森の奥へ

街の喧騒に惹かれて森を出た山猫はいつの間にかずいぶんと歳をとった。いつかもう一度故郷の森の奥へ帰りたいと鳴くようになる。でも、街の暮らしはなかなか捨てられるものじゃない。仕方ないから部屋の壁紙だけ森の色に染めてみた。

こたつに住みたひ。

 
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次男K(中学3年)の文化祭の展示を中学校に観に行ってきました。

 

山猫家がある某市は中学校の夏休みの宿題として毎年全学年に「理科の自由研究」を課し、熱心に取り組ませています。

実験をして写真を撮ったり、記録をグラフや表にしたり、最後の考察をまとめたりと、なかなか手間と時間がかかる宿題です。

実験結果は四つ切画用紙を縦長に何枚も貼り合わせたものに書いて掲示しやすくします。
今年のKの研究は画用紙6枚分になりました。

長男Mの自由研究に付き合って3年、Mの中学校卒業と入れ違いに中学に入学したKに付き合ってさらに3年、あわせて6年連続、私も「理科の自由研究」に取り組んできました。

えっと、あくまで付き合っただけです、少し手伝っただけです、先生。

お題を私が考えたこともありましたが、私が代わりに取り組んだわけではありません。
一応(^^;

で、今年のKの自由研究が、クラスから選ばれて展示されている、というのをちょっと得意げにKが話していたので気にして観てきました。

 

ですが、もっと印象的なものが展示されていたので、今日はそちらを紹介します。

この6年間の理科の自由研究については、いつか機会があればまとめて取り上げることにします(…するかな?)。

 

紹介するのは習字の作品です。

そう言えば、先日、夜中に(11時過ぎに)私がリビングでブログの記事を書いていると、急に姿を現して、習字道具を広げてなにやら書き出したことがありました。
夕食とお風呂のとき以外は滅多に自室から出てこないKですから、それはとても珍しい行動でした。

先週の日曜日のことです。

忘れてた忘れてた、とブツブツつぶやきながら、さらさらと書いていたのが、文化祭で展示されていたその作品だったようです。
展示されていたと言っても、クラス全員の分がありましたから、優秀作だったわけではありません。

今から思えば、おそらく提出期限は月曜日。

その前夜、やっつけで書いた作品がこれです。

 

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こたつに住みたひ

 

私は込み上げてくる思いを抑えるのに苦心しました。

苦笑? 驚き? 呆然? 絶句?

一瞬のうちにいろいろな気持ちが湧き上がってきて、ぐるぐると心の裡に渦を巻きました。

で、、、納得?

納得。という思いに落ち着きました。

一緒に観にいっていた奥さんも同じ思いだったかもしれません。

 

まさしく、猫100%

 

実は、猫好きの私は、次男Kが生まれたとき半分くらい本気で「猫次郎」と名づけたいと考えたことがありました。

さすがに、「猫次郎」の命名はかないませんでしたが、Kは内面では私の思いを汲んで、それに近いものを育んでいたのかと思いました。

こたつに潜り込んで丸くなっているKを想像して私はちょっぴり幸せな気分になりました。

 

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そして、Kは片づけが大の苦手です。

Kの部屋の床にはいろいろなものが落ちています。
週に一度くらいは、それを片付けるように叱られます。
叱られると、渋々片付けるのですが、翌日にはまた元の状態に戻っています。

こんなときに、こたつがあれば、何でもかんでもこたつの中に仕舞い込んでこたつ布団から頭だけ出していれば、散らかっているのがばれることはありません。

そして、次から次へとこたつに仕舞い込んでいくうちに、最後にこたつはゴミ屋敷ならぬゴミこたつに。

でも、多分Kは気にしません。
身動き取れなくなったら、次のこたつに引っ越す。
一杯になったらまた別のこたつへ。

叱られたら叱られたで、こたつに潜り込んで嵐が過ぎ去るのを待てばいい。

そしていつしか、山猫家の部屋と言う部屋にモコモコにゴミを溜め込んだこたつが見捨てられた遺跡のようにいくつも雑然と並んでいる日がやってくる。

 

ああ、こたつに住みたひ。

これは、Kの気持ちか、猫次郎の気持ちか、どっちだろう。

 

ちなみに、わが家にはこたつは一つもありません。

 

 

 

 

 

 

 

  
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