春高バレーの地区予選が始まっている。
春高というと、春の甲子園とイメージがダブルが、春休みに行われる大会ではない。
新春の方の春だ。だからぎりぎり3年生が出場できる。
現在の正式名称は「全日本バレーボール高等学校選手権大会」、「春高バレー」は愛称である。
高校総体、国体、春休みの全国高等学校バレーボール選抜優勝大会とともに、高校3大大会とされてきたので、本来は春の甲子園と同じ位置づけだった。
ところが、
「春高バレー本大会は開催時期の関係で卒業式後の大会となる学校が多く、特に女子で高等学校卒業後直ちに実業団チームに入る生徒にとっては、長期間ブランクが開くことが大きな問題となっていた。これを受けて日本バレーボール協会や全国高等学校体育連盟等、関係各方面による協議の結果、2010年度から選抜優勝大会を廃止し、この大会をその代替として1月開催に変更、3年生も本大会に出場可能とした。」(wikipediaより)
とのことだ。
この3年生が出場できる、という仕組みが面白い。
実は、山猫の上の子供が高校でバレーボールをしている。
今年の高校総体を戦った時点で、部員は3年生5人、2年生2人だった。1年生部員はいない。人気がなくて入部者がいないわけではない。学校側の事情である。
話を進める都合上、上の子供の名前を山猫Mとさせていただきたい。2年生だが、性別は今のところ不詳、ということで。
山猫Mからは、春高予選の話をブログに書くことには同意を得ているが、個人情報に大変デリケートな時代である。書き進めるにあたっては、山猫Mのチームメートのことにも触れる場合が考えられるので、個人情報や学校の情報については最小限に留めたい。
実は190cm近い長身のエースがいる。運動能力、身体能力ともに高く、県の強化選手にも選ばれていた。2枚3枚のブロックの上から強烈なスパイクを叩きこむことができる。が、気まぐれである。
荒削りではあるが将来性を買われ、バレー強豪校(大学)への進学もすでに決まっていた。
だが、高校総体の成績は、2回戦敗退だった。春高がなければこれで3年生たちは部活動を引退することになる。
この時点で大学進学のための受験勉強に専念するとして、3年生が2人引退した。大学でバレーを続けたい者、大学には行かずに就職を希望しているが、高校生活の最後までバレーに関りたい者の3人が残った。
山猫Mとその同級生とを合わせて部員は5人。ましてや、3年生が卒業すれば部員は2人。
これでは、バレーボールが続けられない。
どちらかというと前に出るのが好きな方ではない、いたって穏やかな性格の山猫Mが迎えた、人生最大のピンチだった。