森の奥へ

街の喧騒に惹かれて森を出た山猫はいつの間にかずいぶんと歳をとった。いつかもう一度故郷の森の奥へ帰りたいと鳴くようになる。でも、街の暮らしはなかなか捨てられるものじゃない。仕方ないから部屋の壁紙だけ森の色に染めてみた。

『ハイキュー!!』に惹かれる理由

「頂の景色」を見るために春高全国大会制覇を目指すバレーボール部員たちを描く漫画『ハイキュー‼︎』は、登場人物たちと同じ目線でバレーのルールを語り、戦術を解説しながら読者にバレーボールの魅力を伝えてくれる。

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 「頂の景色」、それはひとりでは見ることができない景色だ。

どんなスポーツにも言えると思うけど、自分に短所があるからこそ長所が活かせるポジションを選び、そこで技量を磨くことで自分の短所を克服できるんじゃないのかな?
短所が一つもない人もいなければ長所が全くない人も絶対にいない。自分には良いところなんてひとつもないと思うのはまだ自分を知らないだけ。気づくか気づかないか、磨くか磨かないか、努力するかしないかの違いだけだ。きっと。

烏野高校バレーボール部のプレースタイルは互いの短所を補い合うものではない。チームが勝つために互いがベストのプレーを目指す。そこには互いの長所を引き出すための競い合いがあるだけだ。

登場人物たちが魅力的なのは、その短所と長所が際立っているからだ。

身長190㎝のミドルブロッカー、月島蛍。

多くのスポーツで一番望まれるであろう長身という武器とクレバーな頭脳を持っているのに、バレーボールを「たかが部活」と切って捨てる。熱い心が足りない。

セッター、影山飛雄。

セッターに必要な巧みなトスを操る能力に充分すぎるほど恵まれているのに協調性を全く理解しない。自分本位な性格でチームワークを否定する。

控えのミドルブロッカー、ピンチサーバーで起用されることが多い、山口忠。

おそらく、ごくごく普通の男子高校生。それは決して短所でも長所でもない。でも、山口が選んだ部活の同級生たちのプレーは際立っていた。そこに居合わせたのが運命というしかないかな。山口は同級生たちのプレーを見て、置いていかれないために自分にもできることを探す。そして、誰よりも多くサーブ練習に取り組みジャンプフローターサーブを習得する。その成果が準決勝の青葉城西戦でのサービスエース3本を含む連続5得点に絡む活躍だ。ごくごく普通の山猫は彼に一番共感する。

小さな巨人を目指すミドルブロッカー、日向翔陽。

身長が足りない。絶対的に足りない。低すぎる。試合経験も練習量もバレーボールについての知識も全然足りない。レシーブができない。サーブもダメ。

持っているのは圧倒的なジャンプ力と熱い熱い心。心の熱さはコンプレックスの裏返しだ。足りないものが多すぎて、自分もそれを痛いほど分かっているから、自分が凄いと思ったことはストレートに称讃する。上手くなるためにどんな努力も厭わない。何でも吸収する素直さが最大の武器だ。

素直でなければ成長はない。人のアドバイスを受け入れる素地がある者、人の優れたところを真似ようとする謙虚さを持つ者だけが「頂の景色」見る資格を持っている。

それが明確に描かれているところが『ハイキュー!!』の魅力かな?

 

 

 

 

 

 

 

  
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