森の奥へ

街の喧騒に惹かれて森を出た山猫はいつの間にかずいぶんと歳をとった。いつかもう一度故郷の森の奥へ帰りたいと鳴くようになる。でも、街の暮らしはなかなか捨てられるものじゃない。仕方ないから部屋の壁紙だけ森の色に染めてみた。

2016-09-15から1日間の記事一覧

山猫ノート 2

『野音』を読み返してみると、「'83 4 4」と最初のページの右肩に書いてある。 そうか、だから始めたのか。思い出した。 83年4月、山猫は肩書を失った。当時はフリーターなどという言葉はまだなかった。が、その月のはじめから、まさにそのフリーターとし…