森の奥へ

街の喧騒に惹かれて森を出た山猫はいつの間にかずいぶんと歳をとった。いつかもう一度故郷の森の奥へ帰りたいと鳴くようになる。でも、街の暮らしはなかなか捨てられるものじゃない。仕方ないから部屋の壁紙だけ森の色に染めてみた。

バレーバスケ部奮戦記 1

春高バレーの地区予選が始まっている。

春高というと、春の甲子園とイメージがダブルが、春休みに行われる大会ではない。

新春の方の春だ。だからぎりぎり3年生が出場できる。

現在の正式名称は「全日本バレーボール高等学校選手権大会」、「春高バレー」は愛称である。

高校総体、国体、春休みの全国高等学校バレーボール選抜優勝大会とともに、高校3大大会とされてきたので、本来は春の甲子園と同じ位置づけだった。

ところが、

「春高バレー本大会は開催時期の関係で卒業式後の大会となる学校が多く、特に女子で高等学校卒業後直ちに実業団チームに入る生徒にとっては、長期間ブランクが開くことが大きな問題となっていた。これを受けて日本バレーボール協会や全国高等学校体育連盟等、関係各方面による協議の結果、2010年度から選抜優勝大会を廃止し、この大会をその代替として1月開催に変更、3年生も本大会に出場可能とした。」(wikipediaより)

とのことだ。

この3年生が出場できる、という仕組みが面白い。

f:id:keystoneforest:20161010185952j:plain

実は、山猫の上の子供が高校でバレーボールをしている。

今年の高校総体を戦った時点で、部員は3年生5人、2年生2人だった。1年生部員はいない。人気がなくて入部者がいないわけではない。学校側の事情である。

話を進める都合上、上の子供の名前を山猫Mとさせていただきたい。2年生だが、性別は今のところ不詳、ということで。

山猫Mからは、春高予選の話をブログに書くことには同意を得ているが、個人情報に大変デリケートな時代である。書き進めるにあたっては、山猫Mのチームメートのことにも触れる場合が考えられるので、個人情報や学校の情報については最小限に留めたい。

実は190cm近い長身のエースがいる。運動能力、身体能力ともに高く、県の強化選手にも選ばれていた。2枚3枚のブロックの上から強烈なスパイクを叩きこむことができる。が、気まぐれである。

荒削りではあるが将来性を買われ、バレー強豪校(大学)への進学もすでに決まっていた。

だが、高校総体の成績は、2回戦敗退だった。春高がなければこれで3年生たちは部活動を引退することになる。

この時点で大学進学のための受験勉強に専念するとして、3年生が2人引退した。大学でバレーを続けたい者、大学には行かずに就職を希望しているが、高校生活の最後までバレーに関りたい者の3人が残った。

山猫Mとその同級生とを合わせて部員は5人。ましてや、3年生が卒業すれば部員は2人。

これでは、バレーボールが続けられない。

どちらかというと前に出るのが好きな方ではない、いたって穏やかな性格の山猫Mが迎えた、人生最大のピンチだった。

 

 

 

 

 

 

 

  
よければtwitterものぞいてみてください。山猫 (@keystoneforest) | Twitter