して身体を休めることにしました。

 

寝入ってしばらくすると、リビングで誰かがギターを弾きながら歌っているのが聞こえてきました。

曲はビートルズの「Hey Jude」、歌っているのは、どうやらKのようです。

長男のMにしろ、次男のKにしろ、普段は食事のときだけリビングに姿を現し、食べ終わるとそそくさと自室に戻っていきます。

家族がそろって顔を合わせるのは食事のときくらいです。

ところが、なぜかたびたびリビングに顔を出し、親に懐いてくるときがあります。

とりたてて用もないのにしゃべりかけてきたり、テレビを観るのに付き合ったりします。

普段は全然テレビなんて観ないのに。

どういうときか、分かりますか?

 

それは、、、

 

テスト前です。

 

自分の部屋に戻ってテスト勉強と向き合うのが嫌で、リビングをうろうろしています。

ああ、だからか。

受験勉強をしたくなくてギターの弾き語りをしているKの顔を思い浮かべ、布団の中でわたしは笑ってしまいそうでした。

で、また眠りに落ちて、夜の7時ころに目を覚ましました。

身体を休めて少しは痛みがとれたような気がします。

夕食の時間でもあるし、と思い、リビングに行ってみると、Kがマスクをしてぐったりしていました。

高熱です。

さっき歌っていたときは元気だったのに、あれから急に熱が上がってきたみたいです。

Kの方が先にインフルエンザにかかってしまったのかもしれません。

受験日まであと7日。

今日発症したのならぎりぎり受験日には治っているはずですが、、、

 

ということで、わたしが隔離される意味はなくなり、マスクも外していいことになりました。

 

 

「Hey Jude」は中学の音楽の授業で覚えたのだそうです。

 

ただの偶然なのか、それとも音楽の先生からのメッセージなのか。

旅立ちを前に、立ちすくみそうになる子供たちに向けられた歌のように聞こえます。

 

 

Hey Jude, begin
さあ、ジュード やってみなよ

You're waiting for someone to perform with
誰かが手助けをするのを待っているつもりかい?

And don't you know that it's just you
きみにしかできないことじゃないか

Hey Jude, you'll do
なあ、ジュード わかっているだろう?

The movement you need is on your shoulder
すべてはきみ次第で変わっていくんだ

 

作詞 John Lennon , Paul McCartney

 

 

 

 

 

 

 

  
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